砂漠の甲虫がヒントだった、大気から水を集める「超吸水性コットン」!砂漠での灌漑!

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 現在、世界中の各地域で、"砂漠化( 植生に覆われた土地が不毛地―― 植物の生育や農業に適さない土地 ―― になっていく現象 )" が、刻一刻と深刻になっていると言われている。
 原因はさまざまなようだが、降水量の減少や地球温暖化による気温上昇などによって引き起こされているようである。
 そうした状況にあって、"砂漠化" を食いとめる効果的な "灌漑" 技術の開発が急がれている。

 下記引用サイト記事:大気から水を集める「超吸水性コットン」/WIRED/2013.01.23 は、そうした要請に応え得る可能性が大いにありそうだと期待されている。

 この技術が興味深いのは、その開発由来が、水の無い砂漠で生きる、とある "有名な" <甲虫>の構造と習性とをきっかけにしていた点ではないかと思う。

 <この甲虫>は、<年間降水量がわずか1.3cmというナミブ砂漠だけに生息しているが、硬い羽(鞘翅)の表面で、海風から水を集めて生き延びている。鞘翅の表面は微小な凹凸で覆われていて、その頂点部分が水を引きつけ(親水性)、横の部分が水をはじく(疎水性)。海風が吹いてくる方向に向かって羽を広げて湿った空気を受けることにより、最終的には直径15~20ミクロンの小さな水滴が背中に溜まり、口に向かって流れ込む仕組みになっている> というのだ。

 こうした<甲虫>のメカニズムから、<コットンの吸水性を非常に高めるポリマーコーティング>の技術が開発され、<砂漠で霧から水を集めるシステム>の技術開発へと促されたのだと言うから、この<ナミブ砂漠の甲虫>の、その "苦節、何百年何千年!" の苦労が漸く報われたと言ってあげていいのかもしれない......。

 大気から水を集める「超吸水性コットン」/WIRED/2013.01.23

普通のコットンより吸水性が20倍近く高いが、温度が上がると逆に水をはじくようになる、ポリマーコーティングのコットンが開発された。砂漠での灌漑などに利用されそうだ。

 TEXT BY LIAT CLARK
 TRANSLATION BY RYO OGATA,HIROKO GOHARA/GALILEO

 WIRED NEWS (ENGLISH)


ナミブ砂漠に発生した霧。この水分で植物等の生育が可能になっているという。画像はWikimedia Commons

 コットンの吸水性を非常に高めるポリマーコーティングを、ふたりの化学エンジニアが開発した。砂漠で霧から水を集めるシステムや、運動の際に汗がこもらないスポーツウェア、あるいは夜の間に水分を集めるテントなどの開発に使える可能性がある。

 香港理工大学のジョン・シンと、オランダにあるアイントホーフェン工科大学(TU/e)のカタリーナ・エステヴェスは、ナミブ砂漠の甲虫を参考にして、このコーティングを開発した。研究論文は2月の『Advanced Materials』に発表される。

 この甲虫は、2011年にダイソン賞を受賞した「Airdrop」(日本語版記事)や、NBD Nano社の大気から自動的に給水する水筒(日本語版記事)など、大気から水分を収集するいくつかの装置に着想を与えたことで、この数年で有名になった昆虫だ。

 この甲虫は、年間降水量がわずか1.3cmというナミブ砂漠だけに生息しているが、硬い羽(鞘翅)の表面で、海風から水を集めて生き延びている。鞘翅の表面は微小な凹凸で覆われていて、その頂点部分が水を引きつけ(親水性)、横の部分が水をはじく(疎水性)。海風が吹いてくる方向に向かって羽を広げて湿った空気を受けることにより、最終的には直径15~20ミクロンの小さな水滴が背中に溜まり、口に向かって流れ込む仕組みになっている

 ただ、シン氏とエステヴェス氏が開発した技術は風に依存しておらず、温度によって撥水と親水が切り替わるポリNイソプロピルアクリルアミド(PNIPAAm)のコーティングを施すことでそれが実現した。PNIPAAmが最初に作られたのは1950年代。低い温度では吸水性が高く、温度が上がると水和水が脱水和される

 両氏がこれをコットンに適用すると、吸水性が重量の340%に高まった(コーティングなしでは18%)。それが、気温が上がって摂氏34度になると変化が起きて、ポリマーが防水バリアーのような機能をするようになる。コットンが疎水性になり(水をはじき)、吸収されていた水がすべて流れ出るのだ。

 すでに利用されている「霧を収穫する」ポリプロピレンの網目ネットのように、このコットンで水分を吸収する方法も、山岳地帯や砂漠地帯でうまく使える可能性がある。

 ポリマーコーティングのコットンは、周囲で霧が発生しているときに吸水することになるが、海からの霧は気温が低いときに発生することが多く、気温が上がるとすぐに水が流れ出る。これは、1日を通して散発的に作物に水分を与えるのに理想的な性質だ。

 ただし、ナミブ砂漠の気温は気まぐれなところがあり、摂氏50度を超えるような温度がかなり長く続く場合もある。つまり、コットンが水を吸収し発散するのがよくて1日に1回だけというのが長期間続く可能性がある。年間に霧が出るのは約180日だが、その大半を逃してしまうかもしれない。研究者たちは、より低い温度でも疎水性になるポリマーを研究開発しようとしている


 現時点で、地球上の各地域において、"砂漠化" が刻一刻と深刻になっている様子は、<現在の砂漠面積は 37兆3483億5545万2900㎡~>( "1秒につき約1,900平方メートル" という速さで砂漠化が進行!)( 地球温暖化白書 Global warming white paper )という "リアルタイム・カウンター" に目を向けると一目瞭然である...... (2013.01.24)













【 SE Assessment 】 【 プロジェクトα 再挑戦者たち 】








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