"アレルギー症状" で悩む方たちは身の回りに数多くいる。最も良く知られているものは、"花粉症" や "アレルギー性鼻炎" だ。
幸いにも自分にはこれといった"アレルギー症状" はないが、当事者の方たちの苦悩は、推察するに余りある。
一概に"アレルギー症状" と言っても、その症状が鼻や気管支等などに限定してあらわれるもののほかに、全身にアレルギー症状が広がってあらわれる "重篤" なケースもあるという。
下記の【 関連引用記事 】:アナフィラキシーとは?/アナフィラキシー対策フォーラム/ では次のように指摘されている。
<日頃、皆さんがよく耳にする花粉症やアレルギー性鼻炎、気管支喘息等も即時型アレルギーに入りますが、アレルギー症状があらわれる部位は、鼻や気管支等、疾患により限定されています。それに対し、アナフィラキシーの場合は全身にアレルギー症状があらわれるのが特徴です>
そして注意を要するのは、この<全身にアレルギー症状>があらわれる "アナフィラキシー" は、 "アナフィラキシーショック" と呼ばれる<生命をおびやかすような危険な状態に陥ってしまうこと>があるという点である。
この要注意である "アナフィラキシーショック" によって、小学女児が死亡したというのが、下記の【 引用記事 】:女児死亡 教諭が誤ってチーズ入り渡す/NHK NEWS WEB/2013.01.08 が伝える不幸な事故内容なのである。
しかも残念なのは、この事故がどうやら "不注意(?)" によって引き起こされてしまったという点であろう。
<その日の給食にはチヂミが出されていましたが、女子児童は、まずチーズの入っていない自分専用のチヂミを食べたあと、チヂミのおかわりを求めました。......この小学校では、アレルギーのある児童が給食をおかわりする際、担任の教諭がアレルギーの食品があるかどうかを献立表でチェックする決まりになっていますが、担任の教諭はこの確認を怠っていた> のだということらしい。
ややもすれば、当事者近辺以外の者にとっては "盲点" となりがちな "アレルギー症状の因果関係" であるだけに、再発防止に向け細心の注意が払われる体制づくりとその徹底が求められる......。
【 引用記事 】
女児死亡 教諭が誤ってチーズ入り渡す/NHK NEWS WEB/2013.01.08
先月、東京・調布市の小学校で、チーズなどにアレルギーのある5年生の女子児童が給食を食べたあとに死亡した問題で、担任の男性教諭がおかわりを求めた女子児童にチーズの入った料理を誤って手渡していたことが分かりました。市の教育委員会は、女子児童の保護者に経緯を説明し、謝罪したということです。
先月20日、東京・調布市の富士見台小学校でチーズなどの乳製品にアレルギーのある5年生の女子児童が給食を食べたあとに気分が悪くなり、アレルギーによって引き起こされる「アナフィラキシーショック」の疑いで死亡しました。市の教育委員会は女子児童が死亡した経緯について調査を進め、8日に記者会見を開いて調査結果を明らかにしました。
それによりますと、その日の給食にはチヂミが出されていましたが、女子児童は、まずチーズの入っていない自分専用のチヂミを食べたあと、チヂミのおかわりを求めました。
その際に29歳の担任の男性教諭が、アレルギーのないほかの児童が食べるチーズの入ったチヂミを誤って手渡したということです。この小学校では、アレルギーのある児童が給食をおかわりする際、担任の教諭がアレルギーの食品があるかどうかを献立表でチェックする決まりになっていますが、担任の教諭はこの確認を怠っていたということです。
市の教育委員会や小学校は、女子児童の保護者に経緯を説明して謝罪したということで、調布市教育委員会の海東元治教育長は会見で、「女子児童のご冥福をお祈りするとともに、ご遺族の皆様に心よりおわびとお悔やみを申し上げます」と述べました。
市の教育委員会は、今月中にも医師や弁護士などで構成する検証委員会を設けて、再発防止策を検討することにしています。
【 関連引用記事 】
アナフィラキシーとは?/アナフィラキシー対策フォーラム/
アナフィラキシーとは、ハチ毒や食物、薬物等が原因で起こる、急性アレルギー反応のひとつです。アナフィラキシーは、じんましんや紅潮(皮膚が赤くなること)等の皮膚症状や、ときに呼吸困難、めまい、意識障害等の症状を伴うことがあり、血圧低下等の血液循環の異常が急激にあらわれるとショック症状を引き起こし、生命をおびやかすような危険な状態に陥ってしまうことがあります。これをアナフィラキシーショックと呼びます。
アナフィラキシーを引き起こすきっかけには、ハチ毒アレルギー、食物アレルギー、薬物アレルギー等があります。最近では、この他にもラテックス(天然ゴム)によるアナフィラキシー等が注目されています。
ひとくちにアナフィラキシー(アレルギー反応)といっても原因抗原(アレルゲン)や症状のあらわれ方は様々です。アナフィラキシーは、症状が急激にあらわれることから、即時型(あるいはI型とも呼ばれる)アレルギーに分類されます。日頃、皆さんがよく耳にする花粉症やアレルギー性鼻炎、気管支喘息等も即時型アレルギーに入りますが、アレルギー症状があらわれる部位は、鼻や気管支等、疾患により限定されています。それに対し、アナフィラキシーの場合は全身にアレルギー症状があらわれるのが特徴です。
( ※引用者注 ―― 文意を損なわないよう留意して割愛しています。)
"アレルギー症状" に関する病理現象は、人はそれぞれ固有の体質/事情を抱えているという点を改めて知らしめる。人間社会は、決して "画一的・金太郎飴的" な対応・体制では済まないのだという当たり前の事実なのであるが...... (2013.01.10)
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