今度は、30度を軽く超える "猛暑" が人々を悩ませている。
だが、この暑さは、"暑気払い" に冷えたビールをグイッとあおるだけでは済みそうにない。このところの不況や何やかやで痛めつけられている家計に追い打ちが掛かりそうだからである。
世界の "穀物価格" が上昇を続け、食品全体の価格水準を押し上げつつある点は以前から懸念されてきた。
ちなみに、"トウモロコシ"、"大豆" の価格は下記のように "右肩上がり" を続けている。
これだけでも "思いやられる" 傾向なのに、ここに来て、「泣きっ面に蜂」という事態が起こりそうなのである。
下記引用サイト記事2点:「米国の干ばつは1956年以降で最悪、トウモロコシさらに高騰か」/REUTERS/2012.07.17 | 「世界的な食品価格高が再来か、熱波で米穀物相場が急騰」/REUTERS/2012.07.10 によれば、
<米国本土の55%が中程度から極度の干ばつに見舞われ>、今回の規模は<1956年12月以来、最悪の干ばつ>に値するとされる。その結果、<米国の農業生産は干ばつで大きな打撃>を受け、トウモロコシ、大豆の "価格急騰" を招いている。
その影響は、以下のように波及してゆくと見られている。
(1) <トウモロコシ価格の高騰> → <飼料コストの増大となって畜産農家や養鶏業者に打撃> → <食肉業者やエタノール生産業者の利益率圧迫の可能性> → <牛肉・豚肉価格が上昇する可能性>
(2) <米国産トウモロコシは世界全体の出荷量の半分以上> → <米国の穀物収穫量が減少すれば、世界の食糧供給には甚大な影響が及ぶ>
(3) <米国産穀物の減少> → <貧困国への食糧支援にも悪影響>
これらの影響は、今しばらく残された<時間的猶予>の後に訪れるとされるので、何とも不気味である......。
【 引用記事 1 】
米国の干ばつは1956年以降で最悪、トウモロコシさらに高騰か/REUTERS/2012.07.17
[シカゴ 16日 ロイター] 米海洋大気庁は16日、米中西部を襲っている干ばつについて、1956年以来最悪の干ばつであり、北西部にも拡大しているとの報告書をまとめた。
パーマー干ばつ指数によると、6月は米国本土の55%が中程度から極度の干ばつに見舞われた。これは1956年12月以来、最悪の干ばつという。
中西部と中部・北部平原地域のほとんどが中程度から極度の干ばつに見舞われているほか、コロラド州のハイプレーンズ地域でも深刻な干ばつが起きている。
これまで今回の干ばつは1988年以降で最悪とされていた。
米国の農業生産は干ばつで大きな打撃を受けている。
農務省が発表したトウモロコシの作柄状況は「優」と「良」の割合が9%ポイント低下し31%。低下幅はロイター調査で予想されていた5%ポイントを大きく上回った。
大豆も「優」と「良」の比率が6%ポイント低下し34%となった。
シカゴ商品取引所(CBOT)のトウモロコシ先物は6月中旬以来54%急騰している。
トウモロコシ価格の高騰が続けば、スミスフィールド・フーズ(SFD.N: 株価, 企業情報, レポート)やタイソン・フーズ(TSN.N: 株価, 企業情報, レポート)など食肉業者やエタノール生産業者の利益率が圧迫される可能性がある。来年にかけて米国で牛肉・豚肉価格が上昇する可能性も指摘されている。
最新の気象予報によると、中西部の干ばつはさらに悪化する見通し。気象関係者はトウモロコシ、大豆の作柄状況が一段と悪化すると予想している。
( 米国の干ばつは1956年以降で最悪、トウモロコシさらに高騰か/REUTERS/2012.07.17 )
【 引用記事 2 】
世界的な食品価格高が再来か、熱波で米穀物相場が急騰/REUTERS/2012.07.10
[シカゴ 9日 ロイター] 米農務省は9日、国内のトウモロコシと大豆の収穫について、1988年の大干ばつ以来で最悪の状況になっているとの見方を示した。穀物相場は足元で急騰しており、世界的に食料価格が再び高騰する懸念が強まっている。
シカゴ商品取引所(CBOT)では、 記録的熱波に襲われたトウモロコシと大豆の主産地である米中西部が向こう1週間は降雨に恵まれないとの見方から、穀物先物相場が急騰している。
米農務省が9日発表したトウモロコシと大豆の作柄状況は、「優」と「良」の比率が約40%となり、米国が前回に大規模な干ばつに見舞われた1988年以来で最低水準に落ち込んだ。CBOTではこの日、大豆先物相場が約3%上昇して過去最高値を更新、トウモロコシ相場も5%以上の急騰となった。トウモロコシ価格は過去1カ月で30%上昇している。
米国の穀物収穫量が減少すれば、世界の食糧供給には甚大な影響が及ぶ。米国産トウモロコシは世界全体の出荷量の半分以上を占めているほか、米国は世界最大の大豆消費国である中国にとって主要な供給源となっている。
穀物相場の高騰が食品価格の上昇となって消費者に直接波及するまでには時間的猶予があるものの、トウモロコシ価格の上昇はまず、飼料コストの増大となって畜産農家や養鶏業者に打撃を与える。また、米国産穀物の減少は、貧困国への食糧支援にも悪影響を及ぼすことになる。
( 世界的な食品価格高が再来か、熱波で米穀物相場が急騰/REUTERS/2012.07.10 )
こうした推移に遭遇するにつけ、大いに気掛かりとなるのが "食糧自給率" や "食糧備蓄状況" であるに違いない。果たして日本の実情は...... (2012.07.18)
コメントする