一方では、"デジタル" ジャンルでの米国の勢いに、"ものづくり" 自体が押し退けられるとともに、他方では、"低コスト" の中国・東南アジアにキャッチアップされてしまい、日本のポジションが喪失されたかに見える......。
恐らく、残念ながら、日本の従来型の "ものづくり" のステイタスが復活されることはなさそうに見える。だが、かと言って "ものづくり" 自体が消失することはあろうはずがない。
問われているのは、"この時代に適合した" ところの "ものづくり" とはどんなものなのか? ということであるに違いない。
下記引用サイト記事(ブックレビュー):[ブックレビュー]デジタル化がもたらす第3次産業革命を見逃すな/CNET Japan/2012.11.10 は、こうした問題意識に対して、少なからぬヒントと、また勇気とを与えてくれるものだと思えた。
< 商品の説明
内容(「BOOK」データベースより)
『ワイアード』US版編集長で世界的ベストセラー『フリー』『ロングテール』の著者クリス・アンダーソンが、新産業革命の最前線へと読者を誘う。今日の起業家は、オープンソースのデザインと3Dプリンタを使って製造業をデスクトップ上で展開している。カスタム製造とDIYによる製品デザインや開発を武器に、ガレージでもの作りに励む何百万人という「メイカーズ」世代が、製造業の復活を後押しする。ウェブのイノベーション・モデルをリアルなもの作りに持ち込むことで、グローバル経済の次の大きな波を起こすのだ。世界規模で進行する「メイカームーブメント」を決定づける一冊。
目次
第一部 革命
第1章 発明革命
第2章 新産業革命
第3章 未来の歴史
第4章 ぼくらはみんなデザイナー
第5章 モノのロングテール
第二部 未来
第6章 変革のツール
第7章 オープンハードウェア
第8章 巨大産業を作りかえる
第9章 オープン・オーガニゼーション
第10章 メイカーたちの資金調達
第11章 メイカービジネス
第12章 クラウド・ファクトリー
第13章 DIYバイオロジー
エピローグ 工業世界の未来の姿
付録 二一世紀の工作室>( amazon/MAKERS―21世紀の産業革命が始まる [単行本]より )
"ものづくり" に "自負" を抱いてきたわれわれは、時代が用意したこの環境を最大限に活かすならば、"再スタート" を切ることが可能なのではないか......。
[ブックレビュー]デジタル化がもたらす第3次産業革命を見逃すな/CNET Japan/2012.11.10
第3次産業革命は、今、起きつつある。コンピュータが発明され、インターネットが普及したことそのものは産業革命ではない。しかしデジタル技術によるものづくりが、人の手によるものづくりと融合して起こることは産業革命であり、それは現在進行中の出来事だ。なんという時代に我々は生きているのだろう。
資本を持つ大企業でなければ、アイデアを製品にすることはできなかった。しかし現在は工具は小型化し、誰でも手軽に手に入れられるようになった。画面上でアイデアを設計し、広く共有できるようになり、資金を世界規模で募って製品化することも簡単だ。
その好例の一つとして、筆者は「Kickstarter(キックスターター)」を挙げている。アイデアに対するファンをウェブサイト上で募り、出資してもらい、目標金額が集まったところで製品化する。製品化するのに巨額のリスクを伴うこともない。
さらに、ものを作るための工房が身近になった例として、印刷の世界に革命をもたらしたデスクトップパブリッシング(DTP)をもじって、デスクトップ工房を挙げている。3Dスキャナや3Dプリンタを使えば、クリック一つでものの形をデスクトップに取り込んだり、素材からものを成形したりできるのだ。
筆者のいうアトムの世界(現実世界)とビットの世界(デジタル世界)の組み合わせによるものづくりは、今度より身近な場所で見られるようになるであろうし、体験することになるだろう。今すぐに、その変革の様子を俯瞰したい人には、本書を読むことを強く勧める。
"知るべきこと" を抜かりなくタイムリーに知らなければ、"始まるはずのこと" が始まらない...... (2012.11.13)
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