"EU" による "キプロス金融支援" は、双方が歩み寄り "基本合意" に達したという。とりあえず、<キプロスは破綻を回避し、ユーロ圏にとどまりながら経済の再生を目指す方向に大きく前進した>(下記引用サイト記事:キプロス金融支援で基本合意 ユーロ圏財務相が承認/日本経済新聞/2013.03.25 )のだそうだ。
"ユーロ危機" の特徴は、"新たな対応が、次の新たな火種となる......" という "連鎖性" にあるらしいので、今後の行方に余談を許さないと言うべきか。
それにしても、地中海の小さな島国であるキプロスが、今回は世界金融を揺さぶった観が無きにしもあらず。まさに、「大山鳴動」の観であった。そして結果ではないが、原因は「鼠一匹」であったから不可解そのものである。
逆に言えば、だからこそ "ユーロ危機" の根は深いとも言えそうだ。まさに、<「ネズミ一匹」キプロスがあぶり出した欧州の病根>( 「ネズミ一匹」キプロスがあぶり出した欧州の病根 編集委員・滝田洋一/日本経済新聞/2013.03.25 )という見方が成り立ちそうだ。
当面の危機は回避されたものの、もちろん目標は<経済の再生>なのであり、その点での不透明さは未知数のままだ。
また、キプロスには、次のような "固有の問題" が潜んでいるとも言われている。
<欧州連合(EU)はキプロス支援の条件に預金課税を求めており、これが実施されればロシアの個人や企業にとって大きな痛手だ。キプロスの銀行預金総額約700億ユーロのうち半分弱は非居住者の預金で、その大半はロシア人が占めるとみられているからだ。>( 参照 コラム:キプロス支援をめぐるロシアの危険な賭け/REUTERS/2013.03.24 )
何やら、キプロスは、ロシアのひとつの "戦略的拠点(?)" でもあるかのようで、ここにもまた "火種" を無しとはしない文脈がありそうだ......。
キプロス金融支援で基本合意 ユーロ圏財務相が承認/日本経済新聞/2013.03.25
【ブリュッセル=御調昌邦】ユーロ圏は25日未明、財政危機下にある地中海の島国キプロスとの間で金融支援の条件について基本合意した。欧州連合(EU)のファンロンパイ大統領らがブリュッセルを訪問中のキプロスのアナスタシアディス大統領と断続的に協議し、合意に達した。これを受け、ユーロ圏各国は財務相会合を開き、キプロス支援策を承認した。
基本合意の具体的な内容はなお不明だが、キプロスは破綻を回避し、ユーロ圏にとどまりながら経済の再生を目指す方向に大きく前進した。
キプロスは銀行部門の弱体化や財政悪化を受け、ユーロ圏に金融支援を申請。ユーロ圏は最大100億ユーロ(約1兆2000億円)の金融支援を実施する条件として、キプロスが58億ユーロの資金を自力で確保することを求めていた。
ユーロ圏や国際通貨基金(IMF)は、キプロスの過大な銀行部門を縮小するため、二大銀行の閉鎖を含む銀行部門の大胆な整理を求めたのに対し、キプロス側が強く抵抗した。一部報道によると、キプロスのアナスタシアディス大統領はユーロ圏やIMFからの厳しい条件提示に「私を辞任させたいのか」と訴えたという。
最終的には、キプロス銀行については高額預金者などに対し大幅な負担を負わせることで折り合ったもようだ。一部報道によると、10万ユーロを超える高額預金に対しては最大40%カットされる可能性があるという。10万ユーロ以下の預金は全額保護される見通し。
第2位のキプロス・ポピュラー(ライキ)銀行は健全な銀行と不良債権を集めた「バッドバンク」に分離する方針。この際、10万ユーロを超える預金には大幅な負担を課す。健全な銀行は、最大手のキプロス銀行が吸収するとみられる。
キプロス問題をめぐっては当初、支援条件としてすべての預金者に課税する方針が打ち出されたが、キプロス議会が預金課税法案を否決。キプロス政府は支援獲得のため、預金課税に代わる資金確保策を見つける必要が出ていた。最終的には少額預金は保護され、高額預金に対し大幅なカットを求めることで決着する方向となった。
いいのか悪いのか、こうした「つかの間」の安心感(?)に寄りすがり、"楽観ムード" 一色で株式/為替市場は歓迎の様相を呈している...... (2013.03.26)
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