"無人機攻撃" に関しては、"誤爆や巻き添えによる民間人の犠牲者が多いこと" などの理由で批判が高まりつつある。
そうした批判を受け、オバマ米大統領は "使用を限定する考え" を以下のように表明したという。
<(オバマ米大統領は)無人機攻撃に関しては、米国や同盟国に対する「継続的で切迫した脅威」があるにもかかわらず、潜伏先の国や米国がテロ容疑者を拘束する手段がなく、一般市民を巻き添えにしないことが「ほぼ確実」な場合に限り、暗殺作戦を実行すると表明>( 米、無人機攻撃を限定 対テロ指針 大統領、誤爆批判受け/東京新聞/2013.05.24 )
では、"誤爆、民間人巻き添え" が無ければ構わないのか? つまり、さらに "制御精度の高い技術" が投入されれば一件落着するという見方も出てくるに違いない......。
"無人機攻撃" への批判の "中心" は、果たしてそういった "技術的水準" の問題なのであろうか? どうも、そうではないように思われる。
下記引用サイト記事【 引用記事 1 】:「殺人ロボット」開発凍結要請/NHK NEWS WEB/2013.05.31 /【 引用記事 2 】:殺人ロボット凍結、国連で討議へ 検討委開催も勧告/【共同通信】/2013.05.26 によれば、
<人間の指示なしで敵を自動的に攻撃するいわゆる「殺人ロボット」の開発が進められていることについて、国連の専門家は、人命保護の観点から問題があるだけでなく、戦争を起きやすくするものだと強い懸念を示し、各国に開発の凍結を求める報告書を提出/ 人間ではなく機械が人の生死を決定することは、人命保護の観点から大きな問題があるだけでなく、人間の意思決定から離れて攻撃が行われることで、戦争が起きやすくなるおそれがある/ 人間の熟慮を経ずに行われる戦争は、機械仕掛けの大量殺りくに等しい/ 遠隔操作式の無人機攻撃が広がる中、兵士を危険にさらさない装備が重宝され、いずれ殺人ロボット兵器の導入に踏み切る国が出てくるとの危機感が背景にある> と、問題の焦点が指摘されている。
"科学とヒューマニズム" との関係における "根源的な問い" が投げかけられているのだと思われる......。
【 引用記事 1 】
「殺人ロボット」開発凍結要請/NHK NEWS WEB/2013.05.31
人間の指示なしで敵を自動的に攻撃するいわゆる「殺人ロボット」の開発が進められていることについて、国連の専門家は、人命保護の観点から問題があるだけでなく、戦争を起きやすくするものだと強い懸念を示し、各国に開発の凍結を求める報告書を提出しました。
「殺人ロボット」について調査を行っている国連のヘインズ特別報告者は、30日、スイスのジュネーブで開かれた国連人権理事会に出席し、報告書を提出しました。
この中で、ヘインズ特別報告者は、人間ではなく機械が人の生死を決定することは、人命保護の観点から大きな問題があるだけでなく、人間の意思決定から離れて攻撃が行われることで、戦争が起きやすくなるおそれがあると強い懸念を示しました。
そのうえで、ヘインズ特別報告者は「人間の熟慮を経ずに行われる戦争は、機械仕掛けの大量殺りくに等しい」と述べ、各国は「殺人ロボット」の研究開発や使用などを国際的な基準が設けられるまで凍結すべきだと提言しました。
現在、アメリカ軍が対テロ作戦で使用している無人機は、兵士による遠隔操作で攻撃を判断しているものの、多くの民間人が巻き添えになっているとして批判が高まっています。
こうしたなか、攻撃の判断すら無人化した「殺人ロボット」の開発は、アメリカやイギリスなどで行われていますが、今後、その是非を巡って国際的な議論が高まりそうです。
【 引用記事 2 】
殺人ロボット凍結、国連で討議へ 検討委開催も勧告/【共同通信】/2013.05.26
【ニューヨーク共同】兵士に代わって敵を自動的に殺傷する「殺人ロボット兵器」の研究開発が米国などで進んでおり、戦争の形態が一変する時代が到来しかねないとして、開発凍結や検討委員会開催を求める勧告が国連に提出されたことが25日分かった。ジュネーブで27日から始まる国連人権理事会の通常会期で討議される。
遠隔操作式の無人機攻撃が広がる中、兵士を危険にさらさない装備が重宝され、いずれ殺人ロボット兵器の導入に踏み切る国が出てくるとの危機感が背景にある。人権団体ヒューマン・ライツ・ウオッチも4月、禁止キャンペーンに乗り出しており、国際社会の新たな課題となりそうだ。
【 その他参照 】
<...... ロボットが人間の遠隔操作ではなく、組み込まれたコンピューターのプログラムやセンサー装置により、敵の識別、状況判断、殺傷まで全自動で実行する「自己完結型」に進化することへの懸念 ...... 英シンクタンクによると、無人機は昨年夏時点で11カ国が保有し、計56機種に上る。無人機の軍事利用はかつて米国やイスラエルにほぼ限られていたが、最近は中国などの新興国も活用。開発競争は過熱している。無人兵器への依存は、殺人ロボット兵器導入へつながる可能性が高い。 ......> ( 「殺人ロボット兵器」で討議/nikkansports.com/2013.05.26 )
昨今では、大規模災害に対応できる、人間に細かく操作されなくても自分の判断で行動して、階段を上ったり道具を扱う "ヒューマノイド" というロボットの開発が進められている。( 参照 NHK スペシャル『ロボット革命 人間を超えられるか』 )
この "ヒューマノイド" というロボット が、"軍事面での殺戮兵器" として利用されることは、誰もが考えたくない話ではなかろうか...... (2013.06.02)
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