益々顕著な"人材育成デフレ"!? 若者の失業率の高止まり!負の連鎖で日本社会突然死!

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 若者の失業率の高止まり! が相変わらず続いている。
 株価に譬えるのは語弊があるが、"自然反発" を待っていたのでは手遅れとなる。政府は、"不自然に裕福な階層" のふところに手を突っ込んで(!?)でも、この緊急事態に速やかに手を打つべきではないか。

 若者の失業率の高止まり! が "社会にとって大きなリスク" であることについては、この間にも下記のように着目してきた。

 ◆参照 「若年失業→晩婚/未婚→少子化→年金制度の破綻」という"連鎖"図式の悲惨さ!( 当誌 2011.04.05 )
 ◆参照 "若年失業"解消困難!"即戦力(=中途採用)"重視と"新人採用(=新人教育)"抑制が!( 当誌 2012.05.01 )

 今回、さらに注目してみたかった点はほかでもない。<企業の教育訓練投資が減少>という驚くべき "経年棒グラフ" を目にしたからである。( 下記引用サイト記事:「明日担う力 陰り 170万人、正社員切望(働けない 若者の危機)」/日本経済新聞/2012.07.16

 現グローバル経済にあって "国際競争力" の向上が必須であることは周知の事実! したがって、企業なり国家なりにとって、"人材育成" の課題は必須のはず! そうあってこそ、企業や経済社会の活性化が叶って、新規求人意欲も高まり、失業率抑制にもつながる。

 ところが、実情、"企業の教育訓練投資" は "節税対策" 項目として見なされている向きがないではない。よって企業業績に相関して対処されるものだから、現状のような景気低迷時には見る影もない......。まさに、"人材育成デフレ"!? の状態が放置されている。

 "持続可能性" さえ危ぶまれる企業にとって、視野に入るのは目前の事態だけであり、"教育訓練投資" が反映される近未来の状況は見たくとも見えないのかもしれない......。そして国には当事者危機感というものが欠落している。
 あまねく広がる "人材育成デフレ" の波は、もはや取り返しのつかない "危険水域" を作り出している......。

 明日担う力 陰り 170万人、正社員切望(働けない 若者の危機)/日本経済新聞/2012.07.16

 日本はいつの間にか若者に仕事を与えられない国になってしまった。学校を出た24歳以下の10人に1人が失業し、2人はアルバイトなど不安定な仕事で日々をやり過ごす。企業の競争力は低下し、社会保障の担い手が足りなくなる経済の土台のきしみが聞こえる。若者の危機は、明日の日本の危機でもある。


 地方国立大学の大学院を今春出た宮田貴弘(24、仮名)...... 薬学で修士号を得たが、内定はもらえなかった。かつては多くの理系学生が研究室の教授推薦でメーカーに就職が決まっていた。「研究室ルートはあまりなく、自力で探すしかなかった」。大学院まで通い、自分に投資しても将来の保証にならない現実がある。......

 三重県亀山市で――。県立亀山高校の進路指導部主任、前川明男(57)が蒸し暑さのなか、中小企業や商店街をこまめに歩き回る。来春卒業する生徒の就職先探しだ。
 3年前までは亀山工場を構えるシャープが毎年7人前後を採用していた。しかし新興国の追い上げでテレビ事業が揺らいだ結果、今春は2人。シャープに部品を供給する凸版印刷は11人がゼロになった。「リーマン前は挨拶に行くだけで求人枠をもらえたのだが」。学校など周囲がお膳立てしていた就職へのレール。それも細る一方だ。

無職で卒業急増

 就職を希望しながら卒業時に就職が決まっていない人は2011年春に7万5千人と、3年で倍増した。15~34歳の約170万人は正社員を希望しているのに非正規労働を余儀なくされている。

 日本企業は大量に採用した新卒の若者を社内で10年程度訓練し、長期雇用で投資を回収してきた。その間は手厚い福利厚生を通じ、家庭をつくり、維持することも支えた。長引く低成長とグローバル競争はこうした人生を丸抱えする力を企業から奪ってしまった

 学習院大教授の宮川努の推計では、企業の教育訓練への支出額は2008年に約3300億円と、ピーク時(1991年)の8分の1採用減や非正規への置き換えで、企業の教育機能は損なわれ、人的資本の劣化が著しい

解雇避け採用減

 雇用を支えてきた代表選手、製造業と建設業を見てみよう。この2業種の就業者は、リーマン・ショック前から170万人減った。新興国との競争にさらされ、人件費削減を余儀なくされたメーカーは人員整理を避けるために新卒採用を絞った。空洞化で工場ごと仕事が流出している地方都市も多い。国の財政難で公共事業が減り続け、建設業の雇用を直撃した。

 一方、高齢化で医療・介護の雇用は74万人増えた。しかし絶対数が足りない上に、パートなど非正規が多く、給与水準も低い。新しい雇用の吸収役を育てるという産業構造の改革は間に合っていない。長引く低成長のしわ寄せを若い世代が被っている図式だ。

 「今の若者にも問題はあるはず」。そんな指摘も聞こえてくる。......
 だが若者の「自己責任」で状況を放置した場合、企業ひいては社会全体への跳ね返りは大きい。すでに警鐘はいくつも鳴り始めている

 「日本の科学技術は突然死する」。筑波大教授の小林信一は若手教員の採用減を危ぶむ。国立大の教員がこの10年でわずかに増えるなか、35歳未満は3割減。人件費削減を迫られた大学がベテランの雇用を守り、若手の採用を絞ったからだ。第一線で働く若手の減少は研究の活力をそぐ。オランダの調査会社によると日本発の学術論文は4年間で4.3%減った

バイト探し指導

 「電話でアポを取るときはこう言うんだ」。東京都足立区はアルバイトの面接にも落ちてしまう若者を対象に、電話の応対や履歴書の書き方などを教える「アル活」を実施している。都内でも有数の生活保護受給者を抱える同区。「働けない若者はいずれ生活保護の受給者になりかねない」との危機感が、自治体までも若者の就職対策に駆り立てる

 高齢者の年金や医療を支えるのは若者だ。「支えられる側」に回る若者が増えれば、社会保障も崩壊する。

 若者の失業率の高止まりは欧州で20年来の病といわれ、債務危機に苦しむ南欧では5割に達する。明確な処方箋はいまだに見いだせていない。しかし若者の危機成長や社会保障を損ない、さらに雇用を減らすという負の連鎖が始まった以上、手をこまぬいているわけにはいかない。

 企業は雇用責任をどう考え、人材の養成機能をどのように立て直すのか。教育機関は若者の選択肢を増やすために何をし、国や地域は彼らのチャレンジを支える制度をどう作るのか。中高年は若者と痛みを分かち合わなくていいのか

 ...... 明日を担う若者に仕事と希望を見つける。それはすべての国民に突きつけられた課題だ。=敬称略

(若者の雇用取材班)明日担う力 陰り 170万人、正社員切望(働けない 若者の危機)/日本経済新聞/2012.07.16

( ※引用者注 ―― 文意を損なわないよう留意して割愛しています。図表の赤線部分を加筆しています。)

 昨日書いた "一心不乱のチャイルドパワー!" もまた、将来展望を描くことを放棄した世の "人材育成デフレ" の波に呑まれ、"松本清張的シニカルさ" へと沈み込むのであろうか...... (2012.07.17)













【 SE Assessment 】 【 プロジェクトα 再挑戦者たち 】








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このページは、yasuo hiroseが2012年7月17日 00:01に書いたブログ記事です。

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