巨大地震に伴うより大きな津波に対しては、一般的には "高台への避難" が叫ばれている。あるいは相応に高度のある "避難ビル建設" も指摘されている。
しかし、現在の地方財政の逼迫状況を考えると "避難ビル建設" 案には困難さがつきまとう。
しかも、"南海トラフ" の被害想定だと、<高知県で30メートルを超える巨大な津波が予想/東日本大震災との違いは、大きな津波が早いところでは2分から3分で到達する>とされており、"避難のための時間" が著しく限られている......。
◆参照 茫然自失!?「南海トラフ」地震で新たに想定された"34.4メートルの大津波"(高知) ( 当誌 2012.04.02 )
となると、"浮き上がるシェルター(!?)" のようなものしかないのかなぁ......、と素人考えをしていたものだ。
と、下記の【 引用記事 1 】/【 引用記事 2 】のような "避難装置" が考案されていた。
公共的対応としては、【 引用記事 2 】のような救命シェルター艇を、然るべき海岸近くに設置しておくという対応策はどんなものであろうか......。
想定される問題点は多々残されているかと思われるが、"不安と絶望(?)" に打ちひしがれがちな現状から奮起するきっかけになるのではなかろうか......。
【 引用記事 1 】
水に浮く津波用シェルターのいろいろ/WIRED JAPANESE EDITON - CULTURE/2012.10.03
津波の際に逃げ込む、海に浮く避難用ポッド。1人用から50人用まで、各種開発されている。
オーストラリアのメルボルンに住むハウスボート・ビルダー、マシュー・ダンカンは、津波の際に逃げ込んでやり過ごす避難用ポッドを製造した。
ダンカン氏は、2011年に日本を津波が襲った直後の画像を見て、「Tsunami Survival Pod(TSP)」の開発に取り組もうと思ったという。
ダンカン氏は、鋼鉄製ハウスボートを製造してきた経験を生かして、破壊的な津波を耐え抜くことができるという、可搬型で4人乗りの装置を製作した。波の力に耐えられる円筒型のデザイン、乗員を保護するための、競技用の固定ベルトとヘルメット、そして、水が引いたあとに救助隊員が探し出すためのビーコンを備えているのが特徴だ。
外側からみると、物体がぶつかりそうなところには丸い衝突バンパーが取り付けられている。環状のフレームと、垂直の衝撃に備えたバンパーが、背後や垂直方向の力から乗員を保護するのに役立つのだとダンカン氏は言う。
「車庫やガレージの奥、あるいは裏庭に置いておくことができるくらい小さく、しかし、4人が比較的快適に乗れて生存確率が最大限になる大きさのあるポッドを設計しようと努めた」とダンカン氏は語っている。ダンカン氏は現在、1人乗りのポッドに取り組んでおり、これはベッドの下にピッタリのものになるだろうと話している。
現在、世界市場で売りたいというオファーが2社からきているそうで、近く販売できることをダンカン氏は望んでいる。
※プエルトリコのBrahman Industries社が開発している50人乗りの大型シェルター艇についての日本語版記事はこちら 。日本でも、神奈川のN.C.Pが製造した「ノア」(4人用48万円から)、静岡県の2社が共同開発した「プカプカ」、高知市の建設会社「高知丸高」が開発した「救難まんぼう」など、少人数用シェルターが制作されている。次ページに動画を掲載。......
TEXT BY KEITH BARRYWIRED NEWS 原文(English)
TRANSLATION BY ガリレオ -緒方 亮( ※引用者注 ―― 文意を損なわないよう留意して割愛しています。)
【 引用記事 2 】
津波のときに逃げ込む、救命シェルター艇:ギャラリー/WIRED JAPANESE EDITON - CULTURE/2012.06.23
救命シェルターを設計する際には、コストが最も大きな課題となる。モジュール式のポッド「STATIM」を開発したBrahman Industries社のミゲル・セラーノは、STATIMが一定の生産規模に達した時点で、この50人乗りのポッドを1人あたり1,800ドル前後で販売することを目指しているという。
STATIMポッドはモジュール化されているため、カスタマイズが可能だ。(画像:Brahman Industriesの好意により)
最初にいちばん大事なことを説明しておこう。大災害のときには、災害の第一波を確実かつ安全に切り抜ける必要がある。食料貯蔵や清潔な水の確保を心配する前にだ。しかし、恐れないでほしい。次に大きな津波が襲ってきたときにはこの「STATIM」ポッドが役立つかもしれない。「STATIM」はモジュール式のポッドで、内部への水の侵入を防ぎ、洪水の際には水に浮かぶようになっている。
STATIMとは「Storm Tornado Tsunami Interconnected Modules」(嵐・暴風・津波相互接続モジュール)の略語で、これを開発したのは、Brahman Industries社のミゲル・セラーノ。STATIMは津波の驚異的な力に耐えられるよう設計されており、最悪な事態を免れた人々にその後も生き残るチャンスを提供する。......
( ※引用者注 ―― 文意を損なわないよう留意して割愛しています。)
上記記事にある<大災害のときには、災害の第一波を確実かつ安全に切り抜ける必要がある。食料貯蔵や清潔な水の確保を心配する前にだ。>という指摘はまさにそのとおりに違いない ...... (2012.10.04)
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