暦の上では "立秋"(8/7)も過ぎたというのに相変わらず "猛暑日" が続いている。まだまだ続きそうな気配が濃厚でウンザリである。
過ごし難さという問題以上に気になるのが、この異常気象による "農作物被害"(食糧価格上昇、食糧危機懸念)だ。
そして、ここに来てこうした状況悪化に輪をかける事態、"エルニーニョ現象" が発生したと気象庁は発表した。( 参照 【 引用記事 2 】)
米国などでの大規模な "干ばつ=穀物不作" とその影響が懸念される点についてはこれまでにも目を向けてきた。
◆参照 "食料危機再来の懸念"の中、日本の"食料自給率"2年連続40%割れ(主要先進国で最低)!( 当誌 2012.08.11 )
◆参照 米国での"干ばつ=穀物不作"は、食糧輸入の大半を米に依存する日本への影響甚大か!?( 当誌 2012.07.22 )
こうした "干ばつ" に加えての "エルニーニョ現象" 発生ということなので、状況推移がなおのこと気にならざるを得ない。単に "暖冬" というレベルで済めばよいのであるが......。
しかし、科学が発展した時代にあっては、自然現象を、それゆえに "不可抗力" だとして "言い訳の上逃げる姿勢" を当局が続けるならば、状況推移が読めない "無能力!" だと咎められかねなくなっているのではなかろうか......。
【 引用記事 1 】
エルニーニョ現象が発生、食料価格さらに上昇の恐れ/REUTERS/2012.0.12
[東京 10日 ロイター] 気象庁は10日、南米ペルー沖の太平洋中部の赤道付近で海面温度が上昇する「エルニーニョ現象」が2年ぶりに発生したとみられると発表した。世界的に食料供給への不安が高まる中、オーストラリアからインドまでの広い地域で、農産物生産が打撃を受ける恐れが出てきた。
米国では、穀倉地帯が半世紀ぶりの大規模な干ばつに見舞われたため、過去2カ月でトウモロコシ相場が60%以上高騰。南米の干ばつの影響で大豆の需給もひっ迫している。
世界の食料事情に関しては、国連食糧農業機関(FAO)が9日、穀物相場の上昇により、2007─08年の食料危機が再来する可能性があるとの懸念を示したばかり。
気象庁はウェブサイトなどを通じ、「エルニーニョ現象が発生したとみられる。冬まで持続する可能性が高い」としているが、その程度や期間は不確定要素が大きい。もしエルニーニョ現象が強ければ、オーストラリアやアフリカの一部、東南アジア、インドが干ばつに見舞われる可能性がある一方、世界の他の地域では降雨が見込まれる。
そうなれば、南米ではトウモロコシと大豆の生産量増加につながる一方、オーストラリアでは小麦の収穫が打撃を受ける恐れが出てくる。また、東南アジアではコメが不作になる可能性もある。
( エルニーニョ現象が発生、食料価格さらに上昇の恐れ/REUTERS/2012.0.12 )
【 引用記事 2 】
エルニーニョ監視速報(No. 239)/気象庁地球環境・海洋部/2012.08.10
• エルニーニョ現象が発生したとみられる。
• 冬までエルニーニョ現象が持続する可能性が高い。【解説】
( エルニーニョ監視速報(No. 239)/気象庁地球環境・海洋部/2012.08.10 )
エルニーニョ/ラニーニャ現象
• 7 月の実況: エルニーニョ現象が発生したとみられる。エルニーニョ監視海域の海面水温は基準値より高い値(基準値との差は+0.8◦C)だった(図1、表)。太平洋赤道域の海面水温は東部で平年より高かった(図2、図4)。太平洋赤道域の海洋表層の水温は、西部から東部にかけてのほぼ全域で平年より高かった(図3、図5)。太平洋赤道域の大気の対流活動は西部で平年より活発で、中部の大気下層で東風が平年より強かった(図6、図7、図8)。この大気の状況にはエルニーニョ現象時の傾向が明瞭には見られないが、海洋はエルニーニョ監視海域の海面水温の高い状態が維持されやすい状況を示しており、エルニーニョ現象が発生したとみられる。
• 今後の見通し: 冬までエルニーニョ現象が持続する可能性が高い。エルニーニョ予測モデルは、エルニーニョ監視海域の海面水温が、予測期間中、基準値より高い値で推移すると予測している(図9)。7 月の海洋の実況も、エルニーニョ監視海域の海面水温の高い状態が維持されやすい状況となっている。以上のことから、冬までエルニーニョ現象が持続する可能性が高い。......(以下略)
自然現象をも含めた "危機管理能力" が問われる時代になっているのだと、ひしひしと感じさせる現代である ...... (2012.08.14)
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