"地図(map)" とは、進むべき方向を指し示してくれる重要な判断材料だ。もし、その "地図(map)" に "誤り" があれば、"それに頼る" ものを間違った場所へと案内してしまう。
ただ、確かに"地図(map)" における "誤り" は由々しき問題であるが、"それに頼る"、あるいは"それに頼り過ぎる" ことも危うい! という気がしないではない。
この秋にリリースされて問題となり続けてきた "間違いだらけの米アップル製地図アプリ" のことである。
◆ 参照 <青梅線に「パチンコガンダム駅」、羽田空港内に大王製紙が......。間違いだらけの米アップル製地図がリリースされてから、もうすぐ1カ月。アップルのティム・クック最高経営責任者(CEO)はユーザーに謝罪したが、いまだに同社から原因の詳細は公表されていない。何が原因だったのか。なぜ使い物にならない状態で公開されてしまったのか......>( 「ガンダム駅」なぜできた アップル地図騒動の真相/日本経済新聞/2012.10.17 )
◆ 参照 マップについてのTim Cookからのメッセージ
ここまで来るとあきれ返ってしまうわけだが、笑いごとでは済まない事態も発生しているという。
下記引用サイト記事:「アップル地図アプリで遭難多発」、豪警察が使用中止を呼び掛け/REUTERS/2012.12.11 がそれであり、<命に関わる危険がある> "遭難事故" まで多発しているというのだ。
オーストラリアのような広大な土地での出来事は、箱庭のようなこの日本に住んでいては想像できないのかもしれない。
<日中セ氏46度にもなるオーストラリア/ 同国立公園はビクトリア州の北西端に位置し、四輪駆動車しか走行できないとされている場所/ 車が動かなくなり、周囲にヘビやキツネがいたことから怖くて車外に出られなかった>へと案内されてしまえば、これは "遭難事故" としか言いようがない。
ただし、<警察ではドライバーたちに、アプリに頼りきるのではなく、自分の感覚や目で見たものに従って判断を下してほしいと呼び掛けている。>とある。これは、頷ける "呼び掛け" だと思える。
土地柄の違いはあろうとは思われるが、"IT 環境" を漫然と盲信して、<自分の感覚や目で見たもの>を疎(おろそ)かにする現代人特有の習性は、結構、ヤバイ習性なのかもしれない。
オーストラリアの話題ゆえに、ふと、あの "クロコダイル・ダンディー" なら何と言うのだろうかと思ったり......。
「アップル地図アプリで遭難多発」、豪警察が使用中止を呼び掛け/REUTERS/2012.12.11
[キャンベラ 11日 ロイター] オーストラリアの警察は、不具合が報告されている米アップルの地図アプリについて、命に関わる危険があるとして使用を控えるよう呼び掛けている。同国南東部ビクトリア州の警察当局によると、アップルの地図アプリに従って車を運転していた多くの人が、誤ってマレー・サンセット国立公園まで誘導され、最大24時間もの間、食べ物も水もない状態に置かれたという。本来の目的地はミルデューラの町で、実際の場所とは約70キロも離れている。
警察の担当者によると、被害に遭った人の中には、車が動かなくなり、周囲にヘビやキツネがいたことから怖くて車外に出られなかったという人もいるという。
同国立公園はビクトリア州の北西端に位置し、四輪駆動車しか走行できないとされている場所。警察は、日中セ氏46度にもなるオーストラリアでそんな場所に行ってしまい、さらに携帯の電波が届かなければ大変なことになると警告した。
アップルはミルデューラの位置を修正したとしているが、依然として別の場所に誘導される人がいるという。警察ではドライバーたちに、アプリに頼りきるのではなく、自分の感覚や目で見たものに従って判断を下してほしいと呼び掛けている。
"IT 環境" を漫然と盲信して、<自分の感覚や目で見たもの>を疎(おろそ)かにする現代人特有の習性、それを危ういものだと思う時、同時に気になるのが以下の点だ。
その "IT 環境" の一端であるマスメディアが提供し続けている "加工情報" を "鵜呑み" にする時、そこに生まれるのが "昨今の世論調査結果!" なのか、と...... (2012.12.12)
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