このところの "株式/金融市場" は、何はさておき、<FRB=連邦準備制度理事会が今の量的緩和政策を縮小するかどうか> の動向によって "振り回されている"。まさに、"金融相場" ならではの様相を呈していると見える。
この<FRB=連邦準備制度理事会が今の量的緩和政策を縮小するかどうか> の動向が、(金融相場)市場への判断の "基準フレーム" となり、市場に "不安定さ/疑心暗鬼" の雰囲気を醸し出しつつ、市場での "数値"(=為替相場/株価の水準)を構成するに至る、といったメカニズムだ。
◆ 参照 株式/金融市場での"不安定さ/疑心暗鬼"は極限状態?!来週も"円の独り相撲"のツケ払い?(当誌 2013.06.08)
そして、昨7日に発表された "5月の米雇用統計" も、その "基準フレーム" との関係でこそ意味を持つ、と見なされていた。
案の定、発表された "5月の米雇用統計" の結果を、市場は "ダブルスタンダード"(二重基準)をもって迎えたようである。"業績相場"(ファンダメンタルズ) を睨む基準と、"FRB金融緩和縮小動向" に絡んだ "金融相場"を睨む基準である。
つまり、下記引用サイト記事:米 雇用統計で円相場が乱高下/NHK NEWS WEB/2013.06.08 - 02:29 によれば、
市場は、先ずは、"業績相場" を睨む基準で反応したようだ。
<アメリカの雇用統計で失業率が前の月より悪化したこと → アメリカの景気の先行きに慎重な見方 → ドルを売って円を買う動きが強まる → 1ドル=94円98銭>
ところが、一方で "金融相場"を睨む基準が働くことで、
<FRB=連邦準備制度理事会が早期に金融緩和の縮小を判断するまでの力強い回復ではなかったという受け止め → 当面は今の金融緩和が継続されるという思惑 → ニューヨーク株式市場で株価が大きく上昇 → ニューヨーク外国為替市場では一転してドルを買って円を売る動きが強まり → 1ドル=97円台まで戻す> となったとある。
まさに、市場関係者たちの判断基準に "FRB金融緩和縮小動向" が、"強力な磁場!" として働いたかが一目瞭然だ。
こうして、まるで、"風が吹けば桶屋が儲かる" 式に、円相場は "乱高下" させられた、とある......。
米 雇用統計で円相場が乱高下/NHK NEWS WEB/2013.06.08 - 02:29
7日のニューヨーク外国為替市場は、この日発表されたアメリカの雇用統計を受けて円相場が一時、1ドル=94円台まで値上がりする場面もありましたが、その後は一転して円安ドル高が進むなど円相場は乱高下しました。
7日のニューヨーク外国為替市場は、この日発表されたアメリカの雇用統計で失業率が前の月より悪化したことから、アメリカの景気の先行きに慎重な見方が出て、統計の発表直後にドルを売って円を買う動きが強まりました。
このため円相場は、およそ2か月ぶりに1ドル=94円台まで値上がりし一時、1ドル=94円98銭をつけました。
一方で、今回の雇用統計の内容について市場ではアメリカの中央銀行に当たるFRB=連邦準備制度理事会が早期に金融緩和の縮小を判断するまでの力強い回復ではなかったという受け止めが広がり、当面は今の金融緩和が継続されるという思惑からニューヨーク株式市場で株価が大きく上昇しました。
これをきっかけにその後、ニューヨーク外国為替市場では一転してドルを買って円を売る動きが強まり、円相場は、1ドル=97円台まで戻すなど乱高下しました。
市場関係者は「アメリカの金融政策の先行きを最大の焦点に、円相場は当面、不安定な値動きを続けそうだ」と話しています。
"円相場と日経平均株価" とが "ワンセット" となっている現状では、"FRB金融緩和縮小動向" を起点とするアメリカの金融政策の作用関係、それはまるで"風が吹けば桶屋が儲かる" 式関係とも言えそうだが、そうした他律的な "因果関係" に、日本経済は振り回され続けるのであろうか...... (2013.06.09)
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