"ギリシャ再選挙" は、"最悪のシナリオ" を回避したものの、大方はこれを手放しで "ソフト・ランディング" だとして胸を撫で下ろしてはいないようだ。
特に市場関係者たちは、ギリシャ、ユーロ圏が相変わらずの "綱渡り"( c.f. プロが"ナイアガラの滝で綱渡り成功"!世界中が"綱渡り"を余儀なくされたご時世で!( 当誌 2012.06.18 ) )状態であるとの観測を崩していない......。
実際、"最悪のシナリオ" が回避されたのだから、もう少し華やかな(?)な "花火" が打ち上げられるかと思いきや、日経平均とてさほどの上げ幅ではなかった。( +151.70 )
老婆心ながら、ここで "上げる" 以外にチャンスはほかにもうないよ、と言い添えたくもなるほどだ......。
クールな(客観的な)市場反応を代表しているかに思えるのが、下記引用サイト記事:ギリシャ難題山積みで市場は慎重、ユーロ離脱シナリオ維持も/REUTERS/2012.06.18 である。
<緊縮策支持派が勝利したが、難題は山積みで市場は依然として慎重ムード...... 新政権が欧州当局との「約束」通り財政緊縮や構造改革を進められるかは不透明で、ユーロ離脱の可能性は依然高い...... スペインの金融問題などギリシャ以外の欧州リスクに加えて、米経済指標が予想を軒並み下振れたことで、グローバル経済の先行き懸念が強まっており、欧州債務問題と世界景気悪化の「負の連鎖」が意識されている。>
<「負の連鎖」>というネガティブな言葉によって象徴されるのが現況のようである......。
ギリシャ難題山積みで市場は慎重、ユーロ離脱シナリオ維持も/REUTERS/2012.06.18
[東京 18日 ロイター] ギリシャ再選挙で緊縮策支持派が勝利したが、難題は山積みで市場は依然として慎重ムードを崩していない。ユーロ高/円安を好感し日本株は大幅続伸となったものの、買い戻し一巡後は伸び悩み。円債先物はプラス圏に浮上した。新政権が欧州当局との「約束」通り財政緊縮や構造改革を進められるかは不透明で、ユーロ離脱の可能性は依然高いとの見方も多い。
<ユーロ離脱の確率は依然50%以上との予測も>
シティグループ証券では、緊縮策支持派が勝利した再選挙後も、ギリシャが18カ月以内にユーロ圏を離脱する確率を50─75%に据え置いた。国際通貨基金(IMF)、欧州中央銀行(ECB)、欧州委員会の3機関(トロイカ)は、新政権に対し、財政再建目標の部分的緩和と新たな支援策を提示する可能性が高いが、それと引き換えとなるだろう民営化を含む構造改革要求に応えることができず、ユーロ圏離脱を余儀なくされそうだという。トロイカはギリシャの財政再建・構造改革プログラムを四半期ごとに点検しているが、「約束」が順守されていないと判断、9月か12月にも金融支援を打ち切る可能性が大きいと予測している。......
藤原直樹氏は「ギリシャ再選挙は緊縮派勝利で最悪の事態は避けられ、株の買い戻しにつながった。とはいえ、スペイン問題もあるほか、ギリシャが緊縮策を推し進め支援を受けられるかどうかは、これからの話になる。本格的なリスクオンにはなり難い」とし、買い戻し一巡後は、為替や海外情勢をみながら高値もみあいになるのではないかとの見方を示している。
<ユーロは早くも伸び悩み>
ユーロは早くも伸び悩みの兆候をみせている。ユーロ/ドルは朝方、一時1.2748ドル付近まで上値を伸ばしたが、昼時点で1.26ドル後半まで押し戻された。「ファンド勢が様子を見て売ってきている」(運用会社)という。ユーロ/円も100円台後半まで上値を伸ばした後は高値圏でのもみあいとなっている。
ギリシャがユーロ圏に残留したとしても、欧州の懸念は晴れないことがユーロの重しだ。ユーロ諸国はギリシャに財政支援を継続しなければならず、各国の財政を圧迫し続ける。IMFやECBは「打ち出の小槌」ではない。資金支援には増資など裏付けが必要になる。一方、ギリシャの失業率は過去最悪の22.6%であり、財政緊縮を過度に進めれば、国民からの反発も大きくなるのは必至。成長路線と財政緊縮の共存戦略の具体策はいまだ不透明だ。......
<米指標悪化、政策期待を維持できるかが焦点>
とはいえ、再選挙を通過したことでギリシャ問題はいったん後退し、米経済に市場の視点が移りそうだとの見方もある。......「目先は市場の視点が米経済に移りそうだ。米マクロ指標の悪い数値を受けて米経済減速が懸念される一方、米連邦公開市場委員会(FOMC)での追加金融緩和への期待感も根強い。......」
実際、米経済指標は芳しくない。前週末に発表されたマクロ指標は軒並み、米経済の減速を示していた。5月の鉱工業生産指数は前月比0.1%低下。ここ3カ月で2度目の低下だ。......
19─20日のFOMCでは、市場の政策期待をつなぎとめることができるかが大きな焦点となる。円債市場は底堅い展開。ギリシャ選挙結果を受けて、朝方はリスクオフの巻き戻しから売りが先行したが「押し目局面を待ち構えていた国内勢からすかさず買いが入った」(外資系証券)という。スペインの金融問題などギリシャ以外の欧州リスクに加えて、米経済指標が予想を軒並み下振れたことで、グローバル経済の先行き懸念が強まっており、欧州債務問題と世界景気悪化の「負の連鎖」が意識されている。
(ロイターニュース 伊賀大記;編集 内田慎一)
( ギリシャ難題山積みで市場は慎重、ユーロ離脱シナリオ維持も/REUTERS/2012.06.18 )( ※引用者注 ―― 文意を損なわないよう留意して割愛しています。)
当分の間、<世界中のみんながいわば "綱渡り" を余儀なくされる>という "緊迫した季節" が続く...... (2012.06.19)
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