昨日も書いたとおり、
<今、国民の小さくない不安の一つに "原発問題" があることはまず否定できない。
特に、多発している地震との関係で、現状の "原発" が、"活断層" という危険を孕む地形の上に立地されている疑いのある現状では、当然のことではなかろうか。>( 「卒原発」が旗印の嘉田新党!"原発不安の世論"に呼応して「2022年に原発稼働ゼロ」!( 当誌 2012.11.29 ) )
という視点は、今度の総選挙では "最重要争点" とされて然るべき "アジェンダ" 以外の何ものでもないはずだ。
財政問題/経済政策や、社会福祉問題、そして尖閣問題のような主権問題などが重要ではないというのでは毛頭ない。
しかし、"原発問題"への国民的合意形成と "覚悟を定める" こそが、この時機に "機を逸することなく" 見据える "時代的緊急課題" のはずである。
だからこそ、"「脱原発」/「卒原発」" を正面切って公約の基軸とした "嘉田知事「日本未来の党」" が、"総選挙の鍵を握った" と目に映るのである。
この点で、下記引用サイト記事:嘉田知事の「日本未来の党」が総選挙の鍵を握った 選挙構図も政権の枠組みも激変する!?/DIAMOND online - 田中秀征 政権ウォッチ/2012.11.29 は、実にスムーズに読むことができた。
そして、当記事にもある<「みんなの党」に期待される重要な役割>こそが気掛かりな点となる......。
嘉田知事の「日本未来の党」が総選挙の鍵を握った 選挙構図も政権の枠組みも激変する!?/DIAMOND online - 田中秀征 政権ウォッチ/2012.11.29
嘉田由紀子滋賀県知事は27日「日本未来の党」の結成を宣言した。これによって選挙構図は一変し、今回の総選挙に大きな明るい展望が開けてきた。おそらくこの動きは総選挙の台風の目になるに違いない。本欄で私が出現を待望してきた"ミスターX"は嘉田知事になのかもしれない。
これで第三極は2つの勢力が揃い、その進撃の相乗効果によって総選挙で自民、民主両党を追いつめていくことになる。ひょっとすると自民と民主の対戦は、二軍戦のようになってしまう可能性もある。
そもそも第三極への待望論が強まったのは、民主党政権が、税金の無駄遣いを放置して消費税増税に走ったことに根因がある。これに対する怒りは衆議院議員40人削減や公務員宿舎の半減などの小手先の偽造手法で収まる規模のものではない。
この第三極の流れをさらに大震災後の原発政策への強い不信感が、必死に後押しすることになった。
だからこれら2点をあいまいにすれば、第三極の政党はたちまち失速する運命にある。
嘉田知事は、今のところ知事を辞めて国政の場に出ることを否定している。しかし、ここで衆院選に出馬しても多くの人が理解し、歓迎するだろう。むしろ「卒原発」を貫くならそのほうがよぼど筋が通っている。嘉田氏の英断を期待するところだ。
小沢一郎氏にとってもこれで"最後の御奉公"の道が開けたことになる。彼もこの際は大きな成果を得るために一歩も二歩も引くだろう。
嘉田氏を中心とした第三極Bはリベラル勢力の結集と言われるだろう。心配されるのは日本の〝国家主権"について強い認識を持っているかどうかである。この点では保守を自認する「みどりの風」の支えが必要になる。尖閣問題のような他国による日本の主権侵害の事態には、毅然として対応する決意を示してほしい。
人権運動も環境運動もそうだが、そもそも市民運動はインターナショナルな政治運動だ。国境というものをあまり認識しない。しかし現実の世界は主権国家がしのぎを削っている。日本未来の党の指導者に対しては、この点に不安を持つ人も少なくない。保守を自認する「みどりの風」はそれを補う重要な役割が期待される。
もうひとつ「経済」も手薄な印象を受ける。テレビ討論などで失言があれば一気に流れが変わるだろう。間違いなく他党から最大の標的にされるので注意を要する。橋下徹氏の第三極Aと嘉田氏の第三極Bは互いに競い、互いに認め合って二大政党を隅に追いやる役割を果たせばよい。AとBの対決が本格的な論戦として激しくなればなるほど、自民対民主の対決の影が薄くなり、結果的に総選挙後の政界地図を大きく塗り替える。
■ 光栄ある孤立を選んだ 「みんなの党」に期待される重要な役割は?
「みんなの党」はどうするのか。競合区をめぐるいさかいで既に維新との合流も選挙協力もなくなった。
第三極B、すなわち日本未来の党と何らかの連携をするのが効果的だが、日本未来の党への合流は「TPP問題」でいかにも困難だ。
一体、TPPは頭を下げて入れてもらうようなものではない。いわんや日米同盟の強化とは筋違いの問題だ。みんなの党がTPPに前のめりで、金融経済に関心を集中しているかのような印象は、多くの人の支持を戸惑わせもう一段の躍進を妨げていると思う。
みんなの党がAとBの間に単独で残る道もある。
総選挙後は、AとBが協力して統治構造の改革の最優先課題に取り組まねばならない。
みんなの党が躍進したのは、あくまでも行政改革、官僚改革など統治構造の改革に本気で立ち向かう唯一の集団であると受け取られてきたからだ。その点では有権者からの信頼は他党の追随を許さないものがある。
そのみんなの党は総選挙後AとBを連携させるかけがえのない接着剤とならねばならない。また、第三極中心の政権が樹立できれば、その政権の中核的存在になることが期待される。だからAとBの間にひとり身を置くことは最も有力な選択肢と言える。
さてこれで今回の選挙構図は大筋で定まった。まだまだ流動はあるだろうが構図を変えるほどのものにはならないだろう。
ところで野田首相の政策方針に激しく反発してきた民主党議員はどうするのか。今後の唯一の不確定要素だろう。急旋回するときの歴史は自分の都合を優先する政治家を容赦なく置き去りにして進んでいく。
上記記事の末尾にある<急旋回するときの歴史は自分の都合を優先する政治家を容赦なく置き去りにして進んでいく>という叙述にも大いに共感できるところである...... (2012.11.30)
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