アベノミクスが強いる"高齢者の痛み"!高齢者資産の流動化=財政国債危機に火が点く!?

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 今のところ、アベノミクス"外部環境"に基づく "円安" 現象 [注]によって、日本経済再生への "特効薬(?)" であるかのような受けとめ方がなされているのかもしれない。
 反面、"偽薬/プラセボ" (プラシーボまたはプラジボ)的役割を果たしているに過ぎないというクールな見方もあるが......。

 [注]<2012年11月半ばから日本円が下落しはじめ、同時に日本株は上昇に転じました。これは、アベノミクスが功を奏したわけではなくて、主に海外の要因とアベノミクスへの「期待」によるものであるということ......>( 小宮一慶「イタリア総選挙で揺れる欧州経済、財政の崖が足かせとなる米国経済」/日経Bizアカデミー/2013.03.15

 しかし、"外部環境" がどう変化して行くのかは措(お)くとして、"金融緩和/大規模財政出動" を最大の特徴とするアベノミクスが必然的に引き起こすであろう "リスク" には、やはり警戒しておくのが順当かと思われる。
 それは、"年金や貯金" に依存せざるを得ない "高齢者" の痛みへの転嫁であり、さらに、この点を引き金とした "日本国債" の不安定化(追加的国債発行の困難化、国債売却......)という点についてなのである。
 この後者の点こそは、ただでさえ国が "巨額な借金" を抱え、現在のところはかろうじて安定しているとされる "国債" の現状に目を向ければ "身が凍る" ような "リスク" ではなかろうか。

 下記引用サイト記事:アングル:「アベノミクス」が強いる高齢者の痛み/REUTERS/2013.03.15 は、この "リスク" について単刀直入に言及している。
 その要点に着目すると次のようになろうか。

 <日本国債の約9割は国内貯蓄でまかなわれているが、その多くは直接的もしくは間接的に高齢者の貯蓄によるもの/ 戦後日本の高度経済成長を支えてきた高齢者が今、そのアベノミクスから痛みを強いられようとしている/ インフレを起こしてそれを逆回転させようとしているアベノミクスは、比喩的にも実質的にも高齢者に重い負担をかけようとしている/ アベノミクスによって消費や税収がどれほど伸びるか予測するのは極めて難しい/ その一方で、インフレは高齢者の購買力を落とし、引退に備えた貯金の切り崩しは増える/ 将来的にお年寄りは貯金を崩していく。その観点から追加的な国債の発行が難しくなる/ 高齢者が持つ700兆円を超える資産の流動化が始まれば、アベノミクスが効果を発揮する前に財政危機に火が点くことになりかねない

 この筆者は、要するにアベノミクスとは、経済現象の "好循環" を目指しつつも、結局は、<安倍政権のギャンブル>だとの見立てをしている。
 従来の "財政出動と金融緩和" 政策による効果が "いつも一時的だった" ことからすれば、大きな "リスク" を前にしたギャンブルにしか見えないというわけなのであろう......。

 アングル: 「アベノミクス」が強いる高齢者の痛み/REUTERS/2013.03.15

 [東京 13日 ロイター] 安倍晋三首相は、内閣の任命を経て20日に誕生する黒田東彦次期日銀総裁とともに、デフレ脱却と成長復活に向けた経済政策「アベノミクス」を今後さらに加速させていく。一方、戦後日本の高度経済成長を支えてきた高齢者が今、そのアベノミクスから痛みを強いられようとしている

 アベノミクスはまさに今の日本経済が必要としていることかもしれないが、それは日本を輸出主導型の経済大国へと押し上げ、貯金や年金での生活に向けて準備していた高齢者の負担の上で成り立つとも言えるからだ。

 都内で今川焼屋を半世紀にわたって営む70代の夫婦は、ロイターの取材に「引退後に備えて貯金を殖やそうとしているが、簡単ではない。将来どうなるか分からない」とため息まじりに語った。

 バブル経済が崩壊してからの20年間、日本経済は停滞が続いていたが、緩やかなデフレによって高齢者の購買力も緩やかに右肩上がりが続いてきた。インフレを起こしてそれを逆回転させようとしているアベノミクスは、成長に向けた財源を捻出するため、比喩的にも実質的にも高齢者に重い負担をかけようとしている

 ただ、インフレ上昇や増税の見通しで高齢者が持つ700兆円を超える資産の流動化が始まれば、アベノミクスが効果を発揮する前に財政危機に火が点くことになりかねないと一部のアナリストやエコノミストは警戒する。

 ニッセイ基礎研究所チーフエコノミストの櫨浩一氏は「将来的にお年寄りは貯金を崩していく。その観点から追加的な国債の発行が難しくなる」と指摘する。

 東京五輪が開催された1964年以降の四半世紀で、...... 金融緩和や大規模な財政出動など、...... 一連の政策だった。......
 しかし、1960年代に比べ、日本社会は大幅に高齢化し、国は巨額の借金を抱えている。日本の公的債務残高は、対GDP比2倍以上と世界最高水準に膨らんでいる

 ニッセイ基礎研究所の櫨氏は「財政出動と金融緩和は今まで何回かやってきたが、その効果はいつも一時的だった」とし、「今回の刺激策が恐らく最後になるだろう。公的債務は大き過ぎであり、社会は高齢化が進んでいるからだ」と語る。

 日本国債の約9割は国内貯蓄でまかなわれているが、その多くは直接的もしくは間接的に高齢者の貯蓄によるものだ。日本の60歳以上は人口の約25%だが、日銀統計によると、家計金融純資産1156兆円の約60%は彼ら高齢者が保有する。

 そして、高齢者が人口に占める比率は高まるばかりだ。日本政府によれば、2035年までに全人口の30%が65歳以上になるという。

 高齢者の金融資産の大部分は銀行預金という形で保有されており、金融機関は低成長やローン需要の停滞により、こうした預金の多くを国債に投資する。同じことは、安全性を重視する年金基金や生命保険にも当てはまる

 安倍政権のギャンブルは、インフレ期待が高齢者やその家族の消費拡大を誘発し、国内需要が増大して雇用と所得が伸びるという好循環をもたらし、結果的に税収が伸びて借金を減らすというものだ。

 エコノミストらは、アベノミクスによって消費や税収がどれほど伸びるか予測するのは極めて難しいと指摘する。その一方で、インフレは高齢者の購買力を落とし、引退に備えた貯金の切り崩しは増えることになるだろう。......

 アベノミクス支持派は、消費拡大こそが日本には必要だと主張する。一方、アベノミクスに懐疑的な論客は、政府は高齢者の虎の子の資産をインフレから守ろうとしないなら、彼らの消費拡大をあてにすべきではないと反論する。

 投資助言会社フジマキ・ジャパンの藤巻健史氏(62)は「古い人間」はハイパーインフレが起きて、築き上げた資産が消えることを考えると語る。藤巻氏は顧客に対し、インフレに備えて資産を外債や外国通貨に移すよう助言している。

 30年債利回りは足元で2010年半ばの水準にまで低下している。その理由の1つには、「高齢者貯蓄」が国債を売り始めたとしても、日銀の買い入れがそれを吸収すると投資家が考えていることがあるかもしれない。ただ一部には、投資家がアベノミクスの失敗を見込んでいることもその背景にあると指摘する声もある。

( ※引用者注 ―― 文意を損なわないよう留意して割愛しています。)

 すでに "ユーロ危機" における "国家財政破綻" に伴う凄まじい現実を知らされているわれわれであるだけに、そうした "リスク" を加速させる可能性まで秘めた<安倍政権のギャンブル>に対して、"警戒心" を解くことができない...... (2013.03.17)













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