IT 環境の進展は次々に新技術要素の機能を提供している。それらはユーザーを魅了するとともに、"悪意" のある者にもあざとく利用され、新しい手口を提供する結果ともなっているようだ。その使われ方に別け隔てのないのが技術であるから、"詐欺" の新しい小道具、新手口として悪用されてしまったところで新技術要素を責めるわけにはゆかない。
しかし、<カメラの撮影音(シャッター音)やスマートフォン本体の振動でユーザーを慌てさせる>という "新演出" で、ぬけぬけと "詐欺" を働くという、その狡猾さと非道さには目が点となる思いである。
下記の 【 引用記事 1 】:スマホを狙うワンクリ詐欺の新手口、シャッター音や振動で驚かす 悪質アプリでアンドロイド端末を「乗っ取り」/日本経済新聞/2012.03.09 がその新手口の実態と若干の対処法を伝えている。
"Android OSを搭載したスマートフォンやタブレット端末" がウイルス被害を受けやすいことはこれまでにも指摘されてきた。そして、最近では、アプリ(動画再生アプリなど)に見せかけてウイルスを侵入させるという手口が頻発しているという。
"料金請求のメッセージ" 表示とともに、"電話番号" が盗まれることもあるとのことなので、要注意だ。とにかく、不用意に "アプリ" インストールを許可することは禁物である。
"詐欺" と言えば、こちらは、IT 環境に依存と言うよりも "人間の注意力の盲点" を衝くという従来型手口の "振り込め詐欺" についてだ。
下記の 【 引用記事 2 】:米国でも「振り込め詐欺」急増、ナイジェリアから電話も/REUTER ロイター/2012.03.0 によれば、"米国でも急増" という点が目を引いた。
これまで日本国内で頻発し続けている "振り込め詐欺" は、日本の高齢者が "情にもろい" からではないかと解されてきたかに思う。
しかし同記事が伝えるところでは、"米国"( 被害総額は幾分低い? )でも同種の被害が発生しており、加えて<被害者の年齢が若い層にも広がりつつある>とのことでもある。
また、詐欺グループはカナダやスペイン、メキシコ、ナイジェリアなど海外から電話をかけることがあるため、追跡するのが難しいという背景もあるとのことで、その点では、IT 環境の副産物としての "ボーダレス" 環境が "副作用" をもたらしていると言えなくもない。
いずれにせよ、"持てる者" をレバレッジを効かせてさらに富ませる IT 環境の、その裾野では、IT 環境の "ネガティブな副作用" のようなかたちで "泣かされる者" も跡を絶たないというのが不快な現実......。
【 引用記事 1 】
スマホを狙うワンクリ詐欺の新手口、シャッター音や振動で驚かす 悪質アプリでアンドロイド端末を「乗っ取り」
トレンドマイクロは2012年3月8日、Android OS搭載スマートフォンを狙った新たなワンクリック詐欺(ワンクリ詐欺)を確認したとして注意を呼びかけた。ウイルス(悪質なアプリ)を使って架空の料金を請求するとともに、カメラの撮影音(シャッター音)やスマートフォン本体の振動でユーザーを慌てさせる。
ワンクリック詐欺とは、Webページにアクセスしただけ、あるいはWebページ中の画像やリンクなどをクリックしただけで料金を請求するネット詐欺のこと。最近では、アダルト動画などに見せかけてウイルスを感染させ、請求画面を表示し続ける手口が多い。
2011年後半以降は、スマートフォンの普及に合わせて、スマートフォンを狙ったワンクリック詐欺が出現。当初は、Webブラウザー上に料金請求画面を表示させるだけだったが、最近では、パソコンを狙うワンクリック詐欺と同様に、ウイルスを使う手口が出現している。
今回、トレンドマイクロが報告したのも、ウイルスを使った新しい手口。詐欺師は、アダルトサイトなどに見せかけたWebサイトを用意。同サイトにアクセスしたユーザーに対して、ウイルスをアダルトコンテンツを閲覧するアプリに見せかけてインストールさせる。
ウイルスを起動すると、カメラのシャッター音が鳴り、料金請求画面が表示される(図1)。シャッター音を鳴らすことで、ユーザーの顔写真を撮影したと思わせる。実際には、このウイルスには写真を撮影する機能はない。
そのほか、スマートフォンのバイブ機能を使って、本体を定期的に振動させる機能や、ユーザーのメールアドレスや電話番号などを盗む機能、GPSを使って位置情報を取得する機能、料金請求画面を定期的に表示する機能などを備えるという。
今回確認されたウイルスは、通常のアプリと同様に、ユーザーが簡単にアンインストールできる。しかしながら、ウイルスのアプリ名を、あらかじめインストールされているアプリやサービスと似た名前にしているため、ユーザーが判別することは難しいだろうとしている。
(日経パソコン 勝村幸博)
( スマホを狙うワンクリ詐欺の新手口、シャッター音や振動で驚かす 悪質アプリでアンドロイド端末を「乗っ取り」/日本経済新聞/2012.03.09 )
【 引用記事 2 】
米国でも「振り込め詐欺」急増、ナイジェリアから電話も
[ニューヨーク 8日 ロイター] 米国でも高齢者らを狙った「振り込め詐欺」が急増しており、各地の当局は、被害者の年齢が若い層にも広がりつつあると警告している。
連邦取引委員会(FTC)によると、2011年に米国内で報告された振り込め詐欺の件数は計7万3281件で、前年比22%増加。ニューヨーク州のエリック・シュナイダーマン司法長官は8日、昨年に同州の高齢者が受けた被害の総額が約45万ドル(約3680万円)となったとし、消費者保護への警鐘を鳴らした。
こうした詐欺では、高齢者の家に身内を名乗る人物から突然電話がかかり、「車が壊れた」や「強盗に遭った」などの理由でお金がどうしても必要だと泣きつかれ、振り込みを要求されるのが典型的。ニューヨーク州司法長官事務所は、詐欺グループはカナダやスペイン、メキシコ、ナイジェリアなど海外から電話をかけることがあるため、追跡するのが難しい側面があるとしている。
ニュージャージー州司法長官事務所によると、同州の60歳以上からの振り込め詐欺の報告件数は、昨年1年間で1600件に上った。
また最近では、高齢者を狙うケースだけでなく、偽の慈善団体をかたって振込みを要求する詐欺や、嘘の賞金当せんを知らせて手数料を振り込ませる詐欺なども発生しているという。
( 米国でも「振り込め詐欺」急増、ナイジェリアから電話も/REUTER ロイター/2012.03.0 )
われわれは、"即断即決" 風潮の現代に生きている。"詐欺" の思うツボ環境である。そして、相手の "気が動転する" ことを仕掛けようとするのが "詐欺" の常套手段だとすれば、防御策としては "グズ" の薦め以外にないか...... (2012.03.11)
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