"円安/株高" の勢いが続いている。
10日~11日のロンドン郊外での主要7カ国(G7)財務相・中央銀行総裁会議では、円安に対して目立った批判が出なかったということもあり、"円安" の歩調は弱まることがなさそうな気配。
世界的な "金融緩和" 態勢ゆえの "無風状態" なのであろうか。まして、米国は "金融緩和" に関しては "一二歩先行く" 先行者でもあるだけに、大局的には "黙認" の姿勢ということか。
ただし、米国の "足元" では、"円安100円突破で苛立つ!" 勢力もあるという。
本格的な復活途上にあるとされる米ゼネラル・モーターズ(GM)など米自動車大手3社だ。
ここまでの "円安" 推移に至るプロセスでも、すでに以下のような観測がなされていた。
<米ゼネラル・モーターズ(GM)など米自動車大手3社が本格的な復活を前に、日本車メーカーと激突する様相を強めている。米国市場では、日本勢が円安を追い風に攻勢を強めているため、日本の環太平洋経済連携協定(TPP)参加に反対し、米国への輸出増を食い止めたい考えだ。米国勢が新車攻勢をかける中国や、ロシアなど「ポスト中国」の新興市場でも、日本勢が立ちはだかっている。......
米国勢は、米政界へのロビー活動を通じた守備固めにも余念がない。日本のTPP交渉参加に反対しているほか、安倍晋三政権が人為的に円安に誘導しているとも批判。米自動車団体を通じ「日本市場は閉鎖的」と主張している。
狙いは、円安傾向で輸出採算が改善している日本車に対し、関税という「防波堤」を守ることにある。米国は乗用車で2.5%、トラックで25%の関税を課している。......>( 米自動車復活に日本勢の壁 円安、北米で競争激化/日本経済新聞/2013.02.21 )
こうした文脈の延長線上に、下記引用サイト記事:米自動車大手が円安めぐり議会に対応要求、ドルが100円突破で/REUTERS/2013.05.10 が報じる現在状況があるということになる。
<「米議員がもう限界だと声を上げる時が来た」/ 「円安を目指した日本の金融政策は、特に米国など貿易相手国を犠牲にして、引き続き日本の景気を押し上げ、輸出を拡大している」/ 円安が進むごとに「米国で輸出の減少と雇用の喪失につながり、TPPに日本を含めるべきでないという議論のさらなる理由になる」> として、
<米自動車大手3社(ビッグスリー)で構成する米自動車政策会議(AAPC)が議会に対応策を講じるよう求めた> という現状である......。
米自動車大手が円安めぐり議会に対応要求、ドルが100円突破で/REUTERS/2013.05.10
[ワシントン 9日 ロイター] ドルが対円で100円の大台を突破し、4年強ぶり高値を付けたことを受け、米自動車大手3社(ビッグスリー)で構成する米自動車政策会議(AAPC)が議会に対応策を講じるよう求めた。
円安は輸出に打撃となり、環太平洋経済連携協定(TPP)から日本を除外することの根拠になり得るとしている。
マット・ブラント会長は9日に声明で「米議員がもう限界だと声を上げる時が来た」とコメント。AAPCは日本の拡張的な金融政策を通じた経済再生の取り組みを、輸出拡大のための通貨の意図的な引き下げだとみている。
会長は「円安を目指した日本の金融政策は、特に米国など貿易相手国を犠牲にして、引き続き日本の景気を押し上げ、輸出を拡大している」と指摘。円安が進むごとに「米国で輸出の減少と雇用の喪失につながり、TPPに日本を含めるべきでないという議論のさらなる理由になる」と付け加えた。
現在の "円安" を奏功させている "拡張的な金融政策" が、"デフレ脱却、経済再生の取り組み" であるのか、あるいは "輸出拡大のための通貨の意図的な引き下げ" であるのかをめぐる国際世論の動向は、今後、さまざまなかたちで激化の様相を深めていくことになりそうだ...... (2013.05.14)
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