アマゾンは19日に "キンドル・ペーパーホワイト" の日本での出荷販売を開始。
米国とはいろいろと事情が異なる日本であるだけに、果たして、どの程度を売り上げるのかが注目されている。
◆参照 日本は電子書籍の「墓場」!?キンドルも日本の電子書籍市場の"特殊性"には梃子摺るか?( 当誌 2012.11.17 )
下記引用サイト記事:本命「キンドル」19日発売 電子書籍の市場拡大牽引役へ/msn 産経ニュース/2012.11.18 によれば、<日本の書籍流通の複雑さ>ゆえに、<紙の本に比べ3~4割安い電子書籍を提供できる米国など>に対して、<日本の電子書籍サービスはいずれも書籍数が数万点にとどまり、価格も紙と同じか、少し安い程度>という想定外の事態からのスタートとなるようだ。
また、<アマゾンはキンドルから自社の通販サイトに利用者を導く戦略>が警戒されて、<家電量販各社は、キンドルを販売することが「顧客流出の可能性が高まると判断した」(家電量販業界関係者)>としてヤマダ電機などによってキンドル販売が見送られる、というオマケまで付くことになった。
こうした状況であるだけに、"キンドル・ペーパーホワイト" の売れ行きと、アマゾンによる日本での "電子書籍事業" の今後の推移関心が寄せられるというわけだ......。
【 引用記事 1 】
本命「キンドル」19日発売 電子書籍の市場拡大牽引役へ/msn 産経ニュース/2012.11.18
電子書籍端末の本命と目される米アマゾン・ドット・コムの「キンドル」シリーズの一部機種が19日に発売される。書籍数が約5万点と米国などの100万点以上に比べて見劣りし、"価格破壊"も控えめなスタートだ。だが、端末は急速な普及が予想されるだけに、伸び悩んでいる日本の電子書籍市場を本格的な拡大基調に導く可能性もある。
19日に発売するのは電子書籍専用の「キンドル・ペーパーホワイト」(7980円)。12月に音楽やネット通販ができるタブレット端末も1万円台で発売する。
アマゾンがキンドル発売へ日本の出版社などと交渉を始めてから約2年。6月下旬に「近日発売」を告知した後も、実際の販売までに4カ月以上を要した。
時間がかかったのは、「コンテンツ(作品)がそろわなかった」(出版業界関係者)からだ。8月に参入したインドでは当初から120万点をそろえたとされ、日本の少なさは顕著だ。
背景には日本の書籍流通の複雑さがある。アマゾンなど電子書籍の運営会社が作家や出版社から直接作品を仕入れ、紙の本に比べ3~4割安い電子書籍を提供できる米国などに対し、日本は事実上、出版社が作家を囲い込み、印刷会社、取次会社を経て販売される。関連業界は、電子書籍運営会社に「収益が中抜きされる」(同)と警戒する。
このため日本の電子書籍サービスはいずれも書籍数が数万点にとどまり、価格も紙と同じか、少し安い程度。調査会社ICT総研の調べでは、平成23年度の電子書籍の市場規模は671億円と予想を下回った。
アマゾンも日本の商習慣を打破できず、書籍の価格は他サービスとほぼ横並び。楽天の「kobo(コボ)」など競合他社の電子書籍端末やタブレット端末の発売が相次ぐ中、「まず端末市場を活性化させ、コンテンツ拡充につなげる」(ICT総研の斉藤和アナリスト)戦略に転換した。
アマゾンは米国では電子書籍の販売数が紙の本を上回る。日本でも端末普及に伴い、電子書籍販売が伸びるのは確実。先に市場を広げ、書籍数の増加や人気作品の電子化を促す。
( ※引用者注 ―― 文意を損なわないよう留意して割愛しています。)
【 引用記事 2 】
キンドル ヤマダ電機など販売せず/msn 産経ニュース/2012.11.17
大手家電量販店のヤマダ電機などが、米アマゾン・ドット・コムの電子書籍端末「キンドル」シリーズの販売を見送ることが17日、分かった。アマゾンはキンドルから自社の通販サイトに利用者を導く戦略。家電量販各社は、キンドルを販売することが「顧客流出の可能性が高まると判断した」(家電量販業界関係者)。
アマゾンは、電子書籍端末「キンドル・ペーパーホワイト」(7980円)を19日から、自社の通販サイトなどで販売を始める。家電量販店ではヤマダのほか、エディオン、ヨドバシカメラがキンドルの販売を見送る。
一方、ケーズホールディングスやビックカメラは「一定の顧客ニーズがあるため販売する」(ケーズ)。
( ※引用者注 ―― 文意を損なわないよう留意して割愛しています。)
だが、アマゾンによる日本での "電子書籍事業" は、アマゾンがこれまでに増強してきた通販サイトでの顧客掌握がモノを言う時がいずれ来るのではなかろうか。ヤマダ電機などの警戒は、逆にこの点を照らし出しているような気がする...... (2012.11.19)
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