今再び、"一般の人々は注意深くならなくてはならない" と思えてならない。
この点は、つい先日、村上春樹氏のエッセーに注目して書いたばかりだ。
<騒ぎを煽る政治家などに対して、一般の人々は注意深くならなくてはならない>( 村上春樹氏、領土問題でエッセー/それは安酒の酔いに似ている!とは流石にお見事!( 当誌 2012.10.02 ) )
それと言うのも、次のような記事が報じられたからである。
"情勢認識" に落差があり過ぎるため、"Oh my God !" としか言いようがない......。
<[東京 4日 ロイター] 複数の関係者によると、石原慎太郎東京都知事は、尖閣諸島(中国名・釣魚島)の購入代金として東京都に集まった寄付金を尖閣諸島の施設建設に充てるための動きを強めている。すでに自民党などに接触しており、実際に動き出せば日中関係の新たな火種になる可能性がある。......>( 尖閣購入の寄付金を施設建設費に、都知事が自民に接触=関係者/REUTERS/2012.10.04 )
今や "日中関係" の "悪化" については、国際世論が強く懸念するところだ。
下記引用サイト記事:焦点:海洋領有問題が世界中で再燃、尖閣は最もハイリスク/REUTERS/2012.10.03 でも、<尖閣をめぐる日中の争いは、アジア最強の両国が全面戦争に突入するとの見方に同調する専門家は少ないものの、これまでのところ、最もリスクの高い懸案の1つだ>と警戒されている。
<専門家によると、こうした対立が軍事衝突に至らないまでも、より広範な地域で緊張を高め、軍拡競争を刺激するほか、他の問題もからめば戦争に発展する潜在的リスクが高まる>との指摘もある。
自然災害などに向けた "危機管理" が叫ばれざるを得ない現代だが、同時に<戦争に発展する潜在的リスクが高まる>事態に向けた "危機管理" 体制も問われるべきだろう! "悪酔い" 故の "挑発" こそは百害あって一利なし!
焦点:海洋領有問題が世界中で再燃、尖閣は最もハイリスク/REUTERS/2012.10.03
[ワシントン 1日 ロイター] 尖閣諸島(中国名・釣魚島)をめぐり日中間の緊張が高まっているが、海洋領有権をめぐる争いはアジアに限ったことではない。資源獲得や影響力拡大を狙った領有権争いは、北極圏や地中海東側、南大西洋など世界各地で今、再燃しつつある。
尖閣をめぐる日中の争いは、アジア最強の両国が全面戦争に突入するとの見方に同調する専門家は少ないものの、これまでのところ、最もリスクの高い懸案の1つだ。
スタンフォード大フーバー研究所でアネンバーグ高等客員研究員を務めるゲイリー・ラフヘッド元海軍大将は、日中の争いについて「資源がからむと事態は先鋭化する」と指摘。「エネルギー資源だけでなく、われわれが見落としがちなアジアの食卓に欠かせない魚種資源もそこにはある。海底の鉱石やレアアース(希土類)にも関心はますます高まっている」と述べた。
日本政府による尖閣国有化を発端に、この問題は純粋な外交問題から、周辺海域に巡視船や監視船、漁船が入り乱れて対立するまで事態がエスカレート。先週にはやはり領有を主張する台湾の監視船と漁船も接続水域に進入し、日中台三つどもえの様相となっている。
「こうした争いは確実に再燃しつつある」。こう指摘するのは米シンクタンク、海軍分析センターのエリック・トンプソン氏。「大きな地政学的変化が起きており、一部の国は以前にも増して政治的、経済的、軍事的に主張するようになっている。また、数年前なら存在すら分からず、採掘不可能だった資源を手に入れるための技術が今はある」と分析する。
とはいえ、全ての国が直接行動に訴えるわけではない。チリとペルーは......
アルゼンチンも英領フォークランド(アルゼンチン名・マルビナス)諸島の領有権を改めて主張する可能性があるが、......
しかしその一方で、漁船、石油やガスの探査船、時に航空機や軍艦も出動して対峙するケースが一段と増加している。...... 石油やガスをめぐって近隣諸国間で争いが勃発する可能性がある。
米海軍大学のニコラス・グボスデフ教授は「資源獲得のための地上戦はもはや容認されないが、海の資源となれば別問題となり得る」と語る。
<地域的緊張や軍拡競争を刺激も>
先のトンプソン氏は、地中海東側のトルコ、キプロス、イスラエル、レバノンに接する海域で2009年に巨大ガス田が発見 ...... このガス田をめぐっては「ほぼ全面的にもめている」という。......
専門家によると、こうした対立が軍事衝突に至らないまでも、より広範な地域で緊張を高め、軍拡競争を刺激するほか、他の問題もからめば戦争に発展する潜在的リスクが高まるという。
このことは、中国が近隣諸国と争っている領有権問題がもたらす最大の危機の1つだと言える。中国がより強硬な態度に出る一方で、外交当局者らは、他のアジア諸国も中国に触発されていると指摘する。
例えば、日本が領有問題に重点的に取り組んでいることは、1945年以降、政府がとってきた外交手法とは大きく異なることを示唆する。また、中国が関わる最も複雑な領有問題は、石油資源が豊富な南シナ海の南沙諸島をめぐるフィリピンとベトナム、台湾との争いだが、それぞれの国が海と空から監視を強化している。
<米国のジレンマ>
米高官らは、こうした問題には直接関与しない姿勢を明確にしている。......「ニ国間の問題は、当事国が解決すべきということは極めて明白だ」と......。
しかし、日本などアジア諸国との同盟関係を考えると、米国が傍観者であり続けることは困難かもしれない。元海軍大将のラフヘッド氏は「米国の世界的プレゼンスという点から言えば、結局は関与せざるを得ない」とした上で、「平和的解決を促すため、米国の影響力を行使する必要が出てくるだろうが、一筋縄ではいかないだろう」と述べた。......
経済に逆風が吹いているこの時期には、国家主義的な言動が容易に受け入れられやすく、解決しようとする人たちにとっては、ますます難しい状況となっているようだ。
海事関連を専門とする米ワシントンの弁護士、ローレンス・マーティン氏は、利害が大きければ大きいほど解決は難しいとし、「国内の政局が領有問題で妥協するのを非常に難しくしている場合がある」と指摘した。
原則として、こうした領有問題は1982年に採択された「海洋法に関する国連条約(UNCLOS)」に基づいて解決されるが、......
ロンドンに拠点を置くコンサルタント会社コントロール・リスクスの世界問題アナリスト、ジョナサン・ウッド氏は「解決困難な問題において、世界的にコンセンサスが得られるという状況は極めて珍しい。それに、ユーチューブに投稿された映像がデモや暴動を引き起こしかねないことを考えると、こうしたことを収拾できる保証はない」と語った。
(原文執筆:Peter Apps記者、翻訳:伊藤典子、編集:宮井伸明)
( ※引用者注 ―― 文意を損なわないよう留意して割愛しています。)
ふと思うのは、"吠える犬" の問題は、犬が問題である以上に "飼い主" が問題だとされてきた点である ...... (2012.10.05)
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