今日の日経平均株価の反落( 前日比145円安の9086円 )は、投資家以外の多くの人に失望感と苛立ちとを与えているようだ。
前日、"日銀による追加緩和実施の発表" で久々に大幅 "反発" を見せていただけに、小さくない失望感を誘っている。"日銀対応" でもダメか......、という諦め感にも似た失望か。以下のような記事がそれを伝えている。
< 20日の東京株式市場で日経平均株価は大幅に反落した。前日比145円23銭(1.57%)安の9086円98銭で引け、日銀が追加緩和の実施を発表した前日の上昇分(108円)を帳消しにした。......>( 「株、日銀の追加緩和前に逆戻り 円高と中国懸念で 日中緊迫じわじわ重荷に」/日本経済新聞/2012.09.20 )
< 20日午前の東京株式市場で日経平均株価は反落した。前日は日銀が追加緩和策を決定し円が売られたことを好感して上昇したが、効果は1日しか持たなかった。グローバルで見れば直近で日米欧の中央銀行がそろって追加緩和策を......>( 「日本株、トリプル緩和でも諦めムード 出遅れシナリオ現実味」/日本経済新聞/2012.09.20 )
この間の "反日デモ" 問題や "チャイナリスク" の影響も、という見方もあるようだが、やはり "手強い円高" 現象を主要因だと見た方が妥当かもしれない。
下記の【 引用記事 1 】では、<日銀の追加緩和も、欧米中銀に比べて見劣りするとの辛口評価が海外では多く、円高が進んで日本株を圧迫している>と指摘されている。
【 引用記事 2 】
コラム:量的緩和競争、円安狙いなら日銀の形勢不利=佐々木融氏/REUTERS/2012.09.20
[東京 20日 ロイター] ビッグイベントが一巡し、市場の注目は景気動向に移行、強まる減速感に警戒を再び強めている。......日銀の追加緩和も、欧米中銀に比べて見劣りするとの辛口評価が海外では多く、円高が進んで日本株を圧迫している。......
<海外で評価低い日銀追加緩和>
円高も日本株の圧迫要因だ。日銀が追加緩和を発表した前日の東京市場では円安が進んだが、海外市場では日銀の追加緩和が見劣りするとの見方が強まり、一転してドル安、円高が進行している。「日米中銀の緩和に差があると海外勢は受け止めた。FRB(米連邦準備理事会)の緩和はオープンエンド方式でさらなる増額が期待される一方、日銀はいったん打ち止め感が出ている」(野村信託銀行・資金為替部次長の網藏秀樹氏)という。
FRBは月額400億ドルのモーゲージ担保証券(MBS)を購入することを決めた。1ドル78円換算で約3兆1200億円となる。さらにロイター調査によると、米連邦準備理事会(FRB)が量的緩和第3弾(QE3)の下で買い入れる債券の規模予想は前週14日調査時の6000億ドルから総額8000億ドルに拡大しており、いずれMBSだけでなく国債も買い入れるとの見方も出ている。
一方、日銀は13年12月まで10兆円の買い取り基金の増額を発表したが、1カ月分にならせば約8300億円だ。長期国債の買入ペースは、現行は毎月2兆円強だが、来年1月以降には毎月8300億円程度に急減することになる。三菱UFJモルガン・スタンレー証券・チーフ債券ストラテジストの石井純氏は「そのようなペースダウンは金融緩和姿勢の後退と映り、『間断ない金融緩和』というコミットメントに反してしまう」と指摘。日銀は遅くとも今年末までに、段差を埋めるべく追加緩和に踏み切らざるを得ないと予想している。......
( ※引用者注 ―― 文意を損なわないよう留意して割愛しています。)
しかし、さらに注目すべきは下記の【 引用記事 2 】であろうか。
"日銀対応" は、<"見劣りする">という水準の問題ではないと言う。
<「円高になったのは、日銀の緩和の度合いが小さかったからだ」といった声が聞こえてきそうだが、そもそも日銀の金融緩和で為替相場を中長期的に円安方向に動かすことには無理がある>
日米の経済情勢の現状 ―― <"米国は世界最大の経常赤字国"( "ドル売りのフローが圧倒的" )> vs. <"日本の場合は依然として経常黒字国" ( "基本的なフローは円買い" )> ―― からすれば、<「日米量的緩和競争」>に勝ち目はない! というのである。ここにこそ、"FRBによる量的金融緩和の第3弾(QE3)" の "威力(!?)" が潜んでいそうだ......
【 引用記事 2 】
コラム:量的緩和競争、円安狙いなら日銀の形勢不利=佐々木融氏/REUTERS/2012.09.20
[東京 20日 ロイター] 日本銀行は19日の金融政策決定会合で追加緩和を決定し、資産買い入れ基金を10兆円増額した。先週、先々週と欧州中央銀行(ECB)、米連邦準備理事会(FRB)が続けて無制限の債券買い取り策を発表したが、日銀も追随した形となった。
この発表を受けて、円は一時、主要通貨に対して0.7―1.0%程度円安方向に動いた。もっとも、半日も経たないうちに反発し、結局、米ニューヨーク時間の午前中には、ほとんどの主要通貨に対して追加緩和発表前の水準よりも円高水準まで上昇してしまった。
「円高になったのは、日銀の緩和の度合いが小さかったからだ」といった声が聞こえてきそうだが、そもそも日銀の金融緩和で為替相場を中長期的に円安方向に動かすことには無理がある。白川方明・日銀総裁は否定しているが、仮にこれが通貨を弱くするための「日米量的緩和競争」であるならば、日銀は初めから不利な立場に立っていると言える。100メートル競争にたとえるなら、10メートルくらい後ろからのスタートを強いられているようなものだ。......
( ※引用者注 ―― 文意を損なわないよう留意して割愛しています。)
しかし、それにしても "したたか!" ですねぇ! もちろん米国のリーダーたちが ...... (2012.09.20)
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