今の中国は、"優雅な霧" で山水画的風景が作られるのではなく、有毒な"大気汚染" によって風景が白くかすむのだそうである。
これが、一国内だけで済むのであれば、とやかく言うこともないかも知れぬ。
しかし、眉を顰(しか)めることになるのは、<「越境汚染」>という傍(はた)迷惑な現象を引き起こすからである。
かねてより、中国大陸からの "有難くない贈り物" としては、あの "黄砂" の飛来がある。が、それは "風下" という地理的条件から被る "自然現象" のひとつとして我慢して来たはずだ。
洗濯物の仕上がりに気を遣う主婦たちや、"マイカー" を磨き上げているドライバーたちは不平タラタラであったとしても、まあしょうがないか......、と矛を収めて来たものだ......。
しかし、<「越境汚染」>ばかりは、"風上にも置けない(卑劣な人間をののしって言う語)" のカテゴリーに類する問題だと言っておくべきか。
下記引用サイト記事:中国大気汚染:流入の西日本「物質濃度が急上昇」/毎日新聞/2013.01.31 は、その実態を報じている。
<中国で深刻化する大気汚染が「越境汚染」として西日本に流入した影響で、30〜31日にかけて近畿地方で大気汚染物質「硫酸塩エアロゾル」の濃度が急上昇/ 地上の実測速報値も、環境基準を超す地点があった>
さてさて一体、どうしたものなのであろうか......。
中国大気汚染:流入の西日本「物質濃度が急上昇」/毎日新聞/2013.01.31
中国で深刻化する大気汚染が「越境汚染」として西日本に流入した影響で、30〜31日にかけて近畿地方で大気汚染物質「硫酸塩エアロゾル」の濃度が急上昇したとみられることが、国立環境研究所の分析で分かった。地上の実測速報値も、環境基準を超す地点があった。
硫酸塩エアロゾルは、石炭などの燃焼で発生し、濃度が高くなると、ぜんそくなどの呼吸器疾患を起こす恐れもある。
国環研のシミュレーションでは28日午後以降、大陸から九州地方に流入し、30日夜から31日早朝には、大阪府や奈良県などで微小粒子状物質「PM2.5」が、環境基準(1立方メートル当たり1日平均値35マイクログラム以下)を超すレベルになったことが示された。30日午後6時の地上観測点の実測速報値も阪神地区などで基準を超え、予測結果をほぼ裏付けた。ただ、基準は1日平均値を基に判断するため、基準を超えたとはみなされない。
中国では近年、石炭など化石燃料の大量消費が原因の大気汚染が社会問題化している。国環研は、東アジア地域で大気汚染物質の濃度を推定。風向や風速などの気象データを加えて移動状況をシミュレーションし、公表している。ただ汚染の全てが中国由来ではなく、国内の暖房使用や自動車の排ガスなども影響しているとみられる。
国環研は「濃度上昇の予測結果は、大陸の大気汚染物質が流れ込んだためと解釈できるが、国内の濃度は中国の汚染レベルに比べると格段に低く、健康な大人が気にするレベルではない」と説明している。【江口一】
"近所迷惑" という "世知辛い" 言葉を思わず意識させられるとともに、"中国は隣国" という、言うまでもなく当たり前の事実を再認識させられる...... (2013.02.01)
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