世の中には、一方で、"カタチから入れ!" という処世訓があるかと思えば、他方で、"カタチだけじゃダメ!" という揶揄もある。
確かに、"カタチだけじゃダメ!" なことは分かり切っているが、"最もダメ" なケースは、"茫漠とした妄想" で "無為" に過ごしてしまうことかもしれない......。
"カタチから入る" ならば、とにかく具体的なアクションが立ち上がり、そこから何らかの手掛かり、足掛かりが見出せたりもする......。
"カタチ" とは、"鋳型、雛型、定型" のことを言っているつもりだが、今は "テンプレート(template)" という言葉が気になっている。
それにしても現代という時代環境では、"定型" 破りの "創造性" が叫ばれながらも、その実、"定型" 依存、"テンプレート" 流用的な行動様式が一般的となっている。
時間的余裕の剥奪(?)と社会的文脈からのプレッシャー(?)などが、手っ取り早い "テンプレート" 流用的行動を選択させるのであろうか......。
今、"テンプレート" という言葉に関心を寄せる動機は二点ある。
(1) 時代が求める "創造性" というものは、"テンプレート" の "対極" にあるもののようだ。あるいは、そもそも "テンプレート" が適用しにくいジャンルで芽生えるとも言えそうだ。
しかし、そうなると、"テンプレート" は使うな、という響きがあり、まるで "泳げるまでは水に入るな!" とでも言われているかのようになる。では、"創造性" 発揮へのへのアプローチはどうあるべきなのか......、という疑問が湧くことになる。
(2) もう一点は、現代という超スピード環境にあっては、もはや、"テンプレート" のような "圧縮された情報コンテンツ" の支援なしには何事も対応不能なのではないか、という思いなのである。
突然に視野を広げておかしいが、現代の教育は、数学にせよ何にせよ "公式" というような "圧縮された情報コンテンツ"(="テンプレート" )を利用せずに進めることは到底不可能なはずだからだ。
要は、"テンプレート" の活用次第ではないか、という思いが募る。
なお、こうした動機はかねてより持ち続けてきたのだが、今回の直接的なきっかけは次の事情にある。
"現代ITプロフェッショナル(ソフトウェア技術者)" の "創造性" 能力の育成や評価という問題に対してはどうあればいいのか......、という最近ますます軽視し難くなっている課題! の、その緊急性だ。これへの正攻法から目を逸らして、"辻褄合わせのアィディア狩り(?)" をしたところで、事態を継続的に好転させることは到底不可能であるに違いなかろう......。
このテーマに関しての最近の当ブログ記事としては、下記を参照してほしい。
◆参照 もはや常識化しつつある現代ITプロフェッショナルの"スキル構成"!ソフトスキルとは?( 当誌 2012.08.08 )
内容の詳細は割愛せざるを得ないが、思うに、上記記事での "ソフトスキル" の問題こそは、技術的な専門知識獲得にも増して "現代ITプロフェッショナル(ソフトウェア技術者)" の "創造性" 能力に深く関わるものであろう。しかしながら、どうも等閑(なおざり)にされているようで気になる。
と言うよりも、"具体的手立てが見いだせない!" というのが実情なのかもしれないが......。
そんなことで、前述の "テンプレート" の問題に繋がって来る。つまり、手をこまねいているのではなく、"テンプレート" の限界は限界として、その活用スタイルにリアルに目を向けるべきではないか、と。
ただし、上記の記事でも書いたのだが、この辺の課題へのアプローチとしては、技術者への教育方法における "テンプレート" 活用もさることながら、<"SE(システムエンジニア)" の "人事考課" における "技術力プラスα の 資質">育成という、"人事考課" 設計が重要であろうと思われる。またそう考え続けてもきた。
"テンプレート" の意義が適用されてよいのは、そうした構想を含んだ "人事考課" の設計と実施に向けた経営側による体制整備に関する "テンプレート" 作りではないか、と。
ちなみに、これまでの "『ソフトウェア技術者のための人事考課』" 案に携わってきたのは、そうした考えに基づきつつ思い入れしてきたと振り返っている......。
こうした思いもあり、今、些細なことでしかないが、そのための "テンプレート" 作りに着手している。
さし当たっては、<"SE(システムエンジニア)" の "人事考課" における "技術力プラスα の 資質">を、各社が固有の事情に基づいてカスタマイズ設計できる "テンプレート" をアレンジしているところである ...... (2012.09.05)
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