相変わらず "クローン動物の作製" については関心度が高いようだ。
その一つの焦点は、いわゆる "絶滅危惧生物の繁殖" という点にあるのかもしれない。究極の "人工増殖" の姿が "クローン動物の作製" というわけだ。
そんな中で、<1滴の血液から同じ遺伝情報を持ったクローンマウスを誕生させることに成功> という快挙が報じられている。
下記引用サイト記事【 引用記事 1 】:クローンマウス:血1滴から誕生...絶滅危惧生物の繁殖に光/毎日jp/2013.06.27 - 21:03 がそれである。
<クローン動物の作製には、細胞分裂が止まった体細胞を、核を抜いた卵子に注入する必要があり、手術で動物の体内から細胞を取り出して使うことが一般的。この際、動物を死なせる場合があり、より簡単な方法が望まれていた/ 小倉淳郎遺伝工学基盤技術室長らのチームは、採取が簡単な血液中の白血球に着目/ 不特定の免疫機能を果たすため遺伝子が変化していない「非リンパ球」を判別する方法を考案し、マウスのしっぽから採取した血液の非リンパ球を使ってクローンマウスを誕生させた> とある。
で、そんなことならば、下記引用サイト記事【 引用記事 2 】:新発見の"血"でマンモス復活は可能?/毎日jp/2013.06.04 が伝えていた "マンモス" の場合はどうなの? ということになりそうだ。が、どうも、<マンモスのクローン、実現にはほど遠い現状> ということらしい......。
【 引用記事 1 】
クローンマウス : 血1滴から誕生......絶滅危惧生物の繁殖に光/毎日jp/2013.06.27 - 21:03
理化学研究所バイオリソースセンター(茨城県つくば市)は、1滴の血液から同じ遺伝情報を持ったクローンマウスを誕生させることに成功したと発表した。手術が不要で従来より簡単にクローンを作れるため「絶滅の恐れがある貴重な生物を増やすことに役立つ」と説明している。26日付の米科学誌電子版に掲載された。
クローン動物の作製には、細胞分裂が止まった体細胞を、核を抜いた卵子に注入する必要があり、手術で動物の体内から細胞を取り出して使うことが一般的。この際、動物を死なせる場合があり、より簡単な方法が望まれていた。
小倉淳郎遺伝工学基盤技術室長らのチームは、採取が簡単な血液中の白血球に着目。白血球のうち、不特定の免疫機能を果たすため遺伝子が変化していない「非リンパ球」を判別する方法を考案し、マウスのしっぽから採取した血液の非リンパ球を使ってクローンマウスを誕生させた。成功率は従来の方法とほぼ同じ2.1%で、正常な繁殖能力があることも確認した。【相良美成】
【 引用記事 2 】
新発見の"血"でマンモス復活は可能?/毎日jp/2013.06.04
ロシアで新たに見つかったメスのマンモスの死骸。調査にあたった研究者たちは、このマンモスの体内に1万年前の血液が残っていたと述べている。
マンモスの血液が見つかったとしても、クローン技術によるかわいらしいケナガマンモスの赤ちゃん誕生に近づいたとは言えない。しかもこれには、そもそも大々的に報じられた問題の物質が本当にマンモスの血液ならば、という条件がつく。......
◆ マンモスのクローン、実現にはほど遠い現状
...... しかし血液発見の可能性を指摘しながらも、シャピロ氏はこう付け加えている。「血液が保存されているかどうかに関係なく、見つかった死骸に無傷の細胞が残っているかと言えば、その可能性は非常に低い」。
この指摘は、マンモスが再び地球上を闊歩する姿を見たいという夢をくじくものだ。「無傷で機能を保った細胞、つまり、ペトリ皿の上で脱分化して幹細胞に戻せるものということだが、これがなければマンモスのクローンは作成できない」とシャピロ氏は話す。......
( ※引用者注 ―― 文意を損なわないよう留意して割愛しています。)
常々、"遺伝子" という生命体の要素に神秘性を感じるわけだが、それは、"部分/要素" の中に "全体" が "織り込まれている" という点であろう。"細胞" であれ、"血液一滴" であれ、そこに、その個体の "全体" が内在しているという構造に感心せざるを得ない...... (2013.06.30)
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