アベノミクス株高は実体経済に繋がるか?"国内市場縮小/生産海外移転"の構造的変化!

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 再三、目を向けているところだが、"アベノミクス" の成果だとされる "円安/株高" を、それだけを切り離して称賛するのは、いかにも "近視眼" であろう。
 目を向けるべきは、本命の "ターゲット" である "実体経済の好循環" 以外ではなく、"デフレ脱却"("物価上昇")にしてからがそのための前提づくりのはず。

 すでに先日も目を向けたとおり、"物価上昇" 自体が懸念なしとはしない見通しのようである。

 ◆ 参照 "株価上昇"と"実体経済拡大"のギャップが問題視!物価上昇せず?!消費増税延期論まで!( 当誌 2013.05.04 )

 そして、現状の "実体経済" そのものに視点を移すならば、"期待期待" で埋め尽くされている風潮の中で、必ずしも "メインプレーヤー" たる "企業経営者たちの読み" は決して浮かれてはいないようだ。
 今の日本経済が抱える "実体経済" の "構造的問題"、結論的に言えば、「国内市場の縮小」と「生産の多くを国内から移転させた構造的な変化」という一筋縄では解消できない問題を、"企業経営者たち" は見据えており、だからこそ、"設備投資に慎重!" な姿勢を維持し続けている。
 したがって、"アベノミクス" への称賛は、これらの現状が氷解されるところまで "棚上げすべし" と言いたいのが実感か......。

 下記引用サイト記事:アングル:設備投資に慎重な日本企業、収益改善も実需の手応え乏しく/REUTERS/2013.05.02 では、 "14年3月期" 決算にあたっての "企業経営者たちの読み" がリアルに紹介されている。
 これらは、"期待マインド" 云々という捉え所のない事実よりもはるかに重視されてよい事実ではないかと思われる。

 <人口減で需要拡大が見込めない国内での能力増強は難しく「現状のレベルを維持していくのが精一杯」/ 「需要があるところで生産するのが基本的な考え方」/ 海外シフトの流れは変わらない/ 「円安であっても同業メーカーの生産場所がコストの安い海外であれば、競争するために当社も海外生産比率を上げていく必要がある」/ 「われわれはすでにグローバル企業。円高だから海外に出て、円安になったら戻ってくるということはない」

 要するに、

 <日本市場の縮小> と<すでに生産の多くを国内から移転させた構造的な変化> という "構造的問題" によって、主要業界の生産が、<国内回帰は見込めず> と言うことのようだ。

 これらの "難問" によって、国内での "雇用拡大" や "所得上昇" が困難であり続ける事態は容易に推定されるのではなかろうか......。

 アングル: 設備投資に慎重な日本企業、収益改善も実需の手応え乏しく/REUTERS/2013.05.02

[東京 2日 ロイター] 昨年終盤からの円安が日本企業の収益を押し上げているが、各業界とも国内の設備投資に対する慎重姿勢は変えていない輸出採算は改善しているものの海外需要が軟調で数量は伸びず、国内需要にも本格的な回復はみられない

 アベノミクスのプラス効果を実需面で「実感できる段階に至っていない」(JFEホールディングスの岡田伸一副社長)。為替感応度が高く収益好調な自動車業界からは、人口減で需要拡大が見込めない国内で「生産能力を増やすのは難しい」(三菱自動車工業の益子修社長)と、日本市場の構造的な問題を指摘する声も聞かれる。

<アベノミクス、実態経済につながるか

 野村証券の松浦寿雄ストラテジストによると、14年3月期は全19業種中13業種で円安が業績を押し上げる。......

 しかし企業の経営陣は実需の見通しや投資にいまだ慎重で、たとえば素材業界からはあまり明るい話が聞こえてこない。JFEの岡田副社長は決算会見で「アベノミクスや円高修正は日本の産業にとってプラスだが、素材産業として実感が得られるフェーズには至っていない」と指摘。日本鉄鋼連盟の友野宏会長(新日鉄住金社長)も定例会見で「円安効果はまだ受注に顕在化していない」と話した。また、JFEスチールの林田英治社長はロイターとのインタビューで「自動車各社が今期の国内生産を前期比減から前期比並みに上方修正したのはプラス」としたものの、豪州やインドネシアの鉱山開発停滞で産業・建設機械の需要が鈍く、造船向け鋼材需要の落ち込みも顕著と説明。前期業績が不振だったこともあり「投資は抑制せざるを得ない」と語った。

 海運各社も、円安に伴う輸送需要の拡大について保守的な見方を示した。商船三井(9104.T: 株価, ニュース, レポート)の青砥修吾常務は、自動車輸送は「円安でも影響は限定的。今後も現地生産が続く」と語り、川崎汽船の吉田圭介専務も自動車船の輸送台数について「円安で増加を期待しているが、まだ数字に表れておらず、今期は前期比横ばいを見込む」と話した。

 株式市場はアベノミクス効果による収益拡大期待で上昇したが、企業は「これが実態経済につながってくるかどうかが上期の重要なポイント」(三菱電機の松山彰宏常務執行役)との見方で一致する。日本経団連の米倉弘昌会長(住友化学会長)は、日銀の大胆な金融緩和により企業の設備投資が誘発されるとみるが「金利がこれほど下がっても投資があまり動いていないのは、(企業は)実需が増えるとまだみていないということだろう」と語る。

<自動車生産の国内回帰は見込めず

 企業が国内の設備投資に消極的な背景には、日本市場の縮小とこれまでの円高で、すでに生産の多くを国内から移転させた構造的な変化もある。為替感応度が高い自動車業界は、昨年までの1ドル=80円を割り込む超円高時代に生産の海外移管を加速。国内生産に占める輸出の割合は08年に過去最高の58.1%だったが、12年には48.3%まで低下した。自動車メーカーの首脳陣は1ドル=100円前後が続いても、日本生産に回帰するのは考えにくいとの見方を示す

 三菱自工の益子社長は、円安で「日本で生産する車の損益が大きく改善し、競争力を回復しつつある」としながらも、人口減で需要拡大が見込めない国内での能力増強は難しく「現状のレベルを維持していくのが精一杯」と語る。14年にメキシコ、15年にタイの工場が稼働するホンダも「需要があるところで生産するのが基本的な考え方」(岩村哲夫副社長)だ。

 電機・精密などでも海外シフトの流れは変わらない。村田製作所は今期の海外生産比率が前期比4ポイント増の約27%になると予想する。「円安であっても同業メーカーの生産場所がコストの安い海外であれば、競争するために当社も海外生産比率を上げていく必要がある」と、同社の村田恒夫社長は言う。日本電産の永守重信社長も「われわれはすでにグローバル企業。円高だから海外に出て、円安になったら戻ってくるということはない」と断言する。

 為替が円安基調に転換したのは昨年秋。そこからすでに2割程度の円安が進み、株価の上昇で高額商品は売れ行きが伸びている。「消費者心理が上向いている間に企業心理が好転し、自動車などを中心にキャッシュが回り始めればアベノミクスの勝利だ」と、野村証券の松浦氏は話すが、円安の恩恵で「(受注など)数量効果や設備投資が出てくるには1年程かかる」と指摘する。

(ロイターニュース 企業チーム;編集 久保信博)

( ※引用者注 ―― 文意を損なわないよう留意して割愛しています。)

 "重苦しい問題" を視野の外に置いて、当面の "円安/株高" 傾向に浮かれる状況から、一刻も早く "次のステージのための段取り!" がなされなくてはならないはずであろう。"アベノミクス" で可能であるならばの話だが...... (2013.05.07)













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