14日の市場動向は、前日の "大幅急落" に対する、いわゆる "自律反発" の域 だと了解される。"買い戻し" に勢いがなく、その意志を感じさせない点は、上昇トレンドが中途半端に腰砕けとなった経緯を見ても推測できる。
そして、これらの動きを足元で導いていたのが、"94~95円台に停滞したドル/円相場" の推移のようであった。やはり、この局面の "金融相場" では、"ドル/円相場" の推移だけが株価の決め手となっている観がある。
いや、日銀の "異次元緩和" 策(その踏み台としての "米量的緩和第3弾(QE3)" も含め)で構築されてきた "金融相場" では、ほぼ一貫して "ドル/円相場" の推移が、"日米株価" 動向を水路づけていたのだと言えなくもない。
そして、"円安/株高" 局面においては、"期待先行" 型と楽観視され、持て囃されてきたアベノミクスも、ここに来るとその "手品のカラクリ" とでも言うべきものが、惨めなほどに見透かされるようになっているようだ。
額面どおりの成長経済への "期待" どころか、いわゆる "海外投資家勢(ヘッジファンドなど)" が、"余剰マネー" をイージーに注いだ結果が、アベノミクスが投影した "円安/株高" 現象という危うい映像だった! という実態が、見透かせるようになってきたのではなかろうか。
下記引用サイト記事:アングル:円安回帰には時間必要か、「夢」から覚めた海外勢/REUTERS/2013.06.13 - 20:09 では、その辺の "カラクリ" を分かりやすく次のように述べている。
<アベノミクス相場の勢いだけに乗って円売り・日本株買いポジションを構築した海外投資家は、米量的緩和第3弾(QE3)縮小観測で世界の株が急落するなか「夢」から覚め、ポジションを次々と巻き戻している>
<「海外勢の失望売りというよりも、日本のことをよく知らないで追随した海外の投資家の目が覚めたということだ」――大手証券のディーラーはそう話す。一部の海外投資家は日本についてよく知らないまま、値動きの良さだけに触発されてアベノミクス相場に追随し、円ショート/日経平均ロングを膨らませたという。しかし、QE3の早期縮小観測が浮上すると世界で株価が急落。アベノミクスについても楽観論が後退したほか、リスク資産のポジション解消で米国への資金還流が見込まれるため、「日本をそれほど買う必要はない」との見方が強まっている>
しかし、<「夢」から覚めた海外投資家> はそれとして、アベノミクスという経済政策を "トレードマーク" として全面に押し出してきた安倍政権に、それをもって少なからぬ支持率(世論調査)を与えてきた有権者は、果たしてどんな反応を示すのであろうか。
「知らぬは亭主ばかりなり」という下世話な言葉が、ふと脳裏をよぎったりもするのである......。
アングル: 円安回帰には時間必要か、「夢」から覚めた海外勢/REUTERS/2013.06.13 - 20:09
[東京 13日 ロイター] - ドル/円は一時93円台まで急落し、円高スピードを一段と速めている。アベノミクス相場の勢いだけに乗って円売り・日本株買いポジションを構築した海外投資家は、米量的緩和第3弾(QE3)縮小観測で世界の株が急落するなか「夢」から覚め、ポジションを次々と巻き戻しているという。
マネーが新興国通貨から先進国通貨に回帰しているが、これまでの反動で円は最も強い通貨になっており、円安トレンドに回帰するには時間が必要との見方が多くなってきた。
「海外勢の失望売りというよりも、日本のことをよく知らないで追随した海外の投資家の目が覚めたということだ」――大手証券のディーラーはそう話す。一部の海外投資家は日本についてよく知らないまま、値動きの良さだけに触発されてアベノミクス相場に追随し、円ショート/日経平均ロングを膨らませたという。しかし、QE3の早期縮小観測が浮上すると世界で株価が急落。アベノミクスについても楽観論が後退したほか、リスク資産のポジション解消で米国への資金還流が見込まれるため、「日本をそれほど買う必要はない」との見方が強まっているという。
IMM通貨先物における投機筋のポジション動向は、5月末に、円の売り越し幅が昨年12月のピーク9万4401枚を上回り、10万枚に迫っていた。東証の投資主体別売買動向では、海外投資家は昨年11月半ばから約10兆円、日本株を買い越した。これらの巻き戻しがQE3縮小観測を機に加速しているとみられている。
株式市場の不安定な状況が一向に収まらないなか、リスクオフに備えた円買いなども加わり、ドル/円は4月2日の安値92.57円までの下落が視野に入ってきた。来週、米連邦公開市場委員会(FOMC)が開催され、マーケットはQE3の縮小に関するメッセージを注視することになる。ただ、「ここまで一気にポジションがクローズされて相場が壊れてしまうと、修復には時間が掛かる」とシティバンク銀行・個人金融部門の尾河真樹シニアFXマーケットアナリストはみている。
グローバル規模で為替市場を見渡せば、流動性相場の恩恵を享受してきた新興国や資源国の通貨が大きく売られ、先進国通貨へ資金がシフトしている。インドルピー、トルコリラ、南アランド、ブラジルレアル、豪ドルは対米ドルで下げ基調をたどっている。一方、先進国通貨では、円やユーロが大きく上昇している。
一部新興国には経常赤字などの要因もあるが、大きな構図は、グローバル投資家がこれまで短期金利がゼロ近辺の先進国通貨を調達し、高金利の新興国通貨に投資していたキャリートレードの巻き戻しだ。「ユーロの信頼が回復途上にある」(国内銀行幹部)との声もあるが、ユーロ圏経済は依然厳しくディスインフレも進んでいる。ファンダメンタルズの評価が全面的に高まってユーロが買われているわけではない。円高もファンダメンタルズの改善を評価しての円買いではなく、いまだ足取りが覚束ない日本経済に影を落とそうとしている。
(ロイターニュース 和田崇彦 編集:伊賀大記)
今、安倍政権は、"参院選" 前に早くも馬脚を現しつつあるアベノミクスという経済政策のほころびを繕うこと、しかも "リップサービス" で繕うことに躍起となっているかのようだ。
"スピード感をもって......" をスローガンにしてきたかに見えるが、"昇り" にスピードがあれば、"降り" のスピードは尚のこと速いのが常だと言うべきか...... (2013.06.15)
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