下記引用サイト記事【 引用記事 1 】:貿易赤字、過去最大の8兆円=輸出不振、円安も影響-昨年度/時事ドットコム/2013.04.18 によれば、2012年度の "貿易収支" は、
<輸出から輸入を差し引いた貿易収支は8兆1699億円の赤/ 赤字額は、11年度の4兆4220億円を大幅に上回り、現行の統計が始まった1979年以降で最大を記録> だったという。
原因は、"輸出" が<海外経済の減速に加え、沖縄県・尖閣諸島をめぐる問題で日中関係が悪化したことが響き2.1%減と不振>だったこと、そして、"輸入" が、<原発の稼働停止に伴う火力発電用の液化天然ガス(LNG)の輸入が高止まり/ 「アベノミクス」で円安が進んだため、輸入品の価格全体が押し上げられたこと> だったと解釈されている。
しかし、<中長期的には貿易赤字は定着し、むしろ拡大していくのではないかという声がエコノミストなどの間では、高まっています>( 時論公論「日本 貿易赤字国に転落」/NHK/2012.01.25 )とも予測されている。決して楽観できない事態なのである。
"円安/株高" 傾向に浮かれてばかりはいられない局面がここにも浮上しているわけだ......。
では、どうすれば良いのか? その回答に値するのが、下記引用サイト記事【 引用記事 2 】:時論公論「日本 貿易赤字国に転落」/NHK/2012.01.25 ではないかと思われる。以下のような点が指摘されている。
<力のある製造業は、技術やアイディアに磨きをかけて、高くても売れる製品を国内で開発し、つくり続けること>
<海外に積極的に進出する。そして、そこで、利益を増やして、日本に戻し、国内の研究開発への投資を増やしたり、本社機能を拡大したりする。そういう循環をつくること>
<その上で、内需型の新たな産業を育成することも欠かせません。介護や医療、農業、そして、再生可能エネルギーなどの分野で、きちんと生活していける賃金を得られる、そういう「稼ぐ力」のある新たな産業の育成を急いぐこと>
こうした課題を念頭に置いた経済政策こそが望まれるわけであろう......。
【 引用記事 1 】
貿易赤字、過去最大の8兆円=輸出不振、円安も影響-昨年度/時事ドットコム/2013.04.18
財務省が18日発表した2012年度の貿易統計速報(通関ベース)によると、輸出から輸入を差し引いた貿易収支は8兆1699億円の赤だった。赤字額は、11年度の4兆4220億円を大幅に上回り、現行の統計が始まった1979年以降で最大を記録。2年連続の最大更新となった。
原発の稼働停止に伴う火力発電用の液化天然ガス(LNG)の輸入が高止まりしている。さらに安倍政権の経済政策「アベノミクス」で円安が進んだため、輸入品の価格全体が押し上げられたことも影響し、輸入総額は前年度比3.4%増となった。一方、輸出は海外経済の減速に加え、沖縄県・尖閣諸島をめぐる問題で日中関係が悪化したことが響き2.1%減と不振だった。
【 引用記事 2 】( 抜粋 )
時論公論「日本 貿易赤字国に転落」/NHK/2012.01.25
......
【 貿易赤字定着の意味 】
資源のない日本は、長い間、原材料を輸入して、高い技術力で付加価値の高い製品に加工する。そして、それを輸出して、外貨を稼いで、生活に必要なエネルギーや食料を輸入する。こうした貿易モデルで高い成長を遂げ、生活を豊かにしてきました。
それが、貿易赤字になったことで、輸入ができなくなってしまうのか ...... というと、すぐに、そういう心配をする必要はありません。というのも、日本全体でみると、貿易収支のほかに、「所得収支」という別の収入があるからです。これは、日本が海外で稼いでいるおカネで、企業の海外進出に伴って、足もと、この所得収支の黒字は、10兆円を超える水準に達しています。それで、当面は、貿易赤字を補い、エネルギーや食料を輸入することができるからです。
【 なんで稼ぐのか? 】それより、今、心配なのは、今後、日本が、何で稼ぎ、国内の雇用を支えるかという点です。
こちらは、製造業の雇用の推移です。すでに、92年のピークと比べると、およそ400万人減っています。このまま輸出企業の力が弱まっていくと、雇用の減少は、さらに加速することになりかねません。
【 課題 】では、どうすればいいのでしょうか。
▼ まず、力のある製造業は、技術やアイディアに磨きをかけて、高くても売れる製品を国内で開発し、つくりつづけてほしい。ものづくり日本の土台を、ぜひ、守り続けて欲しいと、強く思います。
▼ ただ、新興国の企業と価格競争になる製品を、国内でつくり続けたとしても、コストを減らすために、雇用も賃金も、減ることになりかねません。
そういう場合、むしろ、円高を利用して、海外に積極的に進出する。そして、そこで、利益を増やして、日本に戻し、国内の研究開発への投資を増やしたり、本社機能を拡大したりする。そういう循環をつくることができれば、ある程度、雇用を守ることができるのではないでしょうか。賃金を増やすこともできるはずです。▼ その上で、内需型の新たな産業を育成することも欠かせません。介護や医療、農業、そして、再生可能エネルギーなどの分野で、きちんと生活していける賃金を得られる、そういう「稼ぐ力」のある新たな産業の育成を急いでほしいと思います。そこで雇用の場をつくり、製造業から、そちらに橋渡ししていくことも大切です。
【 まとめ 】
高齢化が進む中、このままでは日本経済は活力を失う一方です。豊かな生活を守るためにも、貿易赤字に転落した事態を重く受け止め、政府も企業も対応を急いでほしいと思います。 (今井純子 解説委員)
( ※引用者注 ―― 文意を損なわないよう留意して割愛しています。)
上記の【 引用記事 2 】は、昨年1月の記事ではあっても、その叙述は何ら色褪せてはいない。<高齢化が進む中、このままでは日本経済は活力を失う一方です> との指摘を、政府も企業も肝に銘じてほしいものである...... (2013.04.19)
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