"大接戦" とされていた米大統領選は、意外と早く民主党のオバマ大統領の再選が報じられた。
オバマ氏は、ロムニー氏の敗北を認め祝意を表明する電話を受けた後、喜びに沸く支持者たちを前にして勝利宣言のスピーチを行った。
その中で、「米国のお楽しみはまだまだこれから!("The best is yet to come.")」とさり気なく述べ、支持者たちからの大歓声を浴びていた。
もちろん、今回の選挙で、まさに "国が分断" したことに留意して、"共和党" サイドへの慎重な配慮の姿が見てとれたこと、対立を超えて民主主義を貫くことを強調したことは言うまでもない。
米大統領選はオバマ大統領が再選、ロムニー氏が敗北認める/REUTERS/2012.11.07 - 15:44
[ワシントン 6日 ロイター] 米主要メディアは6日、大統領選で民主党のオバマ大統領が共和党のロムニー候補に勝利したと伝えた。オバマ氏は、激戦州のオハイオ、ウィスコンシン、アイオワ、ペンシルベニア、ニューハンプシャーの各州を僅差で制し、当選に必要な選挙人(270人)を獲得した。
ロムニー候補は敗北を認め、オバマ大統領に電話で祝意を伝えた後、支持者に対し、「米国にとって今は大いなる試練のときだ。大統領がこの国を首尾よく導いてくれることを祈る」と述べた。また、「与野党で対立している場合ではなく、指導者は党派を超えた協力目指すべきだ」と表明した。
オバマ氏は、MSNBCが再選を報じると、ツイッターで「皆さんのおかげだ。ありがとう」とコメントした。
ロムニー候補は、一部の共和党関係者がオハイオ州でのオバマ氏勝利を疑問視したことを受けて敗北宣言を遅らせていたが、その後、主要メディアがコロラド州、バージニア州でもオバマ氏が勝利したと報道。オハイオ州の勝敗が逆転しても、ロムニー氏が当選に必要な選挙人を獲得することは不可能になった。
ロムニー候補が勝利を収めた激戦州は、これまでのところノースカロライナ州のみ。ロムニー陣営のボストンのイベント会場には重苦しい空気が漂った。
オバマ大統領は2期目となる4年間に、年間1兆ドルに上る巨額赤字の削減、16兆ドルに達する債務の削減、コストが膨らんでいる社会福祉プログラムの改革、米議会における民主党と共和党の対立解消といった困難な課題に取り組むことになる。
また、2期目のオバマ政権は、歳出、税制、医療保険制度、政府の役割、中国の台頭やイランの核問題などを背景に難しさを増す外交問題などについて、米国が向かう方向性を決めることになる。
米経済の強さを取り戻すため、オバマ大統領が富裕層を対象に増税すべきとの考えを示したのに対し、共和党のロムニー候補は幅広い減税を主張するなど、両候補は異なる処方箋(せん)を提示した。 ......
大統領選挙は全米の合計で538人の選挙人を争い、過半数の270人を獲得した候補が当選する。
ネブラスカとメーンの2州を除き、各州で勝った候補が選挙人を総取りする。
<連邦議会選は現状維持>
メディア予想によると、大統領選と同時に6日に行われた連邦議会の上下両院選は、民主党が上院で過半数を維持、共和党も下院で過半数を維持した。
「財政の崖」が迫るなか、議会の「ねじれ」状態は少なくともあと2年続くことになる。
上院選では、民主党はマサチューセッツ州とインディアナ州で共和党の議席を奪い、ウィスコンシン、バージニアを含む他のほとんどの州ですでに保有している議席を維持した。
上院の勢力図に変化はないとみられるものの、民主・共和両党とも穏健派が減り、上院はより分極化する可能性がある。 ......
下院の現有勢力は、共和党240・民主党190・欠員5だが、選挙後もこの構成に大きな変化はないもようだ。
共和党のベイナー下院議長は、支持者に対して「(共和党は)解決策を示してきた。国民は解決策を望んでいる。今夜、共和党に下院過半数を引き続き与えることで、国民はその意思を明らかにした」と述べた。 ベイナー議長は「いかなるパートナー」とも協力する、と述べる一方で、富裕層への増税を目指す民主党の動きには引き続き断固として反対するとけん制。「国民は選挙で、増税にノーを突き付けた」と語った。
( ※引用者注 ―― 文意を損なわないよう留意して割愛しています。)
数々の難問を抱えた米国ではあるが、これで "Re-Start" したことだけは確かだ。さてさて、日本の民主党、政治の "Re-Start" の行方は ...... (2012.11.08)
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