米国経済回復は米製造業「メードインUSA」への回帰で?米政権の製造業再生策! ......

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 つい先ごろ、日本の半導体製造メーカー:"エルピーダ" が、米国の半導体メモリーメーカー:マイクロン・テクノロジーに買収された。
 "エルピーダ" は、いわば競合の韓国の "サムスン電子" によって "潰された" 格好ではなかったか......。
 ところが、皮肉にもその "サムスン電子" が、今、"米国資本" となったばかりの "エルピーダ" によって大打撃を被っているという。事情は、下記の引用サイト記事の通りだ。

<[ソウル 16日 ロイター] 16日のソウル株式市場で、米アップルが大量の半導体をエルピーダに発注したとの報道を手掛かりに、サムスン電子株が6.2%値を下げ、時価総額が100億ドル減少した。...... 台湾のオンライン・ニュースサイト、Digitimesが業界関係者の話として、アップルが最近、大量のモバイルDRAM(記憶保持動作が必要な随時書き込み読み出しメモリー)をエルピーダに発注したと報道。...... >韓国半導体株が急落、アップルがエルピーダに大量発注との報道/REUTERS/2012.05.16


 しかし、この推移からは、単に皮肉にもではなくて、景気回復に傾注する "米国の意図" が浮かび上がっているかに見える。
 米国(政権)は、景気を活性化する重要材料としての "雇用創出" にテコ入れ、そのための方策としての "製造業再生策" に力点を置いているわけだ。

< [チャンドラー(米アリゾナ州) 1日 ロイター] 「ファブ42」と味気ない名称で呼ばれているが、米アリゾナ州の砂漠に建設中の米インテルの半導体製造施設は、ありふれた施設ではない。
 総工費50億ドルとされるこの施設は、史上最も進んだ半導体製造施設だ。ここで生産されるマイクロチップに搭載されるトランジスタは非常に小さく、1本の針の先に1億個以上を載せることができるほどだ。
 またこの施設はインテルにとって、米国が依然モノ作りに適した場所なのかどうかを占う上で、大胆な賭けともいえる。多くの政府高官や企業の幹部が信じているように、製造業が雇用や長期的な経済成長にとって不可欠であるならば、「ファブ42」は心強いシンボルとなり得る。...... >
焦点:米政権の製造業再生策、半導体の海外移転を阻止できるか/REUTERS/2012.05.08


 こうした米国の "製造業再生策" の背景については、下記引用サイト記事:米製造業が「メードインUSA」に回帰、中国の人件費高騰など背景/REUTERS/2012.04.20 が、既に実情の要点を伝えていた。

米製造業が「メードインUSA」に回帰、中国の人件費高騰など背景

 [ニューヨーク 20日 ロイター] 中国が人件費高騰などを背景に「世界で最も安価な生産拠点」との肩書きを失いつつある中、米国の大手メーカーが、製造拠点を中国などから米国に移転させる傾向が高まっている。ボストン・コンサルティング・グループ(BCG)が、そうしたトレンドを裏付ける調査結果を発表した。

 BCGは2月、米国を拠点とする製造業106社の幹部を対象にオンライン調査を実施。その結果、「中国からの製造拠点の移転を計画、または積極的に検討している」との回答は全体の37%となった。売上高100億ドル(約8150億円)以上の企業では、その数字は48%と約半分に達している。また、回答者の大半は「中国の人件費は上昇し続ける」との見方を示した。

 製造拠点を海外から国内に戻す「リショアリング」を検討している企業の割合が高かったのは、ゴム製品やプラスチック製品のメーカー。一方、コンピューター機器や金属製品の分野ではその傾向が低かった。

 調査をまとめたBCGのハロルド・サーキン氏は「製造業をめぐる経済情勢は、米国に有利な状況になりつつある」と指摘。BCGは、競争力のある製造拠点を米国に置くことで、向こう10年間で最大300万人の雇用創出が見込めるとしている。

<「安価」の再定義>

 BCGによると、米国は西欧諸国や日本に比べると一般的に人件費が安く、「安価な先進国」になりつつある。このため、米国の製造拠点から輸出する欧州や日本の企業が増加する可能性が高いという。

 ゼネラル・エレクトリック(GE)など複数の企業は、拠点の海外移転を進め過ぎたとしており、国内外の人件費の差も縮小しつつあるとみている。GEは、これまでメキシコと中国にあった家電製造拠点をケンタッキー州に戻している。...... 米シンクタンクの情報技術・イノベーション財団(ITIF)によると、2007─09年のリセッション(景気後退)時に、米製造業では全体の約16%に当たる200万人の雇用削減が行われた。

 ただ、米製造業協会とコンサルタント会社デロイトは、同国の製造業では熟練労働者の不足を背景に、約60万人の人材不足があるとしている。製造業の幹部らはこれについて、科学、テクノロジー、エンジニアリングなどの分野での教育を改めて重視することが、人材不足を補うことにつながると指摘している。米製造業が「メードインUSA」に回帰、中国の人件費高騰など背景/REUTERS/2012.04.20

( ※引用者注 ―― 文意を損なわないよう留意して割愛しています。)

 こと、"エルピーダ" を巡るグローバルな展開推移を見せつけられてみると、やはり日本には、グローバル時代に必須であるはずの "マクロな戦略" とその推進力が欠けているのかなぁ、という印象が拭えない...... (2012.05.18)













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