まあ、"原子力規制委員会" としても、黙って見過ごすわけには行かないのが道理なのであろう。昨日も注目した "東電福島第一原発高濃度汚染水300トン漏れ!"( 参照 福島第一原発/汚染水漏えい量300トン!当事者危機感ゼロか?!言葉を失うダラダラぶり!( 当誌 2013.08.21 ) )をめぐる深刻度の評価レベルについてである。
下記引用サイト記事:タンク汚染水漏れ レベル3に引き上げへ 規制委、評価見直し/東京新聞/2013.08.21 - 夕刊 によると、以下のとおりだ。
<東京電力福島第一原発のタンクから三百トン(東電の推計)の高濃度汚染水が漏れた問題で、原子力規制委員会は二十一日の定例会で、国際的な事故評価尺度で下から二番目のレベル1としていた暫定評価を、レベル3に二段階引き上げる可能性があるとの見解を示した>
厳しく見つめられたのは、"放射線" による汚染強度とその量であり、<放射線の管理上、レベル3の重大な汚染に相当する> とされる。
ただ、こうした<評価見直し> がどのような実質的意義を持つのかについては、記事の内容だけでは定かではない。
<すでに福島第一原発事故自体は最悪のレベル7と認定されており、それに関連して起きた今回のタンク事故を個別に評価することが適切なのか......> という叙述もあり、今一つ、理解に苦しむ。また、歯痒い思いも残る。
"原子力規制委員会" による、こうした<評価見直し> が、今流行りの "パフォーマンス" に終わらず、"原発事故" に関する "実質的な危機管理体制" の改善と推進に直結することを切に願いたいものだ......。
タンク汚染水漏れ レベル3に引き上げへ 規制委、評価見直し/東京新聞/2013.08.21 - 夕刊
東京電力福島第一原発のタンクから三百トン(東電の推計)の高濃度汚染水が漏れた問題で、原子力規制委員会は二十一日の定例会で、国際的な事故評価尺度で下から二番目のレベル1としていた暫定評価を、レベル3に二段階引き上げる可能性があるとの見解を示した。
規制委は、汚染水にベータ線を出す放射性ストロンチウム90(法定基準は一リットル当たり三〇ベクレル)などが一リットル当たり八〇〇〇万ベクレルと、放出が認められる濃度限度の数百万倍に達する極めて高い濃度であり、三百トンの漏出量から数千テラベクレル規模(テラは一兆)の漏出があると推定。規制委事務局は放射線の管理上、レベル3の重大な汚染に相当するとしている。
汚染水漏れが発覚した十九日の段階では、漏れた汚染水の量がはっきりしなかったため、規制委は暫定的にレベル1と評価していた。その後、東電が漏れた量を三百トンと推定したことから、評価を見直すことにした。
ただし、国際基準は通常の原発での事故を評価対象にしている。すでに福島第一原発事故自体は最悪のレベル7と認定されており、それに関連して起きた今回のタンク事故を個別に評価することが適切なのか、基準を所管する国際原子力機関(IAEA)に確認するとしている。
国内でのレベル3事故は、一九九七年に起きた動力炉・核燃料開発事業団(当時)東海アスファルト固化処理施設爆発事故がある。
国際評価尺度(INES)―― 原発など原子力施設で発生したトラブルの規模や深刻度を示す世界共通の物差し。国際原子力機関(IAEA)などが設定した。レベル1~3は「異常な事象」、レベル4~7は「事故」に区分。評価基準は施設内の汚染度合いや安全設備の状態などで、レベル2は相当量の汚染、安全設備の重大な欠陥などが該当し、レベル3は数千テラベクレルの放射能の放出、安全設備が残されていない事故寸前の状態などが該当する。最終的な判断は、IAEAに意見を聞く場合もあるが、各国の規制機関が評価する。
( ※引用者注 ―― 文意を損なわないよう留意して割愛しています。)
繰り返すようだが、公的な監視機関("原子力規制委員会")が、こうした<評価見直し> を行い、それが報道されたりすると、それだけで人々は、特別の根拠がなくとも大きな "期待感" を抱きがちとなる。そして、時間経過とともに忘却する......。
まるで、病院へ行くだけで、妙な安堵感を抱いてしまうことと似ていなくもない......。
もう、こうした "期待感" だけが行き交ってその場の空気が作られてしまうといった "愚" は卒業しなければならないはずだ...... (2013.08.22)
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