その "明るさ" はどの程度なのか? 世界経済を "奈落の底" へと突き落としかねない "欧州不安"、その中心となっている "ギリシャ" の世論が、現時点では<反緊縮派の急進左派連合>に "距離を置く" 判断をし始めている(?!)、というのである。( 【 引用記事 3 】:ギリシャ、緊縮派が支持率トップに ユーロ離脱懸念 反緊縮派を逆転/日本経済新聞/2012.05.18 )
もし、この動きが高まれば、"ギリシャのユーロ圏離脱" のリスクは軽減するのであろうか......。まだ半月以上先の "再選挙" なので行方は定かではないが......。
ところが、折から、あの<有力格付け会社のフィッチ・レーティングス>が、<ギリシャの長期債務格付けを「シングルBマイナス」から「トリプルC」へ引き下げた>という "ギリシャ格下げ" をしたためか、世界の金融市場の動きは、"資産リスク回避" に向け大荒れに荒れることとなった。( 【 引用記事 2 】:フィッチ、ギリシャを格下げ 「ユーロ離脱リスク高まる」/日本経済新聞/2012.05.18 )
ギリシャの<「ユーロ離脱リスク高まる」>という "シビァな評価" が席巻した格好なのだ。
こうした推移によって、"ユーロ下落、ユーロ安" が各国の金融市場を撹乱させ、とりわけ日本では<欧州債務問題が深刻化するとの懸念から株安、円高が進む展開>に結び付いたわけだ。( 【 引用記事 1 】:株急落、4カ月ぶり8600円台=欧州不安で-長期金利8年10カ月ぶり低水準/時事ドットコム/2012.05.18 )
同記事の図表が奇しくも示している "ユーロ・円相場" と "日経平均株価" との "真逆の相関関係" については、まさに目を見張るものがある。いかに、日本経済と "ユーロ圏" とが緊密な関係を持っているか、そのことを改めて知らされた思いがする......。
【 引用記事 1 】
株急落、4カ月ぶり8600円台=欧州不安で-長期金利8年10カ月ぶり低水準
18日午前の東京金融市場は、欧州債務問題が深刻化するとの懸念から株安、円高が進む展開となった。株式市場では、日経平均株価が1月19日以来4カ月ぶりとなる8600円台に急落。......
また、為替は海外市場に続き東京市場でも約3カ月半ぶりに1ユーロ=100円台を付けた。リスク回避の動きが加速しており、安全資産とされる日本国債への投資が膨らんだことから、長期金利は低下している。
大手格付け会社がスペインの銀行や、ギリシャを格下げしたため、ユーロ圏経済の先行き不透明感が強まっている。株価は東証1部の9割以上の銘柄が売られる全面安で、日経平均は一時236円安まで値を下げた。......
長期金利は、...... 2003年7月1日以来、約8年10カ月ぶりの低水準となった。 円・ユーロ相場は午前11時30分現在、100円74~76銭と前日比1円46銭の円高・ユーロ安。外為市場の関係者は「ギリシャのユーロ圏離脱の可能性などを考えると、ユーロはさらに下落するリスクが大きい」(大手外銀)と指摘している。円は対ドルでも上昇し、午前11時30分現在は1ドル=79円42~43銭と90銭の円高・ドル安だった。
( 株急落、4カ月ぶり8600円台=欧州不安で-長期金利8年10カ月ぶり低水準/時事ドットコム/2012.05.18 )( ※引用者注 ―― 文意を損なわないよう留意して割愛しています。)
【 引用記事 2 】
フィッチ、ギリシャを格下げ 「ユーロ離脱リスク高まる」
【NQNニューヨーク=森安圭一郎】有力格付け会社のフィッチ・レーティングスは17日、ギリシャの長期債務格付けを「シングルBマイナス」から「トリプルC」へ引き下げたと発表した。ギリシャの総選挙やその後の組閣失敗を受け、同国がユーロ圏から離脱するリスクが高まっているためという。
フィッチは厳しい財政緊縮を求める欧州連合(EU)などの支援枠組みについて「ギリシャ国民や政治家の不支持は明白」と強調。「6月17日の再選挙の結果、緊縮や構造改革を実行できる政権をつくれなければ、ギリシャの欧州経済通貨同盟(EMU)からの脱退はありうる」と指摘したうえで「脱退は(ギリシャの)民間債務や国家のユーロ建て債務に広範なデフォルト(債務不履行)を引き起こす可能性が高い」と警告した。......
( フィッチ、ギリシャを格下げ 「ユーロ離脱リスク高まる」/日本経済新聞/2012.05.18 )( ※引用者注 ―― 文意を損なわないよう留意して割愛しています。)
【 引用記事 3 】
ギリシャ、緊縮派が支持率トップに ユーロ離脱懸念 反緊縮派を逆転
【イスタンブール=花房良祐】6月に再選挙を実施するギリシャで緊縮財政派の新民主主義党(ND)の支持率が26.1%で首位となった。1週間前まで支持率で先行していた反緊縮派の急進左派連合は23.7%で2位に転落した。同党が強硬姿勢を貫いているのを受けてユーロ離脱の懸念が膨らんだことが影響したもようだ。
同国メディアが5月17日夜、世論調査結果を伝えた。調査期間は15~17日。
緊縮財政派の全ギリシャ社会主義運動(PASOK)は14.9%で3位だった。現時点で投票があった場合に想定される獲得議席はNDが123議席、PASOKが41議席。合わせて過半数の164議席に達し、緊縮財政を堅持する政権を樹立できる。 ......
( ギリシャ、緊縮派が支持率トップに ユーロ離脱懸念 反緊縮派を逆転/日本経済新聞/2012.05.18 )( ※引用者注 ―― 文意を損なわないよう留意して割愛しています。)
冒頭の ギリシャに関する "緊縮策/ユーロ離脱" の問題では、<最終的には政治的な妥協によりギリシャのユーロ離脱や無秩序なデフォルト(債務不履行)は避けられるとの見方が大勢だが、「再選挙に向けて緊縮策を緩めるような方向性が出れば内外からユーロ離脱への圧力がかかってくる。......>( REUTER/2012.05.18 )という見方もあり、一筋縄では行かない困難さが見え隠れしているようだ...... (2012.05.20)
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