時節柄、税務署に足を運んだ。言うまでもなく "確定申告" のためである。
"情けない数字" を携えての "申告" は、まるで落ちこぼれの小学生が、"通知表" を親に見せる時のような "自己嫌悪感" が伴わざるを得ない......。
しかし、列の後方から聞こえた会社経営者らしき年配者と署員との "やりとり" の声は、さらに気分を沈ませるものであった。
「"解散"したのですが......」「"解散" の手続きはお済ませですか」
といった何とも切ない "やりとり" なのであった。
中小企業経営者にとって、この間の "円安/株高現象" は、まったく "蚊帳の外" の出来事であるに違いなかろう。
大手企業にとっては、この期末前に引き続いた "同現象" は "業績改善もどき" の効果があったのかもしれない。したがって、"春闘回答" でも "色を付ける" といった "お愛想" ができるのかもしれない。
しかし、中小企業にとって "事態は何も変わっていない"、というのが現実なのではなかろうか......。しかも、中小企業の債務返済を猶予してきた "中小企業金融円滑化法" もこの3月末で期限切れを迎える......。
どうなって行くのかが不透明なこの "円安/株高現象" であるが、もし奏功したとしても、確実に立ち上がるのは、"さらなる所得格差" なのかなぁ、という思いが頭を過ぎったりした。
元より、"デフレ" 克服とやらの "物価上昇率2%目標" なぞという "絵に描いた餅" が叶うワケはない、と確信(?)している。下方に層を厚くして広がった低所得階層の生活感に定着してしまった "低価格志向" が、そんなに右から左へと簡単に外れるはずはないと直感するからだ。誰もが望まない "買い控え" 行動が深まるに過ぎない。
そんな懸念に対して、今や "株高現象" では双子のように共通性を持つ米国社会で、<米国の中・低所得層が支出抑制、株高の裏で消費二極化> という<所得格差> の強まりを危惧する記事が目に留まった。
下記引用サイト記事:米国の中・低所得層が支出抑制、株高の裏で消費二極化/REUTERS/2013.03.13 が、ひとつの世論調査結果を報じている。
<米国ではダウ平均株価が最高値を更新/ 中・低所得層の間ではガソリン高や給与税増税を受けて消費を抑える動き/ 3分の2の回答者が月々の支出を減らしていると回答/ 支出を減らす理由は、72%が貯蓄・債務返済、63%がガソリン高/ 別の世論調査では、富裕層の消費心理が改善していることを示す結果も出ており、消費の二極化で所得格差への懸念が強まる可能性>
今や、共通性を深めている米国社会で起きていることは、日本でもさほどの間を置かずに起こると想定できそうではないか......。
米国の中・低所得層が支出抑制、株高の裏で消費二極化/REUTERS/2013.03.13
[12日 ロイター] 米国ではダウ平均株価が最高値を更新し、失業率も4年ぶりの水準に低下したが、中・低所得層の間ではガソリン高や給与税増税を受けて消費を抑える動きが出ている。
ロイター・イプソスが3月4─8日に1538人を対象に実施した世論調査によると、3分の2の回答者が月々の支出を減らしていると回答。残りの3分の1は、ほぼすべての回答者が支出に変化はないと答えた。
支出を減らす理由については、72%が貯蓄・債務返済、63%がガソリン高と答えた。
ガソリン価格や増税を理由に支出を減らした回答者のうち、81%は外食費を削ったと回答。73%は映画やコンサートなどの娯楽費、62%は旅行費を減らしたと回答した。
別の世論調査では、富裕層の消費心理が改善していることを示す結果も出ており、消費の二極化で所得格差への懸念が強まる可能性もある。
日米経済の回復への道が、結局は、"所得格差の拡大" へとつながりかねない点には警戒を要する。だが、日本の場合は、中・低所得層の消費抑制の強まりが、"デフレ克服" を目指す経済への逆効果となって現れるのではないかという点が、先ずは大いに懸念される...... (2013.03.14)
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