今や、"おカネ"をかければ "健康食品/サプリメント" は何でも入手可能だ。
しかし、"ちょっと違う" ような気がしないでもない。というのも、それらは継続して摂取しなければ効果がないために、結局、トータル・コストではかなりの負担となってしまうからだ。逆に言えば、だからこそ製薬会社などはそれらの販売をターゲットにしているのが実情なのであろう。
だが、"低価格・低コスト" であることこそが、"健康食品/サプリメント" などの "必要条件" ではないかと考える。もちろん "効き目" については言うまでもないが。
その点、下記引用サイト記事:渋柿で血液サラサラ 悪玉コレステロール低減/北國新聞/2013.06.03 の<"渋柿から作った粉末"> は期待が持てそうである。
<石川県立大生物資源環境学部の松本健司准教授は2日までに、未成熟な渋柿から作った粉末に含まれる成分に、LDL(悪玉)コレステロールを低減する作用があることを実証した。粉末は栽培の際に間引いた青柿や放置果樹園の果実を利用することで低コストで生産可能。粉末にすれば渋みはなく、加熱しても成分が損なわれないため、幅広い食品に加工できるという。>
増加の一途を辿る一連の "成人病" の大半は、"血管" の異常によって引き起こされていることは広く知られている。そして、中でも "動脈硬化" はその代表格とされ、そこから、血液中に含まれる<LDL(悪玉)コレステロール> が問題視されていることも周知の事実だ。
この<LDL(悪玉)コレステロール> の<低減効果があるのは柿の渋み成分である重合タンニン> だという点に着目し、<栽培の際に間引いた青柿や放置果樹園の果実> といった<商品価値のない未成熟な渋柿を利用して> "粉末" のかたちへと製造する、というのが、石川県立大生物資源環境学部の松本健司准教授の研究成果だそうだ。
"なるほど!" と感心するに至ったのは、何よりもこの<商品価値のない未成熟な渋柿を利用して> という "資源再利用" 的観点での発想なのである。
"低価格・低コスト" の実現のための最短ルートが "商品価値のない" ものを利用・活用することである点は言わずと知れたことであろう。
こうした "資源再利用" 的観点での発想には、とかく伏兵が潜んでいたりもするが、そこにこそ現代の進んだ技術を投入して解決し、この分野が活性化されることを期待したいものである......。
渋柿で血液サラサラ 悪玉コレステロール低減/北國新聞/2013.06.03
石川県立大生物資源環境学部の松本健司准教授は2日までに、未成熟な渋柿から作った粉末に含まれる成分に、LDL(悪玉)コレステロールを低減する作用があることを実証した。粉末は栽培の際に間引いた青柿や放置果樹園の果実を利用することで低コストで生産可能。粉末にすれば渋みはなく、加熱しても成分が損なわれないため、幅広い食品に加工できるという。
悪玉コレステロールの低減効果があるのは柿の渋み成分である重合タンニン。研究では 40代の被験者40人が3グループに分かれ、毎食前に青柿の粉末を入れていないクッキ ー、粉末3グラム、5グラムを配合したクッキーをそれぞれ摂取した。5グラム入りを食べ続けた被験者は12週間後、悪玉コレステロールが約2割減少した。
松本准教授によると、重合タンニンは、コレステロールから合成される胆汁酸を腸内で 吸着し、体外への排出を促進する。胆汁酸の排出が進むと、血液中のコレステロールが肝臓に取り込まれて胆汁酸が再生成され、その結果、悪玉コレステロールが低下する。
胆汁酸の吸着と合成に伴い、代謝が高まって血糖値が低下することも確認されており、 糖尿病の治療でも効果が期待できるという。
粉末は商品価値のない未成熟な渋柿を利用して製造できる。食物繊維を豊富に含み、1 00度の熱を加えても成分が損なわれないため、菓子やパンなどに配合しやすい。
県内では「紋平柿」のかほく市や「ころ柿」の志賀町が主な柿の産地で、昨年の収穫量 は県全体で1270トン。JA志賀ころ柿部会の新明侃二部会長によると、栽培の過程で 青柿の数%が間引かれ、商品価値がないために捨てられている。
松本准教授は、柿の生産農家は全国的に高齢化や後継者不足に悩まされているとし、「渋柿の機能性を生かした商品開発が進めば、生産地の活性化につながる」と語った。
LDLコレステロールは細胞膜を作るために使われるコレステロールを肝臓から体中に運ぶ働きがある。増えすぎると、血管内部にへばりついて動脈硬化などの原因となることから「悪玉」と呼ばれる。
"国際的競争力のある農業" が課題とされているが、"栽培効率" の観点だけではなく、こうした "斬新な資源再利用" 的観点での "サプライズ商品" の開発もまた重要なはずであろう...... (2013.06.05)
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