"気候制御計画"などの"地球工学"の傲慢さに警告!"二酸化炭素の排出削減"努力こそを!

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 連続猛暑日の最中に、沖縄、九州南部には台風9号・10号が接近して脅威を与えているという。実に、"手に負えない暴走ぶり" を発揮している昨今の気象状況である。
 こうした状況下にあっては、短絡志向の現代人は、「科学の力で何とかならないの?」と考えたりする。
 かく言う自分も、恥ずかしながらそんな衝動に駆られないわけでもない。まったく手前勝手に、"気圧改変爆弾" か何かを仕掛けて、"気圧配置状況" を "操作" できないものか......、と。

 しかし、頭を冷やして考え直すならば、その "危険さ" に気づかざるを得ない。
 気象状況というものは、"部分的地域" が孤立して在るのではなく、周囲の状況と密接に連関しており、極端に言えば地球全体の気象状況が一体的連関で存在していると言っても過言ではない。
 したがって、"部分的地域" のいわば "サブ・システム" に手を加えれば、周辺地域のみならず、地球全体の "トータル・システム" を想像のつかない "不安定さ" に追い込むことになりかねない。
 これは、ちょっとでも "システム"(ウェブシステム、ブログシステムでもよいが)に携わった経験がある者ならば容易に想像できる事実であろう。

 ただ、現代人は、身体の不調についても、"局部的・一時的対応" としての "対症療法" に慣れ切っているため、場違いの "気象状況" に関しても同様の "短絡的" 視点を持ち込んでしまうのかもしれない。

 下記引用サイト記事:気象を操作したいと願った人間の歴史 ジェイムズ・ロジャー・フレミング著 科学者らの試みを批判的に検証/日本経済新聞 - ブック/2012.07.29 は、いわゆる "書評" である。
 <天候を人為的に操作>することに関する歴史と、その<自己欺瞞(ぎまん)の悲喜劇>とを焦点とした著書を扱っている。

 科学に不可能なことはない! とばかりに挑まれている<「地球工学」>などが、もっと "冷静" でなくてはならないとする "警告" 的な視点、そこにに共感を覚える。次のように指摘している。

だが、科学者たちは海洋生物への悪影響はおろか「そうした計画に現地の住民が賛同するか、たずねることも思いつかなかった」という。まさに倫理観の欠如、公共政策への無知を非難されても仕方がない。地球工学の暴走は、地球温暖化にも増して危険なのである。

 ここでの<傲慢さ>とは、決して "倫理観" の上での問題というよりも、科学的姿勢に関する "粗雑さ" なのだというように聞こえてくる......。

 気象を操作したいと願った人間の歴史 ジェイムズ・ロジャー・フレミング著 科学者らの試みを批判的に検証/日本経済新聞 - ブック/2012.07.29

 「干天の慈雨」という言葉があるように、旱魃(かんばつ)に苦しむ農民にとって、降雨の有無は飢饉(ききん)につながる死活問題であった。それゆえ古代から「雨乞い」は為政者にとって重要な儀式であり、その後も人間は人工降雨技術の開発に飽くなき挑戦を続けてきた。

 本書は、天候を人為的に操作しようという夢を追った科学者、軍人、ペテン師、詐欺師らの試みを歴史的・批判的に検証した一書である。事例は神話、文学、SFをはじめ報道記事から科学論文まで驚くべき博捜をもって集められており、さながら科学的夢想の万華鏡の趣を呈する。ただし著者は、それらの多くが「行き過ぎ、うぬぼれ、自己欺瞞(ぎまん)の悲喜劇なのだ」と釘(くぎ)を刺すことを忘れない。

 ナポレオンのロシア侵攻が「冬将軍」に敗れ去ったように、気象と軍事との関係は根深い。ノーベル賞化学者のラングミュアは、1950年に気象制御は「原爆に勝るとも劣らない強力な兵器になりうる」と述べていた。実際、ヴェトナム戦争ではアメリカ軍がジャングルの上空で雲の種まき作戦を実施し、「約五年間に五万発近い降雨弾を消費した」というから驚く。しかも、77年に34カ国が調印した「環境改変兵器禁止条約」は抜け穴が多く、ほとんど実効性をもたないという。

 現代では、地球温暖化防止策としてさまざまな「地球工学」が提唱されている。たとえば、熱帯の海の上空に反射性粒子を撒(ま)いて地球の太陽光反射率を上昇させる、といったアイデアである。だが、科学者たちは海洋生物への悪影響はおろか「そうした計画に現地の住民が賛同するか、たずねることも思いつかなかった」という。まさに倫理観の欠如、公共政策への無知を非難されても仕方がない。地球工学の暴走は、地球温暖化にも増して危険なのである。

 そこで著者は荒唐無稽な気候制御計画に警告を発し、二酸化炭素の排出削減をはじめとする「中道的解決策」を支持する。私たちは「自然の複雑さ(と人間の性質)を前にして、十分な謙虚さと、畏怖さえ培う」必要があり、制御すべきは気候ではなく、むしろ科学技術の傲慢さなのである。

(東北大学教授 野家啓一)気象を操作したいと願った人間の歴史 ジェイムズ・ロジャー・フレミング著 科学者らの試みを批判的に検証/日本経済新聞 - ブック/2012.07.29


 <二酸化炭素の排出削減をはじめとする「中道的解決策」を支持する>という "正攻法" に好感が持てる ...... (2012.08.02)













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