"テールリスク" という用語があるそうだが、その意味は、"発生確率が小さいが、生じると大きな損失のことを指す" ことのようだ。
"東日本大震災" や "首都直下地震" などもこれに相当するが、喫緊の対象は "ギリシャ危機" であり、"ギリシャのユーロ圏離脱" 問題となる。
だが、それが<「テールリスクとは言ってられないようになってきた」>( 下記引用サイト記事:ギリシャ再選挙で深まるユーロ懸念、日本株の弱い下げ渋り感/REUTERS/2012.05.16 )と観測され始めたのが、どうも現状のようである。
と同時に、ギリシャを巡る "ユーロの危機" は、"回り回って"、"連鎖的に" グローバル経済全体を揺さぶり、ただでさえ問題含みの各国経済にブレーキを掛けさせ "減速化" を迫っているという構図が要注意となる。
つまり、"牽引力" を欠いた状態の現状のグローバル経済において、"下方圧力" だけがジワジワと強まり、現実化しつつあるわけだ。まるで「真綿で首を絞める」がごとき(?!)状況が、残念ながら現時点の推移のように見える......。
そんな中で、<日本株は下値を模索する展開>となり、すでに<個人投資家の投げ売りが一巡>(追い証での処分売り!)し、<海外勢の売りは利益が出る銘柄を中心に継続>とある。
未だ "売り浴びせる" ような "海外勢" の動きには至っていないようだが、ここまで来ると、今後警戒されるのはその点以外にはないのかもしれない......。
ギリシャ再選挙で深まるユーロ懸念、日本株の弱い下げ渋り感
[東京 16日 ロイター] ギリシャの再選挙実施が決まり、ユーロ 圏への懸念が一段と深まったことで、株式などリスク資産への売りが継続している。コモディティ価格の下落が一服したほか、日本株は個人投資家の投げ売りが一巡するなど下げ渋り感も出ているが、買いの動きは依然鈍い。
ドル/円は底堅いが、対ユーロでの円高が進み輸出株の上値を押さえている。円債金利は長期ゾーンを中心に一段と低下した。
<日本株は投げ売り一巡も買い鈍い>
個人投資家の投げ売りが一巡したことから、前場の東証マザーズ指数は4日ぶりに反発した。日経平均.N225 も一時は17円安まで下げ幅を縮小。...... 米経済指標が堅調で対ドルで円安が進んだことも買い安心感を誘ったという。
しかし積極的な買いの動きは依然として乏しく、先物に売りが出ると日経平均は再び下げ幅を拡大。2月1日以来となる8800円割れとなった。「ユーロ 圏への不安が強く、どこまで下がるかわからないため買いを入れにくい。一方、海外勢の売りは利益が出る銘柄を中心に継続しており、地合いは弱い」(米系証券トレーダー)とされ、日本株は下値を模索する展開となっている。
不安の中心はやはりユーロ圏だ。ギリシャは15日、組閣に向けた連立協議を断念、再選挙実施を決定した。新政権が支援合意を拒否する可能性も高まってきており、ユーロ圏離脱への懸念も「テールリスクとは言ってられないようになってきた」 ...... ギリシャがユーロ圏を離脱した場合、フランスの納税者は最大664億ユーロの負担を強いられ、仏銀は200億ユーロの融資関連損失を被る可能性があると指摘している。
欧州の景気減速は、同地域を最大の輸出先とする中国にダメージを与える。中国の景気減速はコモディティ需要を減退させ新興国経済に打撃となるほか、同国が最大の輸出先である日本にも影響をもたらす。
T&Dアセットマネジメントのチーフエコノミスト、神谷尚志氏は「米国経済に影響が及んでないのが救いだが、かつてのように他国の商品をどんどん輸入できるほどの強さは米国にはない。欧州発の連鎖的なグローバル経済減速がしばらく続きそうだ」と述べている。 ......
(ロイターニュース 伊賀大記;編集 吉瀬邦彦)
( ※引用者注 ―― 文意を損なわないよう留意して割愛しています。)
<「テールリスクとは言ってられないようになってきた」>と表現はされても、どうであろうか、"ギリシャのユーロ圏離脱" の "発生確率は小さい" と目されているのではなかろうか......。果たしてそのなのかどうか......。
現代における "テールリスク" 自体の実情もやがて見えてくる...... (2012.05.17)
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