"奇跡の原っぱ"(多様な生物の生態系)を残せ!売れるあてがまったくないのに宅地造成?!

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 人口増と経済成長が著しい時代環境でもあるまいに、それでも "宅地造成" が必要なんでしようかね? しかも、約40年間にわたり、いろいろな条件が重なって成立したとされる "奇跡の原っぱ" を、"土地の有効利用" と称して、味気ない "宅地" へと変えちまえ、というのは、いかがなものであろうか。

 以前にもここで書いたが、自分が住むこの市でも、このところあちらこちらで "宅地造成" の工事が目につく。自転車レーニングで川沿い道を走っていると、風情のあるちょっとした林などを壊し始めている無骨な工事に出合う。
 従来からの地元農家の土地であった場所なのであろう、手入れがままならないことから放置されていたような "原っぱ/空地" に、手当たり次第といった様子で、次々にブルドーザーなどの重機が投入されている。きっと、相続税対策というわけなのであろう......。

 しかしながら、下記引用サイト記事:奇跡の原っぱ:宅地造成で消滅の瀬戸際 千葉・印西/毎日jp/2013.06.16 - 11:18 が伝えるケースは、いささか事情が異なっていそうだ。
 その規模は "大掛かり" である上に、土地所有者がしがない個人農家ではなく国や自治体だからである。"自然環境保護" にも責任を担うはずの公共団体が、"自然を愛するという実に自然な市民の気持ち" を逆撫でしているようなのである。

 <千葉県印西(いんざい)市の千葉ニュータウン開発予定地内の草地に貴重な昆虫やホンドギツネなど絶滅の恐れがある動植物が多数生息し、現状を保存すべきだとの声が上がっている。里山を崩す1970年代の大規模な造成で生まれた平たんな土地が草原化。本格的な宅地造成もなく約40年間放置され、いつしか希少種の聖域となり、「奇跡の原っぱ」と呼ばれる。ところが昨年末、宅地造成が急に動きだし、消滅の瀬戸際にある

 目先の "経済性の原理" だけで、"奇跡の原っぱ" とされる貴重な自然に手を掛けるとは、いかにも今風の "公共事業" である。人間らしい自然への思いが欠如していることを咎めてもしょうがないが、この時期の "こうした自然の価値"(もし、この "奇跡の原っぱ" を一から再現させるとしたら、どれだけの "コスト" が掛かるか!) を洞察、値踏みもできないお役人たちの無能さには寒気を覚える。

 ふと、狭山丘陵の "トトロの森"公益財団法人 トトロのふるさと基金 )に、心ある人々が関心を寄せ、自然保護へと動いている推移を想起させられた......。

 奇跡の原っぱ:宅地造成で消滅の瀬戸際 千葉・印西/毎日jp/2013.06.16 - 11:18

 千葉県印西(いんざい)市の千葉ニュータウン開発予定地内の草地に貴重な昆虫やホンドギツネなど絶滅の恐れがある動植物が多数生息し、現状を保存すべきだとの声が上がっている。里山を崩す1970年代の大規模な造成で生まれた平たんな土地が草原化。本格的な宅地造成もなく約40年間放置され、いつしか希少種の聖域となり、「奇跡の原っぱ」と呼ばれる。ところが昨年末、宅地造成が急に動きだし、消滅の瀬戸際にある。【井上英介】

 原っぱは、UR(都市再生機構)県による同ニュータウン事業最後に残った開発予定地約140ヘクタールの一角を占め、面積は東京ドーム11個分の約50ヘクタール。北総線印西牧の原駅の北に広がっている。開発初期に山を崩し湿地を埋めて平らにした。

 原っぱでは、今ではほとんど見られなくなったホンドギツネの営巣が確認<され、エサのノウサギも豊富トンボなども含め環境省指定の絶滅危惧種27種、千葉県指定109種を含む多様な生き物の生態系が成り立っている。現地に詳しい日本自然保護協会の高川晋一農学博士は「駅から徒歩圏内に国立公園級の生態系があるのは、驚嘆に値する」と話す。

 印西の原っぱは県有地で、URが定期的に草刈りをして管理する。ニュータウン開発事業は今年度末で終了期限を迎えるが、今の全体の人口は約9万人で、目標の約14万人に届かない。不況や人口減で宅地需要が見込めず、原っぱは本格造成を免れてきた。高川さんは「県有地で人が入らず、草刈りされているため森にもならないなど人為的要素が重なって成立した」とみる。

 だが昨年11月、URは原っぱの南側の樹林を大量伐採し、宅地造成を開始地元で「売れるあてがまったくないのに、なぜ造成をごり押しするのか」と批判が上がり、原っぱや近くを流れる川の保全活動に取り組む市民グループ「亀成(かめなり)川を愛する会」が署名活動を始めた政府がほぼ全額出資するURは造成開始の直前に会計検査院の調査を受け、大量の未利用地を抱える状況を改善するよう求められていた

 今月13日には、全国の研究者で組織する日本生態学会(会員約4000人)が、造成の一時中断や原っぱの保全などを県とURに申し入れた。学会メンバーの西広淳(じゅん)・東邦大理学部准教授も「関東地方で保全すべき草地を1カ所挙げるとすれば、この地域だ」として、貴重な自然と共存するよう土地利用の再検討を求める


 どうも、"経済性の原理" だけに縛られている勢力は、"目先の帳尻" のみに目を奪われ、"ホントに大事なこと" がまるで見えないらしい。
 逆に、そうだからこそ近未来へと繋がる、斬新な "成長戦略" も描けないのかもしれない...... (2013.06.17)













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