一体、この寒さはどうしたというのか? 明朝はさらに冷え込む見込みだそうだ。
日本海側の地域では、"ホワイトクリスマス" だなんぞと浮いたことが言えない積雪のようである。
<気象庁によりますと、日本付近は冬型の気圧配置になって上空に強い寒気が流れ込んでいて、日本海側を中心に断続的に雪が降っています>( 西日本の日本海側や北陸 強い雪に注意/NHK NEWS WEB/2012.12.24 )
<気象庁によりますと、冬型の気圧配置と上空の強い寒気の影響で、24日は九州から北海道にかけての広い範囲で雪が降り、日本海側や山沿いでは雪が強まりました。>( 日本海側26日にかけ積雪増の見込み/NHK NEWS WEB/2012.12.24 )
それにしても、今夏は "猛暑" に悩まされ、それゆえにその延長線には "暖冬" が控えていると希望的観測をしたりしたものであった。
ところがどうだ......。待ち受けていたのは、次々に訪れる "寒波" ! 夏はより暑く、冬はより寒いという、まるで "安アパート" もどきの気象環境と相成った。
"どうして?" と、当然の疑問が湧く。
どうも、"猛暑" と "厳冬" という二者は、同じ原因、"地球温暖化現象" がもたらしているようなのである。ただ、"北極海の海氷" 状態という、やや込み入った事情が介在しているようなのだ。
それを解説しているのが、下記引用サイト記事:「地球温暖化」でも厳冬なのはなぜ? 原因は夏の北極海に 日経サイエンス/2012.12.24 である。
要するに、次のようなカラクリとなっているらしい。
<夏の北極海における海氷の減少/ 氷が解けた海洋から秋に余分な熱が放出され、北極付近の気圧が高まり、北極と中緯度地方の温度差は小さくなる/ この結果、極渦やジェット気流の勢いが弱まり、極寒の北極の大気が欧米や日本などの中緯度地域に流れ出ることになる/ 温暖化時代の厳冬という逆説的な現象はこれからもしばしば現れそうだ。> と。
「地球温暖化」でも厳冬なのはなぜ? 原因は夏の北極海に 日経サイエンス/日本経済新聞/2012.12.24
気象庁によると今冬、東日本以西は平年より寒くなりそうだという。既に各地から大雪被害のニュースも届いている。米国では2010年2月に大雪でワシントンの政府機能が約1週間にわたりマヒした。
2012年、北極海の海氷は大きく消失した=NASA(米航空宇宙局)/
Reto Stoeckli提供
地球は温暖化しているはずなのに、なぜ寒い冬が増えているのか。その原因がどうやら夏の北極海にあることがわかってきた。
まず、北半球の冬の天候を左右する気候の振動現象を知っておきたい。北極振動(AO)や北大西洋振動(NAO)と呼ばれるものだ。
AOは北極周辺と亜熱帯の気圧が、一方が平均よりも高いとき、もう一方は平均よりも低いという具合に、シーソーが上下するように変化することを指す。
AOの強弱を示す指数は正と負の値を取り、北極側の気圧が低いときに正、高いときに負になる。NAOもAOに似た、より狭い範囲の現象だ。
AO指数が正の時期は、北極付近の上空を流れる渦の流れが強くなり、寒気はそこに封じ込められる形になる。負の時期は逆に極渦の勢いが弱くなり、寒気が中緯度地域に流れ出して、寒冷な天候が訪れる。
50~60歳代の年配の方なら、子供のころの冬がひどく寒かった記憶があるのではないか。1960年代はAO指数やNAO指数が大きく負に傾いた時期で、寒い冬の時代に対応する。
ところが1970年代以降はこれらの指数は正に振れるようになる。そして暖冬の年が増えた。この時期は地球温暖化への関心が高まった時期と重なる。だが、近年は再びAOやNAOが負になることが多くなっている。
AOやNAOは数十年という比較的長い周期で正と負の状態が移り変わる。ところがこの自然のリズムをかく乱する新たな要因が特定されてきた。それが夏の北極海における海氷の減少だ。
氷が解けた海洋から秋に余分な熱が放出され、北極付近の気圧が高まり、北極と中緯度地方の温度差は小さくなる。
このため冬にAOやNAOが負になりやすくなる。この結果、極渦やジェット気流の勢いが弱まり、極寒の北極の大気が欧米や日本などの中緯度地域に流れ出ることになる。
温暖化による北極海の海氷の消失は今後も続きそうで、負のAOやNAOはますます起こりやすくなる。
温暖化時代の厳冬という逆説的な現象はこれからもしばしば現れそうだ。
(詳細は25日発売の日経サイエンス2月号に掲載)
こうして "夏冬揃って" の "エネルギー消費拡大" という事態を迎えると、"地球温暖化現象"は、徐々に"パンデミック" 的な危険水域に踏み込むのか...... (2012.12.25)
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