"7inch iPadミニ"発売に対するプロの眼は厳しい!それは"革新なきアップル"を暗示?

| | コメント(0) | トラックバック(0)

 来週にも発表されるという "7inch iPadミニ" を一般ユーザーは心待ちにしているようだが、市場関係のプロはかなりシビァに見つめているようだ。
 下記引用サイト記事:[FT]小型iPadが暗示する「革新なきアップル」(2012年10月18日付 英フィナンシャル・タイムズ紙)/日本経済新聞/2012.10.19 は、この時期に "7inch iPadミニ" を発表するアップルのスタンスをかなり不満足気(?)に分析している。
 要するに、<携帯電話の世界を覆した「iPhone(アイフォーン)」やパソコン業界に食い込み始めた10インチ画面のiPadは、ゲームのルールを変える製品だった。ところが7インチ型のiPadは全く何も破壊しない/アップルをさらなる高みに押し上げる次のイノベーション(技術革新)の波はどこにあるのか>ということになる。

 筆者の鋭い視点は、それぞれの節の表題に凝縮されていて以下のようになる。

 ■攻撃に回ったアマゾンやグーグル――<グーグルとアマゾンがハードウエアに進出

 ■先行きを不安視する市場――<iPhoneは、先進国ではそろそろ成長の限界/次のイノベーション(技術革新)の波はどこにあるのか

 ■後追いは苦手なアップル――<守勢に回ったアップルは必ずしも本領を発揮できない独自の地図サービスを生煮えのまま導入して大失敗したのがその証拠>

 ■ハードだけでもうけられるか――<グーグルの「Nexus(ネクサス)7」とアマゾンの「Kindle Fire(キンドル・ファイア)」は1台199ドルで、アップルが小型画面のiPadで利益率を守り抜く余地をほとんど残していない

 ■見えない次のイノベーション――<新製品がゲームのルールを変え損ねるたびに、本物のイノベーションに代わるものはないことが浮き彫りになる>

 これらの論評は、 "アップル=天才ジョブズ氏" という見方に連なるものと思われるが、その一々が納得させられるだけに "7inch iPadミニ" の受け留め方を複雑なものとさせる......。

 [FT]小型iPadが暗示する「革新なきアップル」(2012年10月18日付 英フィナンシャル・タイムズ紙)/日本経済新聞/2012.10.19

 守りに入ったアップル? この10年で消費者向け電子機器やハイテクの世界、通信業界を次々に塗り替えてきた会社にとって、守りは決してなじみある態度ではない

■攻撃に回ったアマゾンやグーグル

 だが、来週発表される見込みの7インチ画面の「iPad(アイパッド)」は、これまでに築いた地位を固めようとするアップルに対し、グーグルやアマゾンといった競合他社が攻勢をかけている現状を明確に示している。

 アップルが予告したイベントの主役が本当に小型のiPadならば、同社は消費者向けハイテク製品の分野で最も強力なエコシステム(生態系)の防衛に乗り出したとみるべきだ。携帯電話の世界を覆した「iPhone(アイフォーン)」やパソコン業界に食い込み始めた10インチ画面のiPadは、ゲームのルールを変える製品だった。ところが7インチ型のiPadは全く何も破壊しない

 むしろそれはアップルが製品を拡充し、ライバルをかわす必要に迫られている証しだ。調査会社のIHSアイサプライによると、来年販売される見込みの2億200万台のタブレット端末のうち3分の1を7インチ画面の製品が占めるという。グーグルとアマゾンがハードウエアに進出し、アップルがインターネットサービスに攻め込むエコシステム間の戦いは、新たな局面に入りつつある。他社が付け入る隙を残せば、大きな痛手を負いかねない。

■先行きを不安視する市場

 ウォール街はこのメッセージを見逃していない。アップル株が過去1カ月で10%近く下落したのは、今後何度もぶり返しそうな不安の表れだ。アップル躍進の要だったiPhoneは、先進国ではそろそろ成長の限界にぶつかる。次の新製品で壁にぶつからなければ、その次でぶつかるだろう。アップルの製品構成に占めるiPadの比率が高まり、競合するタブレット端末が差を詰めてくれば、同社の利益率は下がるしかない。

 アップルはテレビの刷新に大きな望みをかけるが、その実現を危ぶむ見方は次第に強まっている。アップルをさらなる高みに押し上げる次のイノベーション(技術革新)の波はどこにあるのか

■後追いは苦手なアップル

 守勢に回ったアップルは必ずしも本領を発揮できない。携帯端末用OS(基本ソフト)「iOS」の最新バージョンで、独自の地図サービスを生煮えのまま導入して大失敗したのがその証拠だ。地図サービスは、アップルが携帯電話の基本機能からグーグルを締め出した後、どうしても埋めねばならないパズルの一片だった。

 このつまずきは、端末の「キラーアプリ」の支配権を固めようとする同社の幅広い問題点を浮き彫りにした。グーグルを追い抜こうと投入した、音声で検索できるサービス「Siri(シリ)」は、いまだに見掛け倒しだ。ビデオ会議機能「FaceTime(フェイスタイム)」はマイクロソフト傘下のスカイプにかすり傷も負わせていない

 ハードウエアでは、アップルには少なくとも一日の長がある。7インチ画面のタブレット端末は業界初ではないだろうが、標準的な端末になってライバルの顧客を奪うチャンスはある。

■ハードだけでもうけられるか

 それでもアップルは、噂の「iPadミニ」が直面する2つの絡み合った問題を解決しなければならない。端末の価格用途だ。

 それは単なる「小型のiPad」であってはならない。かつてスティーブ・ジョブズ氏が語ったように、iPadは10インチ型のタッチスクリーンを活用した本格的なアプリのおかげで、パソコンに挑める存在になった。これらのアプリは小型の端末では使いにくい

 小型のタブレットはむしろデジタルコンテンツを楽しむのに理想的な端末だ。アップルの新端末は、オリジナルのiPadと売り上げを奪い合う廉価版以上のものになれるだろうか。この疑問は、価格という厄介な問題につながる。グーグルの「Nexus(ネクサス)7」とアマゾンの「Kindle Fire(キンドル・ファイア)」は1台199ドルで、アップルが小型画面のiPadで利益率を守り抜く余地をほとんど残していない。インターネット企業はコンテンツの消費を促進すれば、中核事業の広告や電子商取引を活性化できるので、ハードウエアを無料で配っても正当化できる。

 これが妥当かどうかは別にして、アップルにはできない芸当だ。同社は広告事業でつまづき、「iTunes Store(アイチューンズ・ストア)」を収支トントンで運営することで中核のハードウエア事業を支えると、ずっと主張してきたからだ。より強力なハードウエアで差別化を図れなければ、今度はアップル自身がビジネスモデルの破壊におびえる番になる

■見えない次のイノベーション

 ティム・クック氏が来週披露する端末が単に安くて小さいiPadだった場合、アップルの投資家は気がかりなメッセージを受け取ることになる。次は何か。アマゾンなどが上位機種を出したら、10インチ画面のiPadを値下げするのか。成長が新興国へシフトするに従い、安価なiPhoneの入門機を出すのか。

 今はまだ拡大を続けるアップルの利益率は、ハイテク業界の頂点に立つ、同社の羨むべき地位を示している。だが、単なるいい製品だったiPhone5や、アップルの評判を傷つけ謝罪を余儀なくさせた地図サービスなど、新製品がゲームのルールを変え損ねるたびに、本物のイノベーションに代わるものはないことが浮き彫りになる。小さい画面のiPadは、疑い深い人々を黙らせる役には立ちそうもない。

By Richard Waters

(翻訳協力 JBpress)

(c) The Financial Times Limited 2012. All Rights Reserved. The Nikkei Inc. is solely responsible for providing this translated content and The Financial Times Limited does not accept any liability for the accuracy or quality of the translation.


 "iPadの小型化" という企画を、生前のジョブズ氏は不承不承の様子で承諾していたとも伝わっているが、それが事実だとすればジョブズ氏の思いはどんなふうであったのだろうか ...... (2012.10.20)













【 SE Assessment 】 【 プロジェクトα 再挑戦者たち 】








トラックバック(0)

このブログ記事を参照しているブログ一覧: "7inch iPadミニ"発売に対するプロの眼は厳しい!それは"革新なきアップル"を暗示?

このブログ記事に対するトラックバックURL: http://adhocrat.net/mt/mt-tb.cgi/2099

コメントする

2020年11月

1 2 3 4 5 6 7
8 9 10 11 12 13 14
15 16 17 18 19 20 21
22 23 24 25 26 27 28
29 30          














関連サイトへのリンク


  • 電子書籍(eBooks)制作にフォーカスしたサイト
  • 明けない夜はないことを確信するサイト
  • Green(地球環境改善)にフォーカスしたサイト
  • ソフトウェア技術者やSEのための評価と育成、人事考課制度を考えるサイト
  • さまざまな業種・業態でご利用可能なモバイル活用の予約システム!
  • 創作小説『海念と保兵衛』のサイト
  • 創作小説『かもめたちの行方』のサイト
  • 当ブログ推奨の商品を展示したAmazon ストアー!
  • 当AdhocBlogブログの過去のエントリー
  • 株式会社アドホクラット当時のサイト

★売れ筋! No.1!
家庭用"放射線測定器"

日本通信 bモバイルWiFi ルータ+1 ヶ月定額SIM BM-U300W-1M
価格:¥ 20,208
国内配送料無料 Amazon





このブログ記事について

このページは、yasuo hiroseが2012年10月20日 00:01に書いたブログ記事です。

ひとつ前のブログ記事は、
 「増加の一途を辿る"うつ病"の新治療薬に繋がるか!? シナプスとカルデスモンとの関係!
です。

次のブログ記事は、
 「WiFi搭載周辺機器が熱い!? iOS/Android端末で直接DVDが見られるWiFi搭載DVDドライブ!
です。

最近のコンテンツは、
 インデックスページ
で見られます。

過去に書かれたものは、
 アーカイブのページ
で見られます。

年月別アーカイブ

最近のトラックバック