ここしばらくの "円安株高" 傾向という "安倍相場" (?)に、浮かれている場合なのであろうか?
そもそも、この傾向に如何ほどの "賞味期限"( 参照 コラム:円安誘う安倍発言の賞味期限と落とし穴=佐々木融氏/REUTERS/2012.11.21 )があるのかも定かではない。が、いずれにしてもこうした推移と風潮の向こう側で、"ハイパーインフレ" 到来の可能性がジワジワと高まっていることが、よりリアリティをもって警戒されてよさそうである。
"ロイター(REUTERS)" は、この春に掲載した記事を "再掲載" して、再びアクセス数を上昇させているようだ。
その記事とは、「急激なインフレは不可避、ハードランディングに備えよ=藤巻健史氏」/REUTERS/2012.04.18 である。
もちろん、自民党の安倍総裁の執拗なほどの "円安" 誘導発言やその経済スタンスとが刺激するこの間の "円安株高" 傾向と推移が、"期待感" とその反面の "不信感" とを渦巻かせているからなのであろう。
この記事をはじめて読む方には、その "骨子" が、簡潔明瞭に整理されていて分かりやすい、下記引用サイト記事:日本国債未達でハイパーインフレの恐れという話。/さもありなん/2012.04.19 が手助けになろうかと思う。
記事の焦点は、言うまでもなく "ハイパーインフレの可能性" 以外ではない。
ところで、"インフレターゲット" を政策とした場合、常に懸念されるのはその "コントロール" であり、それを仕損じる場合に訪れる "ハイパーインフレ" だと言われて来た。
しかし、すでに、安倍氏 の発言によって、インフレターゲットの引き上げ" と "日銀による国債引き受け" の政策化可能性が浮上して来ている。その政策化が推進されるならば、間違いなく "ハイパーインフレの可能性" もまた高まるものと思われる。
そもそも、基本的問題として、"インフレ" とは何なのか? とりわけ、昨今のような "財政赤字問題" とセットとで引き合いに出される "インフレ" とは?
分かりやすく次のように述べている。
<経済学では、財政赤字を解消するインフレを「インフレ税」と呼ぶ。インフレで貨幣価値は下がり国家債務は実質目減りするが、同時に汗水垂らして稼いだ国民の財産も失われる。実際には課税されないものの、言い方は悪いが、お上に召し上げられる(行儀よく言えば、国民から国家への富の移転)という意味では、税と同じだ......> と。まさにそのとおりであろう。
この事態が、国民に何をもたらすのかは、火を見るよりも明らかであろう。
したがって、"ハイパーインフレ" ともなれば、国民は、"大増税!" 以外の何ものでもないダメージを受けると理解しなければならないわけだ。
それで、要するに "ハイパーインフレ" の可能性はどうなのか?
藤巻氏は、<国債未達>(「国債が売れ残る」!)が "トリガー" となるだろう、と見ている。
<<国債未達が起こる可能性>
率直に言って、国債未達が起こる可能性は日増しに高まっていると思う。
国債未達ともなれば、それは財政破綻と同義だから、円は暴落するだろう。そして取り付け騒ぎが起きようものならば、日銀による国債引き受けが行われるだろう。そうなれば、ハイパーインフレが結果として引き起こされることになる(政策として掲げずとも)。>
日本国債未達でハイパーインフレの恐れという話。/さもありなん/2012.04.19
元モルガンの藤巻健史氏といえば悲観論者として有名ですが、日本のハイパーインフレの可能性を言っているようです。 記事によると● 日本に残された道はもはやインフレというかたちの実質大増税しかない
○ 日本の借金の累積残高は1000兆円超に膨れ上がり、単年度の財政赤字は44兆円
■ 一般歳出の4割は社会保障関係費
○ 消費税について
■ 消費増税1%分の税収はざっと2兆円程度
■ 単年度の赤字を消費税だけで穴埋めしようとしたら、ラフに計算しても、22%以上の税率にする必要がある
■ 1000兆円もの大借金を100年で返そうとすれば、さらに10%前後が必要
○ インフレについて
■ インフレで貨幣価値は下がり国家債務は実質目減りする
■ 国民の財産も失われる
○ いまだ歳出カットで財政を再建できるかのように言い続けることは無責任
○ 日本銀行の国債引き受けを政策として掲げるべきでない(「禁じ手」)
○ 社会保障費の改革がされれば、インフレシナリオは無い
○ 経済成長では金利が上がり、金利負担増で税収増など吹き飛んでしまう● 日本は中国をしのぐ最大の社会主義国家
○ 代表的な例はゆうちょ銀行
■ 最大の銀行が「国営」とは、社会主義そのもの
■ 郵貯問題は財政赤字問題とも直結している
◆ 普通の資本主義国家ならば、バラマキ政策を続ければ、長期金利が上がる
◆ ゆうちょ銀行が日本国債を買うので金利が上がらない (投資の80%が日本国債)● ハイパーインフレが起こるシナリオ
1.国債未達ともなれば、円は暴落する
2.取り付け騒ぎが起きようものならば、日銀による国債引き受けが行われる
3.日銀が国債引き受ける
4.ハイパーインフレが起きる● ハイパーインフレで円安になり、経済は復活する
○ 韓国はウォン安で国際競争力が向上した
○ 日本企業が儲からない原因は円高
○ 日本の法人税収はざっと7.8兆円。企業業績が10倍になれば、ラフに考えても、78兆円に跳ね上がる
○ 製造業が日本に戻ってくれば、地方経済や若年層の雇用の問題も今よりずっと解決しやすくなる● 日本経済のハードランディングを覚悟し、国際分散投資などを通じ、来るべき嵐に備える
という事らしい。......
( ※引用者注 ―― 文意を損なわないよう留意して割愛しています。)
それにしても、"消費税" どころではない "大増税(=ハイパーインフレ)" の可能性を前にして、国民による事実認識が追いつかないままに事態が推移して行くかの様子は恐ろしい。
しかも、"泣く子" の口に "飴玉(="円安株高" 傾向)" を放り込むような現状の成り行きにも苛立ちが禁じえない...... (2012.11.27)
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