安倍政権の "アベノミクス" に関しては、国際的にも評価が分かれるところであることは知られている。
そんな状況下、これまで "アベノミクス" を支持してきた "国際通貨基金(IMF)" が、ここに来て、世界経済の見通しを公表する中で、"アベノミクス" は世界経済の「新たなリスクだ」と指摘したという。
下記引用サイト記事:「アベノミクスが新たなリスク」 IMFが初めて指摘/朝日新聞/2013.07.10 - 01:19 は以下のように伝えている。
<国際通貨基金(IMF)のブランシャール調査局長は9日、安倍政権の「アベノミクス」が世界経済の「新たなリスクだ」と指摘/ アベノミクスが信頼できる中期的な財政健全化策を伴わなければ、「投資家が日本の財政の持続性を不安視し、日本国債に高い金利を求めることが心配だ」と指摘。「そうなると財政運営は困難になり、アベノミクスは難しい状況に追い込まれる」と述べ、財政再建の取り組みを強く求めた>
どうみても、現状の世界経済は "不安定化" の一途を辿っている。
中でも、<中国の金融システム不安や成長の鈍化> や <米国の量的緩和の縮小による世界金融の不安定化> についてはこれまでにも指摘されて来たが、 "アベノミクス" が、これらと "同水準" の "懸念/リスク" として位置づけられた点は注目しておく必要がありそうだ。
そもそも、"アベノミクス" の中核である "異次元緩和" が、"長期金利の上昇" を招き、ひいては "巨大な財政赤字" を刺激することで "財政危機" を呼び寄せるのではないか、という懸念は、国内でも当初から懸念/危惧されていた。
"国際通貨基金(IMF)" としては、現状の、ますます深まる "世界経済の不安定化" に向かい合う時、いわゆる "出口戦略" も不明な "アベノミクス" の行方が、世界経済への貢献どころか "大きな不安の種" だと言わぬばかりの指摘のように聞こえてくる。
ちょうど日本時間7月11日早朝に報じられたバーナンキFRB議長の発言、"当面の緩和継続をあらためて示した発言" に目を向けてみると、現時点での "世界経済の不安定化" が、どれほど "ナーバス!" な状況に陥っているかが推測されようというものである。
政府、官僚機構が盛んに吹聴し続けている "アベノミクス" であるが、どうにも胡散臭くてならない......。
「アベノミクスが新たなリスク」 IMFが初めて指摘/朝日新聞/2013.07.10 - 01:19
【ワシントン=山川一基】国際通貨基金(IMF)のブランシャール調査局長は9日、安倍政権の「アベノミクス」が世界経済の「新たなリスクだ」と指摘した。一方、IMFは同日、最新の世界経済見通しで、日本の2013年の実質成長率予想を前年比2・0%増に上方修正した。
ブランシャール氏は同日の会見で、世界経済の新たな懸念材料として「中国の金融システム不安や成長の鈍化」 「アベノミクス」 「米国の量的緩和の縮小による世界金融の不安定化」の順で、言及した。
IMFはこれまでアベノミクスを支持してきた。リスクだと指摘するのは初めてだ。
ブランシャール氏は、アベノミクスが信頼できる中期的な財政健全化策を伴わなければ、「投資家が日本の財政の持続性を不安視し、日本国債に高い金利を求めることが心配だ」と指摘。「そうなると財政運営は困難になり、アベノミクスは難しい状況に追い込まれる」と述べ、財政再建の取り組みを強く求めた。
一方、IMFは9日に公表した世界経済見通しで、日本について短期的には「日本銀行による金融緩和が民間需要に効果を及ぼす」と指摘。13年の日本の成長見通しは4月の前回発表から0・5%幅上方修正した。東日本大震災の反動で伸びた昨年(2・0%増)と同じ成長を見込む。それ以前でみると、10年(4・7%増)以来の高い成長率だ。一方で14年は世界の景気鈍化の影響を踏まえ、0・3%幅下方修正し、1・2%増と予想した。
日本以外のほとんどの先進国と新興・途上国の成長見通しは下方修正した。13年の世界の成長率は3・1%で14年は3・8%。いずれも前回発表から0・2%幅引き下げ<た。「いくつかの新興国の低成長と欧州の不況が大きく響いている」という。
米国は3月に始まった政府支出の強制削減の悪影響で、13年は1・7%増に下方修正。ユーロ圏はマイナス幅が0・6%に膨らむ。新興・途上国は0・3%幅低い5・0%増に下方修正にされた。金融不安を抱える中国は前回発表より0・3%幅低い7・8%増に下方修正された。
本来を言って、"アベノミクス" への評価が定まるのは "先のこと" であるはずだろう。効果が現れるのが、 "先のこと" である点では "養毛剤や諸々のサプリメント" と同じなのである。( 筆者は、ほぼ間違いなく "カタストロフィ[破局]" を迎えると予感しているが...... )
であるにもかかわらず、参院選向け "客寄せパンダ(?)" としているものだから、"美辞麗句" やあれやこれやの "疑似兆候" を並べ立てて、"景気回復ムード" を演出することしきり......。ますます、胡散臭くなっている!
しかし、疑いなく了解できるのは、まさに経済環境 "不安定化" の昂進であり、このドサクサが、来たるべき経済成長の夜明け、静かな幕開けだと、一体、誰が信じるのであろうか...... (2013.07.12)
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