こんなことを言っては何だが、そもそも、"政府" が "科学技術" のあり様に、"もっともらしい姿勢" を示すことに "違和感" を禁じえないのだが......。
それはともかくとして、下記引用サイト記事【 引用記事 1 】:「質・量とも技術力低下」科学技術白書/日本経済新聞/2013.06.25 - 10:12 /【 引用記事 2 】:科学技術白書:「放射能管理に不備」もんじゅ点検漏れ/毎日jp/2013.06.25 - 11:53 は、
<政府は25日、2013年版の科学技術白書を閣議決定>
と伝えている。
【 引用記事 1 】では、<研究論文に関する指標低迷を挙げ、「質・量ともに科学技術力の低下傾向」が認められると指摘>した上で、
<東日本大震災との関連では「科学技術の従事者が国民の期待に応えたとは言い難く、率直に反省すべきだ」と明記>
しているそうだが、まさにこの点にこそ、"現状の日本の科学技術" の現実が横たわっているように思える。
この点に焦点を合わせて、今回の "科学技術白書" を論評しているのが、【 引用記事 2 】である。
<政府は25日、2013年版の科学技術白書を閣議決定した。高速増殖原型炉「もんじゅ」(福井県敦賀市)の点検漏れや、加速器実験施設「J−PARC」(茨城県東海村)の放射能漏れ事に触れ、「放射性物質を取り扱う施設の安全管理を行う者の意識の低さや安全管理体制の不備の表れ」と指摘/ また、論文データ捏造(ねつぞう)や改ざん、盗用問題が相次いでいることを受け、告発窓口の設置や罰則強化などを進めていることを挙げ、研究の質の向上と、研究開発の活性化の取り組みを促した>
と、"シビァな側面" に目を向けている。
残念ながら、こうした "シビァな側面" にこそ、"現状の日本の科学技術" の現実のいろいろな問題が "凝縮" されていると思われてならない。
華やかな展望を "高望" する前に、"足元固め" こそが先決だ! と思う理由である......。
【 引用記事 1 】
「質・量とも技術力低下」科学技術白書/日本経済新聞/2013.06.25 - 10:12
政府は25日、2013年版の科学技術白書を閣議決定した。日本の科学技術イノベーションの動向を巡り、iPS細胞の研究など卓越した研究成果はあるものの、研究論文に関する指標低迷を挙げ、「質・量ともに科学技術力の低下傾向」が認められると指摘した。国際共同研究などを促し、「次元の異なる広範なイノベーション」実現に力を尽くすべきだとした。
東日本大震災との関連では「科学技術の従事者が国民の期待に応えたとは言い難く、率直に反省すべきだ」と明記。真摯な検証と課題解決志向の制度改革などが必要だとの認識を示した。
白書は科学技術イノベーションの現状を分析。ビジネスの効率性などに着目した13年の日本の国際競争力は24位に低迷していると指摘。論文数は直近3年間で5位、引用数上位10%に入る論文の数は7位で、ともに順位が低下。「世界の研究活動での存在感の低下が示唆される」とした。
論文の質を巡っては、引用数上位10%以内の日英独の論文を分析。過去15年、日本の国内論文数は英独とほぼ同水準だが、国際共著論文数は英独と差が広がっている。白書は「国境を越えて優れた研究者が協力することが研究活動の活性化の方策だ」と指摘した。
このほか日本の研究者1人あたりの研究支援者数が少ないことや、5年以上の長期研究の減少なども問題視した。リスクの高い研究や新たな評価制度の導入、国際的な人材交流や分野を越えた共同研究が科学技術イノベーション創出にとって重要だとした。
【 引用記事 2 】
科学技術白書: 「放射能管理に不備」もんじゅ点検漏れ/毎日jp/2013.06.25 - 11:53
政府は25日、2013年版の科学技術白書を閣議決定した。高速増殖原型炉「もんじゅ」(福井県敦賀市)の点検漏れや、加速器実験施設「J−PARC」(茨城県東海村)の放射能漏れ事故に触れ、「放射性物質を取り扱う施設の安全管理を行う者の意識の低さや安全管理体制の不備の表れ」と指摘した。一方、もんじゅなどの核燃サイクル技術については、「国のエネルギー政策や原子力政策の方向性を見据えつつ、研究開発の実施を判断する」と記述し、今後の姿勢を示すことは避けた。
また、論文データ捏造(ねつぞう)や改ざん、盗用問題が相次いでいることを受け、告発窓口の設置や罰則強化などを進めていることを挙げ、研究の質の向上と、研究開発の活性化の取り組みを促した。
研究論文数の世界シェアが下がるなど基礎科学での日本の存在感が低下する中、科学技術による経済成長を進めるため、研究の社会的な効果などを含めた論文内容の評価システムの検討も必要と記した。【斎藤有香】
多分、"科学技術における成果" とは、研究者個々人の個人的能力の水準にももちろん依拠するはずだろうが、同時に、"研究者個々人を取り巻く組織や制度" のあり様<が大きく作用していると推察される。
そうした "組織や制度" の見直しと抜本的な改革が視野に入らなければ、現状からの飛躍は望めないのではなかろうか...... (2013.06.26)
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