昨日の "NYダウ平均" が "+244.52" であり、今日の "日経平均" が "+167.25" といった "上げ潮" イメージであり、よほど<欧州中央銀行(ECB)が国債購入を再開する新政策を導入したこと>( 下記の【 引用記事 1 】 )が好感されたようである。
まあこれで、イメージだけではなくホントに "上げ潮" に転じて欲しいものであるが、果たしてそうなるのかどうか......。
気掛かりとなる点は多々あるが、先ず気になったのは、【 引用記事 2 】である。
何を今さらの表明......、という印象が禁じえない。まるで "空騒ぎ" をたしなめるかのように聞こえるからだ。
< 欧州中央銀行(ECB)のアスムセン専務理事は7日、前日公表した債券買い入れプログラムには明確な条件がついていると述べた。
独ラジオで同理事は「厳しい改革措置を当該国が受け入れた時に(買い入れを)実施する。これはECBが実施するにあたり必要な前提条件だ。ECBは責務の範囲内で行う」と述べた。>( 下記の【 引用記事 2 】 )
つまり、"ユーロ債務危機" というトンネルは、遥か彼方にチラリと出口の明かりが見えたに過ぎず、まだまだ難所が続くことを再度強調したカタチなのであろう。
現に、焦点:ユーロ圏の運命握るスペイン、ECB求める支援条件に抵抗/REUTERS/2012.09.07 というリアルな動きも立ち上がっているようだ......。
【 引用記事 1 】
ECBの国債購入で株高連鎖、先行きの経済収縮に懸念も/REUTERS/2012.09.07
[東京 7日 ロイター] 欧州中央銀行(ECB)が国債購入を再開する新政策を導入したことを受けて日米欧など主要株価が値上がりに転じている。しかし、その購入にあたっては申請条件や事後的な監視が伴うため、厳しい財政再建への取り組みが、先行きの経済収縮を招きかねない側面もある。
市場はひとまずリスクオフの巻き戻しに傾いたが、世界的な株高が軌道に乗るかどうかはなおはっきりしない。
<個人投資家、主力輸出株に食指>
ECBの決定を受けて世界の株価が値上がりしている。ロンドン株式市場は3営業日ぶりに反発。......
米市場ではS&P総合500種が終値ベースで2008年1月以来の高値に浮上。この流れを引き継いで日経平均は3営業日ぶりに8800円台を回復した。
ECBによる無制限の国債買い入れ策は事前に海外メディアで報じられていたが、市場ではあらためて好感を持って受け止められた。
いちよしアセットマネジメントの秋野充成運用部長は「...... 欧州危機を封じ込めるまでの時間的な猶予ができた」と指摘。「日本株にとっては売り込まれるリスクがひとまず後退し、安値圏にある銘柄を中心に買い戻されやすい」とみる。
株式市場では対ドル、対ユーロでの円安進行の恩恵を受けやすい自動車やハイテクなど主力輸出株が上昇。金融や鉄鋼、機械などの上げが目立っており、参加者からは「信用取引での損失拡大で苦しんでいた個人投資家が買いに傾いた」(国内証券)との声も聞かれる。
<独連銀総裁は「不快感」>
もっとも楽観一色とは言えない。ECBが決定した国債購入の枠組みでは申請条件と事後的な監視が付与されており、財政再建への取り組みが経済収縮の連鎖につながれば、世界的な株高が定着するかどうかは危ういからだ。
実際、欧米株を受けた日本株の上昇を主導したのは、現時点では買い戻しが中心とみられる。市場には「ECBによる国債買い入れ策の前提となるESM(欧州安定メカニズム)が稼働しておらず、12日にドイツ憲法裁判所の判断が出るまで、新規のロングは入りにくい」(三菱UFJモルガン・スタンレー証券の吉越昭二ストラテジスト)との声もある。
国債購入の枠組みをめぐっては、ドイツ連邦銀行のバイトマン総裁が6日、「こうした買い入れは紙幣増刷による政府への財政ファイナンスに等しい」と指摘。「ECBが最終的に多大なリスクを各国の国民に再分配するという危険性もはらんでいる。こうしたリスク共有は本来、民主的に選ばれた議会や政府でしか合法的に承認できない」と、不快感を示した。......
三菱東京UFJ銀行の内田稔チーフアナリストは言う。「バランスシートがき損すればECBやユーロの信認が問われる場面が訪れないとも限らない」。
(ロイターニュース 山口貴也 編集 佐々木美和)
( ※引用者注 ―― 文意を損なわないよう留意して割愛しています。)
【 引用記事 2 】
ECBの債券買い入れ、明確な条件がついている=アスムセン専務理事/REUTERS/2012.09.07
[ベルリン 7日 ロイター] 欧州中央銀行(ECB)のアスムセン専務理事は7日、前日公表した債券買い入れプログラムには明確な条件がついていると述べた。独ラジオで同理事は「厳しい改革措置を当該国が受け入れた時に(買い入れを)実施する。これはECBが実施するにあたり必要な前提条件だ。ECBは責務の範囲内で行う」と述べた。
またECBは政府の措置をとって代わることはできないと指摘、インフレ圧力がみられないとも述べた。
◆参照 焦点:ユーロ圏の運命握るスペイン、ECB求める支援条件に抵抗/REUTERS/2012.09.07
しかし、こうして "外野席" からは "見たまま感じたまま" の印象をほざけるが、職のかかった "経済アナリスト" たちは、こんな不透明な環境ではさぞかし大変なことだろうとお察しする ...... (2012.09.08)
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