"1ドル=110円台" まで......、という声( 政府高官発言 )もあるようだ。
<政府高官は10日夜、東京外国為替市場で円相場が一時1ドル=101円台になったことについて「まだ円安ではない」と述べた。円安が進む水準に関して「(2008年8月に110円台になった)リーマン・ショック前くらい」との見通しも示した。......>( 政府高官、101円台「まだ円安ではない」/日本経済新聞/2013.05.10 )
ただし、下記引用サイト記事:コラム:今後見込めない「一方的な円安」/REUTERS/2013.05.10 のような "論調" が現れること自体、"警戒色" が漂い始めたと読めそうか......。
下記コラムでは、<今後の円安進行を阻む要因> として、以下の諸点を挙げている。
(1) <まず、警戒すべきはアグレッシブな金融緩和/ どの程度円安が進むかは、FRBの次の動きにかかっている。FRBが、雇用低迷とディスインフレを理由に量的緩和を拡大すれば、ドルは下落する可能性がある>( ドルの下落動向! )
(2) <エネルギーの輸入依存度が高まっている点>( "円安"輸入デメリット! )
(3) <通貨外交の問題もある>( 日本が通貨戦争を仕掛けたとの批判! )
(4) <周辺諸国への影響もある>( 投機的な円キャリー取引を招く )
ただし、この間の "円安" 進行が、日本における "金融量的緩和" 策のみで導かれたわけではなかろう点を踏まえると、実際のところ "為替市場" がどこまで突き進むのかは定かではないのかもしれない。そうした "制御不能" 状態の方がむしろ不気味だと言うべきか......。
コラム: 今後見込めない 「一方的な円安」/REUTERS/2013.05.10
By Andy Mukherjee
[シンガポール 10日 ロイター BREAKINGVIEWS] 円相場が4年ぶりに1ドル=100円台に突入したが、今後、一方的な円安は見込めないだろう。
円は、昨年12月の衆院選で自民党が大勝して以降、16%下落したことになる。当時、Breakingviewsは、安倍政権の誕生で1ドル=100円まで円安が進む可能性があると指摘していた。ただ、今後の円安進行を阻む要因は複数ある。
まず、警戒すべきはアグレッシブな金融緩和だ。半年前までは、米連邦準備理事会(FRB)が世界で最も大胆な金融緩和政策を実施していたが、衆院選で状況は変わった。安倍氏は選挙戦で日銀を批判、2%のインフレ目標導入を公約に掲げた。日銀の黒田総裁は4月4日、マネタリーベースを2年間で2倍にすると表明した。
円の供給拡大は円の下落を意味するが、どの程度円安が進むかは、FRBの次の動きにかかっている。FRBが、雇用低迷とディスインフレを理由に量的緩和を拡大すれば、ドルは下落する可能性がある。また、ユーロ圏の債務危機が悪化した場合、安全資産としての円の魅力が再び高まる可能性もある。
福島原発事故をきっかけに、エネルギーの輸入依存度が高まっている点も見逃せない。円安で輸出が回復しても、エネルギー価格の急騰で個人消費が低迷する事態は政府として避けたいだろう。
通貨外交の問題もある。米国はこれまでのところアベノミクスを静観している。20カ国・地域(G20)も、日銀の積極緩和への批判を控えている。しかし、例えば円があと20%下落すれば、日本が通貨戦争を仕掛けたとの批判に反論するのは難しくなる。安倍政権は日米の通商関係強化を望んでおり、そうした事態は避けたいはずだ。
最後に、周辺諸国への影響もある。1990年代半ばの急激な円安は、投機的な円キャリー取引を招き、東南アジアに信用バブルの発生と崩壊をもたらした。アベノミクスの狙いは日本経済の回復であり、安倍首相は、次のアジア金融危機の原因をつくった男と思われたくないはずだ。......
( ※引用者注 ―― 文意を損なわないよう留意して割愛しています。)
前述の<今後の円安進行を阻む要因> の(1) ~ (4) は、いずれもリアリティとシビァさのある問題ばかりだ。"円安進行を阻む" ことになるのかどうかは別にしても、これらの "リアクション" からは目が離せない...... (2013.05.12)
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