"3.23 株価暴落" については、その原因がさまざまに探られている。
結局、"何とでも言える" 議論のように思えるので、<「当面、株価を押し上げるイベントがないことから短期筋が売りを仕掛けた。......」>( 東証暴落 1100円超下げ ITバブル崩壊時以来過去最大!短期筋の売り仕掛け&投げ売り( 当誌 2013.05.24 )! )と、読み込んでおいた。
しかし、もう一歩踏み込んで振り返るならば、もし、アベノミクスがホントに "画期的" な経済戦略であるならば、あるいは "そう信じられている" ならば、海外投資筋があのような "売り浴びせ方" をするものであろうか......。
どうも、あの"売り浴びせ方" から察するに、"東京市場" は "弄られているだけ!" のような印象が禁じえない、そんな "一幕" のように思えた......。
株式市場とはそんなものだと言ってみることも十分に可能だ。とすれば、"株高" 傾向を "景気回復" の証しだなんぞと見る "短絡" を慎むべきだろう。
まあ、いずれにしても、アベノミクスという "官製神話" が、取りあえず "舞台裏" の一部を見せてしまったことだけは確かだ。
そんな状況と呼応するかに思えるのが、アベノミクスの "別称" として "「クロダノミクス」" と揶揄する "派生語" があるという話題だ。
<日銀の黒田東彦総裁が進める「異次元の金融緩和策」の総称> として使われるもので、<「黒田のみクス」/3本矢と言いながら、目立つのは市場を揺るがした黒田総裁の大規模な金融政策ばかりで、「人任せの政策パッケージ」との意味/ 「黒田頼みクス」>
要するに、アベノミクスとは、<市場を揺るがした黒田総裁の大規模な金融政策ばかり> の "「クロダノミクス」" ではないのかと言う見方だ。
とすれば、ここは、日本株を "その水準で弄って儲けるべし!" と海外投資筋(ヘッジファンド)が動いたとしても当然のことのように見えるわけだ。
もし、<成長戦略が「骨抜きの方針」とならなければいいが> という現状の懸念が引き摺られ続けるならば、"東京市場" には、"定期的" な "3.23 株価暴落" が繰り返されて行くのではなかろうか......。
◆ 参照 <アベノミクス第3の矢とするには踏み込み不足が目立つ内容といえる/ 踏み込み不足が目立つのが税制や規制の分野。民間議員から高い法人実効税率の引き下げ要求が相次いだが、財務省は消極的でゼロ回答/ 一段と踏み込んだ改革を示せなければ、株高を支えてきた国内外の投資家の期待が一変する可能性がある>( "成長戦略(第3の矢)"構想の詰めの甘さが、"円安/株高=国内外の期待"の反落を招く!( 当誌 2013.05.17 ) )
ブログ : 骨太成長戦略で「クロダノミクス」脱却を/REUTERS/2013.05.23
「鳥か?」「飛行機か?」「いや、日本だ!」──。スーパーマンに扮し、胸元に「S」ではなく「¥」マークをつけて空を飛ぶ安倍晋三首相が、英エコノミスト誌の最新号の表紙を飾った。政府高官は「これほど日本が海外から注目を浴びることは、なかなかない。身の引き締まる思いだ」と、目を細めながら満足げに話す。
「3本の矢」に代表される安倍政権の経済政策「アベノミクス」は国内外で広く知られるところとなったが、その派生語の一つとして、最近よく耳にするのが「クロダノミクス」だ。日銀の黒田東彦総裁が進める「異次元の金融緩和策」の総称として使われるものだが、こちらの言葉には霞ヶ関や永田町で皮肉な解釈もあって、大きく分けて二通りの意味があるらしい。
一つの説は、書き換えれば「黒田のみクス」。金融緩和と財政政策、成長戦略の3本矢と言いながら、目立つのは市場を揺るがした黒田総裁の大規模な金融政策ばかりで、「人任せの政策パッケージ」との意味<で使われる。
もう一つは「黒田頼みクス」。こちらはもう説明の必要もあるまい。どちらにしても、空を飛ぶような高い支持率に支えられ、スーパーマンとまで持ち上げられた安倍首相にとって、聞こえのいい言葉ではないだろう。
今月15日に本予算が成立し、アベノミクスの焦点は最大の難関といわれる成長戦略に移った。安倍首相は女性の活用を柱とする第1弾に続き、「世界で勝つ」をテーマに第2弾を17日に発表。環太平洋連携協定(TPP)をはじめとして、今後3年間を「集中投資促進期間」として民間設備投資を年間70兆円規模へ引き上げること、農業輸出の倍増策などを幅広く盛り込んだ。
安倍政権は6月中にも成長戦略の全体像をまとめる方針だが、民主党政権下でも行われた成長戦略をめぐる議論は常に、霞ヶ関の省益や民間部門の業界慣習、既得権益など様々な「抵抗勢力」に行く手を阻まれることが少なくなかった。
政府は産業競争力会議で全体像の取りまとめ作業を進めているが、すでに「混合診療や農地の株式会社参入など、これまで岩盤と言われてきた大きな検討項目が抜けている」(民間議員の竹中平蔵慶応大学教授)という。政府が成長戦略と同時にまとめる経済財政運営の基本方針の名称は「骨太の方針」。成長戦略が「骨抜きの方針」とならなければいいが。
(東京 23日 ロイター)
"実体経済" を活性化させる "成長戦略" の画期的な展開こそが、"張りぼて" もどきの "株高" 傾向にしっかりとした骨組みを添えることになるわけで、すでに、その実施に "王手が掛かっている" と見なければならない...... (2013.05.25)
コメントする