難解な科学 分かりやすく伝えるには?科学技術という専門知を一般市民に橋渡しする!

| | コメント(0) | トラックバック(0)

 IT、医療、原子力、地震、自然災害......、と、要するに "科学(的知識)" がこれほどまでに日常生活と密接に関わり、その影響力が甚大な時代環境はかつてなかった
 つまり、直接的に "科学(的知識)" を扱う "専門家(科学者)" と、"科学(的知識)" の成果を享受する "一般人" との違いはあっても、益々、両者は現代という時代環境の中で共に生き、相互に支え合うことが不可欠となっている。

 そして、ここには、指摘されてみると気づくのだが、結構、"難解な問題" が存在している。"専門家(科学者)" と "一般人" との "コミュニケーション" という問題のことだ。

 簡単な例を挙げれば、"医者" と "患者" との "会話" がそれに当るはずだ。
 "インフォームド・コンセント" )の考え方が受け容れられている今日では、"医者" による "分かりやすい説明" と "患者" 側での "納得" という "コミュニケーション" が、リーズナブルな医療行為に欠かせないというわけだ。

 ( )<医療行為(投薬・手術・検査など)や治験などの対象者(患者や被験者)が、治療や臨床試験・治験の内容についてよく説明を受け十分理解した上で(英: informed)、対象者が自らの自由意思に基づいて医療従事者と方針において合意する(英: consent)こと......>( インフォームド・コンセント/ウィキペディア

 これは、"医者"/"患者" 間に限らず、ITベンダー/ユーザー間、"原発"/地域住民・国民間、地震に関する行政/地域住民間 ......など、現在では "普遍的な課題" となっていると思われる。

 しかし、"専門的" な "科学(的知識)" に関する "専門家(科学者)" と "一般人" との "コミュニケーション" は、かねてより "難しさ" がある問題だと見なされてきた。"専門性の壁" という側面は、やはり "伝達" という場で大きな支障となることが否めないからだ。

 ただ、思うに、こうした難易度のある問題以前に、そもそも "何かを他者に伝える" というスキルの問題も軽視できないはずであり、人のことは言えないが、ジャーナリストの文章でも "分かりにくい記事" はいくらでもありそうである。
 このブログでも医療をはじめとした "科学的ジャンルの話題" を積極的に取り上げているが、ソース記事を読んでみて、"専門性" 云々という以前に、単に "分かりにくい"( =読み手のことを考えていない! )と感じるケースも多々ある。

 それはともかく、"科学(的知識)"(と技術)が日常的な生活/社会と密着している現代では、上記の "コミュニケーション" 問題は、今後益々注目されることになりそうだ。

 ◆ 参照 <科学技術が関わる社会問題 が多発し、事態が複雑になっていたわけです。言い換えれば、問題解決に当たって、科学技術という 專門知と市民の知 とが、どうジャーナリズムを通して "橋渡し" されるのか、それが焦点となっていたとも言えそうです。恐らくこの点は、今後ますます浮上し、表面化していくことが予想されるため見過ごすことができない課題かと思われます。>( Socialメディアの普及とジャーナリズムの理想"アジェンダビルディング"の可能性( 当誌 2012.01.01 )

 下記引用サイト記事:難解な科学 分かりやすく伝えるには/NHK NEWS WEB/2013.06.16 - 22:37 は、こうした以上の問題と関連して、

iPS細胞や放射線それにウイルスなど、とかく「難しい」とか「分からない」と考えられがちな科学を、どうすれば一般の人たちに分かりやすく伝えることができるのか。そのノウハウを研究者や技術者などが学ぶ

という観点での<講座> 開催の話題を取り上げている。

 <難解な科学を分かりやすく伝えるのは科学者自身の「責任」だと考えたうえで、科学者と社会がコミュニケーションを図る> という点が眼目である、と......。

 難解な科学 分かりやすく伝えるには/NHK NEWS WEB/2013.06.16 - 22:37

 iPS細胞や放射線それにウイルスなど、とかく「難しい」とか「分からない」と考えられがちな科学を、どうすれば一般の人たちに分かりやすく伝えることができるのか。
 そのノウハウを研究者や技術者などが学ぶという講座
が16日、東京で開かれました。
 「身近なものに置き換える」とか「専門用語などは数を絞る」といったことが説明されました。

背景に理科離れや科学への不信

 なぜ研究者などが科学を分かりやすく伝えるノウハウを学ぶのか
 その背景には、いわゆる理科離れのほか、原発事故や公害などが起きた際に生じてきた科学への不信などがあります。
 これらを避けるには、一般の人たちに、科学を分かりやすく伝え、科学への意見などを聞きながら、科学と社会の在り方をともに考えることが必要だと考えられていて、こうした取り組みは「科学コミュニケーション活動」と言われています。

研究者などが伝え方を学ぶ

 東京・江東区の日本科学未来館では、昨年度から3か月に1回程度、科学を分かりやすく伝えるにはどうすればいいか考えてもらおうという講座を開いています。
 16日は研究者や技術者のほか、学校の教員や大学院生など20代から60代の男女26人が参加しました。
 多くは、一般の人たちに科学を説明する立場にあります。
 参加した人たちは、少人数のグループに分かれて、「食物連鎖」や「遺伝」それに「酸化と還元」といった科学の専門用語を、3分間で説明し合う練習をしました。
 また、科学館を訪れた一般の来館者向けの講演を想定して、自分自身の研究などを紹介するための練習もしました。

分かりやすく伝える工夫

 講座では、分かりやすく伝える初歩的な工夫として、次のようなことが説明されました。
 1、数値は直感的に理解してもらう。
(1ナノメートルは「10のマイナス9乗メートル」と言うよりは「1ミリの1000分の1のさらに1000分の1」などと言う)。
 2、身近なものに置き換えて説明する。
(大気圏の幅は「およそ100キロ」ではなく「地球がりんごの大きさだとすると、その皮ほどもない」などと言う)。
 3、比喩(=例え)を適切に使う。
 4、大事な概念や専門用語は、数を絞ったうえで丁寧に解説する。
 5、分かりやすさと正確さをてんびんにかける。
(正確さを追求すると話が分からなくなってしまうなら思い切って単純にする)

科学者自身の「責任」と考える

 参加した人の1人で、電子部品関係の会社の男性エンジニアは、「社員教育のほか、小学校などに『出前授業』に行く機会もあるが、聞いてもらう相手のレベルに合わせることが難しい。どうすればいいか悩んでいたが、参考になった」と話していました。
 日本科学未来館は、今回のような講座をことし9月上旬にも開くほか、外部への出張講義も検討しているということです。
 難解な科学を分かりやすく伝えるのは科学者自身の「責任」だと考えたうえで、科学者と社会がコミュニケーションを図る
 こうした取り組みが、科学への関心を高め、理科離れの解消や科学への信頼回復、さらには、科学技術政策への市民参加などのきっかけになるかどうか、注目されそうです。


 <難解な科学を分かりやすく伝えるのは科学者自身の「責任」だと考えたうえで、......> とある点は、いわゆる "説明責任(アカウンタビリティー Accountability)" という考え方と共通していると思われる。
 "科学者のコミュニケーション課題" も、単に "上手い/下手といった個人的能力" の視点で扱われる段階から、こうした本質的な考え方に立脚した "組織的/教育的" 観点で底上げを図る段階に移行しなければならないのかもしれない...... (2013.06.18)













【 SE Assessment 】 【 プロジェクトα 再挑戦者たち 】








トラックバック(0)

このブログ記事を参照しているブログ一覧: 難解な科学 分かりやすく伝えるには?科学技術という専門知を一般市民に橋渡しする!

このブログ記事に対するトラックバックURL: http://adhocrat.net/mt/mt-tb.cgi/2345

コメントする

2020年11月

1 2 3 4 5 6 7
8 9 10 11 12 13 14
15 16 17 18 19 20 21
22 23 24 25 26 27 28
29 30          














関連サイトへのリンク


  • 電子書籍(eBooks)制作にフォーカスしたサイト
  • 明けない夜はないことを確信するサイト
  • Green(地球環境改善)にフォーカスしたサイト
  • ソフトウェア技術者やSEのための評価と育成、人事考課制度を考えるサイト
  • さまざまな業種・業態でご利用可能なモバイル活用の予約システム!
  • 創作小説『海念と保兵衛』のサイト
  • 創作小説『かもめたちの行方』のサイト
  • 当ブログ推奨の商品を展示したAmazon ストアー!
  • 当AdhocBlogブログの過去のエントリー
  • 株式会社アドホクラット当時のサイト

★売れ筋! No.1!
家庭用"放射線測定器"

日本通信 bモバイルWiFi ルータ+1 ヶ月定額SIM BM-U300W-1M
価格:¥ 20,208
国内配送料無料 Amazon





このブログ記事について

このページは、yasuo hiroseが2013年6月18日 00:01に書いたブログ記事です。

ひとつ前のブログ記事は、
 「"奇跡の原っぱ"(多様な生物の生態系)を残せ!売れるあてがまったくないのに宅地造成?!
です。

次のブログ記事は、
 「ナーバス気味となった市場に"バーナンキ議長"はどんなメッセージを用意しているのか?
です。

最近のコンテンツは、
 インデックスページ
で見られます。

過去に書かれたものは、
 アーカイブのページ
で見られます。

年月別アーカイブ

最近のトラックバック