"睡眠で悩みを抱える人々" が増加するであろうことは容易に想像できるところだ。
重篤な症状となれば医療機関に赴かなければならないが、そこまでは行かない "悩み" であれば現代人の誰しもが抱えていそうである。
また、時代環境は、人々の覚醒を強化したり、自然な眠りを阻害するストレスなどをもたらすことはあっても、その逆を望むことは難しい......。
ちなみに、IT環境ひとつを取り上げても、ますます普及するに違いないスマホ/タブレットなどの "バックライト付き画面" は、"睡眠" と相性が良くないようだ。
◆参照 "電子書籍"読書に伴う思わぬ"伏兵"!バックライト付き画面と"メラトニン"ホルモン!?( 当誌 2012.09.13 )
時代環境の最大の特徴は、"グローバリズム" かと思われるが、それは要するに "24時間制" を棚上げして "エンドレスな時間制" へとシフトしたことを意味する。
もちろん、種々、IT環境が人間を肩代わりしているには違いないが、人の生活時間の貴重な三分の一、"睡眠" の時間帯や "睡眠" 自体の意義を脇へ追いやっていることは否定できない。
だからこそ、"睡眠で悩みを抱える人々" が増加するであろうことは容易に想像できる、ということになる。
しかも、世界的な "高齢化" が進む中、"高齢者" が "睡眠" を "苦手" とすることはしばしば指摘される事実だ。
こうして、増加の一途を辿る "睡眠難民(?)" のことを想定するならば、「睡眠産業」、睡眠関連ビジネスが急成長!という現象は、決して驚くべきことでもなさそうである......。
眠れない人々が急増中! 米国で拡大する「睡眠産業」 フィスカル・タイムズ USA/現代ビジネス/2012.09.29
枕から飲料水まで、快眠を売りにした商品が人気を集めている。 不眠で苦しむ顧客が増える一方のいま、商機は拡がるばかりだ。
仕事や付き合い、家事に趣味・・・・・・。現代人には時間がいくらあっても足りない。
睡眠時間を削ると、今度は残業や人間関係から生じるストレスが、ただでさえ短い安眠を妨げる------。思い当たる人は少なくないだろう。
そんないま、米国では睡眠で悩みを抱える人を対象にしたビジネスが急成長している。米医療調査会社IMSヘルスは、枕や睡眠薬、果ては睡眠コンサルタントまでを含む"睡眠産業"の売り上げが今年度、驚異的な324億ドル(約2兆5000億円)に到達すると予測する。実際、米寝具チェーンのスリープ・トレインは、2011年の売り上げが前年比18%増の3億7000万ドルに達した。同社は新設した専門店「ゴット・スリープ?(眠れてる?)」で寝具のほか、アロマキャンドルやアイマスクなどの睡眠関連の商品を充実させることで、売り上げを伸ばしている。
他にも、「ドリーム・ウォーター」などの睡眠改善飲料も市場を拡げている。同飲料には、リラックス効果のあるGABAや睡眠導入効果のあるメラトニン、睡眠の質を高めるトリプトファンが配合されており、ウォルマートや空港など、3万以上の店舗で販売され、話題を呼んでいる。
そして、この分野の成長は止まりそうにない。不眠症などの睡眠障害に悩む人が増加傾向にあるからだ。今年4月に米疾病対策予防センターが実施した調査によると、約4100万人が睡眠障害を患っている。日本も、厚生労働省の調査(平成19年)で5人に1人が「睡眠で充分休養が取れていない」と回答するなど、いまや"国民病"の感すらある。
羊を数えるのはタダだが、快眠グッズを買ってでも眠りたい・・・・・・。眠れぬ人々の苦悩の上に市場が拡がる。
<羊を数えるのはタダだが、>とあるが、考えてみれば、文明が高まる時代には、"かつてはタダであったもの" に "置き換えられ製品!" の、その価格が高まるわけだ ...... (2012.10.01)
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