"方向感" なく、ただただ不安へと急き立てられるかのような毎日の "流れ" だけが、この時代の日本社会を支配し続けているかに見える。
つい先日は、この "流れ" を "濁流" と見なし、<大半の "孤独" は、"濁流に押し流されているかの状態!"、つまり "繋がる" ことへのアクションの多くが封じられ、"随意性" が損なわれた状態での "孤立!" なのではないか>と書いた。<無縁社員(無縁社会)>について書いた時であった。( 濁流に押し流されているかの状態!"無縁社会/無縁社員"!"誰とも話さず一日終わる"!( 当誌 2012.09.06 ) )
そんな "濁流" に呑まれつつ、将来を垣間見るならば、"一層の不安" で圧し潰されそうになるだけに、それらを掻き消してくれる心地良い今、眩い今、高ぶった今だけを必死に求めてしまう。たとえそれらが生きるための "手掛かり足掛かり" になろうとなるまいと......。
いろいろなものが "壊れかけている" のではなく、すでに "壊れている" と、そう誰もが感じている気配も漂っている。そして誰もが、そんなことはないと打ち消してみようとはするものの、哀しいかなその後が続いて行かないほどに "現実" は凌駕し圧倒する。
別に、悲観ぶっているつもりもない。ただ、やはり、好ましくあろうがなかろうが、"現実" から目を背けてみても何も始まらないなぁ、と思うだけ......。
しかし、"現実" から目を背けさせる "濁流" の "正体" とは一体何なのだろう......。
この "濁流" は、一年半前に、震災とともに東日本を襲った "悲惨な濁流(大津波)" のことをも、まるで押し流そうとしているかのような気配がしてならない。少なくとも、どう言い逃れを言おうとも、"原発再開" への傾きは "濁流" に乗じる者たちの仕業以外ではなさそうだ。
下記引用サイト記事:「東日本大震災:被災ストレスで増える認知症、うつ 家族、友人もギリギリ」/毎日jp/2012.09.15 を読む時、時代の "濁流" からかろうじて身を守るには、"悲惨な濁流(大津波)" のことを忘れないことだと痛感させられた。
まして、東日本大震災被災者の現状が、"明日の日本の哀しみ" の縮図だと直感せざるを得ない者としては、それらへの認識と共感を疎んじることはできない、と......
東日本大震災:被災ストレスで増える認知症、うつ 家族、友人もギリギリ/毎日jp/2012.09.15
東日本大震災や福島第1原発事故で、仮設住宅などに避難した高齢者や職を失った中高年者ら、環境の変化を強いられた被災者が認知症やうつ病を発症するケースが増えている。患者を支える家族や友人も同様の境遇で精神的に追い込まれていることも多く、精神科患者を地域で支える「受け皿」整備が急務だ。【桐野耕一、須藤唯哉】
◇先見えず自殺、懸念も
福島第1原発から約9キロの福島県富岡町に住んでいた女性(66)は、親族2人が相次いで避難先で認知症になった。震災前には、一緒に農業と畜産業を営んでいた76歳の夫と、陶芸やコーラスのグループに所属し友人も多かった71歳の義妹だ。
自宅から約50キロの同県郡山市の複合施設「ビッグパレットふくしま」に避難していた昨年5月末。集団生活が苦手で車に寝泊まりしていた夫が突然言い出した。「原発の水素爆発を見た」
爆発時は避難中で、見ているはずもない。知り合いの医師に「初期の認知症になりかけている」と、薬を処方された。
郡山市内の仮設住宅に移っても症状は進んだ。入居2カ月の昨年8月には「地震なんて起きていない」。12月に高血圧による脳内出血で入院し、福祉施設に入所した今は「早く稲を刈らないと。家に帰らしてくれ」と懇願する。原発事故さえ忘れかけているようだ。
環境が何度も変わるうち性格も変わった。症状の悪化を保健師に相談しようと持ちかけると怒り出し、時には時計やテレビのリモコンを投げつけられた。
富岡町で1人暮らししていた夫の妹は、いつ発症したのかはっきりしない。埼玉県や東京都の親族宅を転々と避難し、昨年7月に福島県に戻り郡山市内のアパートで1人暮らしを始めた時は、もう症状が出始めていた。「物干しざおを盗まれた」と騒ぐ義妹に、火事を心配する不動産業者は「危ないから出て行ってほしい」と通告。今は女性と同じ敷地の仮設住宅で暮らす。
「2人とも原発事故のショックや避難生活のストレスのせいでしょう」
夫を施設に見舞い、義妹からも目が離せない女性は、疲れ切った声で話した。
宮城県石巻市の仮設団地で自治会長を務める山上勝義さん(52)は「仮設ではみんな疲れていて、うつになる人も少なくない」と話す。自営業だった山上さんは震災後、無職のまま。「自分と同世代の50〜60代は仕事のつぶしが利かないのでつらい。定職がないと金が借りられない。仮設にはこんな状態の人が多く、自力では復活できない」と嘆く。
震災後、友人2人が自殺した。いずれも会社を経営していた50代男性で、会社を津波で失った。山上さんは「2人とも先が見えなかったのだろう。このままでは自殺者が増える一方だ」と懸念する。
かつて、<濁流に押し流されているかの状態!>という言い回しは、いわゆる "戦時体制" に対してぶつけられたはずである。ところが、現在は、多少、きな臭くはあっても "平時" であるにもかかわらず、それを感じさせる点、そこに "奇妙さ" がある ...... (2012.09.16)
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