最近、「買うなら今でしょ!」とか、「いつ買うか? 今でしょ!」( CM )といった "扇情的なセリフ" が耳触りでならない......。
どうも、とある予備校の CM で、某カリスマ予備校講師が、「いつやるか?今でしょ!」というセリフを捲し立てたことがきっかけとなっているらしい。
それはともかく、しばらく続いている "円安/株高" 現象にも、とかくありがちな "イベント(?)" が訪れるのではなかろうか......。
ここまでの現象の "仕掛人" であった "外国人投資家" に引き寄せられて、"お客さん"(国内個人投資家)が賑わい始めたところで、彼らは "後は任せます!" とばかりに "売り抜け!" を図るという意味だ。
確たる予兆を掴んだわけではない。だが、過去の市場の一般的推移を振り返るならば、あっても何らおかしくない推測であろう。不穏な "リスクオフ" の火種は、今の国際社会には多数埋め込まれてもいるからだ。
しかも、それが訪れるとすれば "じり貧" 推移なんぞではなく、"せ~の" で始まる "暴落" 以外ではないのかも......。いや、段階的な "肩代り" も無くはなかろうが......。
多分、現時点での問題は、"お客さん"(国内個人投資家)の "賑わい" 具合ではないのかと思える。その意味で、今しばらくは、"客寄せ" 興行が続くのかもしれない......。
そんな文脈から、「買うなら今でしょ!」というセリフに通じる "株市場への誘い" が活発なのだと見える。
なお、下記引用サイト記事:株高の誘惑 「いま絶好の買い場」は売り手の論理 経済ジャーナリスト・西野武彦/日本経済新聞/2013.03.27 では、次のような点を強調している。
<外国人投資家の大幅な買い越しが今後も続くのであれば、日経平均が1万5000円まで値上がりする可能性もゼロとはいえません。一方で外国人が大幅な売り越しに転じれば、日経平均が再び1万円を割り込む可能性も強まってきます。外国人がいつ売りに転じるかは誰にも分かりません。>
<「個人投資家が大挙して株式市場に押し寄せてきたら、相場は天井」と昔はよくいわれていたものですが、その光景が復活したかのようです。押し寄せている人の多くは、株式投資経験の少ない人たち>
<証券会社にとって、いまの相場は「投資家に株を買ってもらう絶好のチャンス」であることは間違いない事実>
<証券会社の営業担当者にいつ株を買えばいいかと聞けば、たいていの場合「いまが絶好の買い場」と答えるはずです。投資家が株を売買してくれないと、証券会社は商売にならないから/ 証券会社の強気は「売りたい強気」/ 営業担当者は株を売るために強気の発言をせざるを得ない>
<株式投資の経験がほとんどない投資家は、証券マンの強気の相場観をうのみにする恐れがあります。株価が大きく上昇した後の証券マンの強気は、相当に割り引いて聞いておいた方がいいでしょう。>
これらは、"株取引" に関する基本的事項以外ではないと思われるが、<株式投資経験の少ない人たち>は、十分に留意して怪我のないように "虎の子" を守るべきだろう......。
株高の誘惑 「いま絶好の買い場」は売り手の論理 経済ジャーナリスト・西野武彦/日本経済新聞/2013.03.27
最近は株高を反映し、投資セミナーが盛況のようです。ある複数の証券会社が開催したセミナーに4000人を超える投資家が詰めかけ、講師の話を熱心に聞いていたとテレビが伝えていました。......
証券会社からは「いまが絶好の買い場」という強気の声が出ていました。はたして本当にそう思っているのだろうか、という疑問を私は抱きました。
日経平均株価は昨年秋の8500円前後から足元の1万2500円前後まで約4000円、率にして5割近くも値上がりしています。また相場が本格上昇する前の昨年10月15日と今年3月22日の各種指標を比べてみると、東証1部の平均PER(株価収益率)は12.14倍から21.89倍に、同平均PBR(株価純資産倍率)は0.89倍から1.27倍に、配当利回りは2.37%から1.72%になっています。
こうした株価水準や指標を見る限り、日本株には昨年秋の割安感が薄れ、かなり割高感が強まっています。
もちろん、株式相場には行きすぎがつきものですから、株価予想(あるいは理論株価)以上に大きく値上がりすることもあれば、大きく値下がりすることもあります。外国人投資家の大幅な買い越しが今後も続くのであれば、日経平均が1万5000円まで値上がりする可能性もゼロとはいえません。一方で外国人が大幅な売り越しに転じれば、日経平均が再び1万円を割り込む可能性も強まってきます。
外国人がいつ売りに転じるかは誰にも分かりません。したがって「いまが絶好の買い場」といって証券会社の社員が投資家に株式投資を勧めるのは、「いま株を買えば絶対にもうかります」という言葉同様、金融証券取引法で禁止されている「(不確実な事項について)断定的な判断の提供」に該当しかねないのではないかと懸念しています。
証券会社にとって、いまの相場は「投資家に株を買ってもらう絶好のチャンス」であることは間違いない事実でしょう。株価が上昇すればするほど、投資家は「株を持たないリスク」を強く意識し、焦りを感じるようになるからです。それを最も強く感じるのが投資経験の少ない、初心者に近い投資家です。......
「個人投資家が大挙して株式市場に押し寄せてきたら、相場は天井」と昔はよくいわれていたものですが、その光景が復活したかのようです。押し寄せている人の多くは、株式投資経験の少ない人たちでしょう。ある程度の投資経験者なら、証券会社が主催するセミナーに出席しようという気にはなかなかならないからです。
「証券会社のレポートは読みません。理髪店へ行って『散髪した方がいいかな』と聞くようなものだからです」――。米国の著名投資家であるウォーレン・バフェット氏が残した名言です。証券会社の営業担当者にいつ株を買えばいいかと聞けば、たいていの場合「いまが絶好の買い場」と答えるはずです。投資家が株を売買してくれないと、証券会社は商売にならないからです。
そういう証券会社の強気は「売りたい強気」と呼ばれています。弱気を言っていたのでは投資家が株を買ってくれないので、営業担当者は株を売るために強気の発言をせざるを得ないというわけです。
昔、大手証券系の経済研究所の幹部に取材したとき、こんな話を聞いたことがあります。「証券会社で弱気なことをいうのはバカだ。証券マンが強気をいって外れても誰からも非難されないが、弱気をいって外れると馬鹿にされるだけでなく、さんざん非難されるのだから......」と。
ある程度の経験を積んだ投資家であれば、そういうことはよく知っているので実害は出ないでしょうが、株式投資の経験がほとんどない投資家は、証券マンの強気の相場観をうのみにする恐れがあります。
株価が大きく上昇した後の証券マンの強気は、相当に割り引いて聞いておいた方がいいでしょう。
( ※引用者注 ―― 文意を損なわないよう留意して割愛しています。)
冒頭のような"扇情的なセリフ" が罷り通る環境では、それらにたぶらかされずに、きちんと "解毒" してしまう "免疫力" の発揮が必須となる...... (2013.03.30)
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