先日、十日余りの入院(胆石/胆嚢炎)を余儀なくされたが、その際、同室の患者さんの中に、"火野 正平"(NHKの「にっぽん縦断 こころ旅」)のトレードマークの "被り物(ボヘミアンズ?)" らしきものを被っておられた方が複数おられた。
話をしてみると、"肺がん" のため "抗がん剤治療" をされているとのこと。"脱毛" のための "被り物" だと......。しかし、 "抗がん剤" も回数を重ねる毎に効き目が弱まっていくと嘆いておられたことが印象に残った。
周囲を見回すと、自分の知り合いの中には、"肺がん" の治療している方が少なくないことに気づく。
下記引用サイト記事:再発しやすい肺がん、発見方法を開発 年内にも臨床試験/朝日新聞/2013.08.18 - 09:44 によれば、<毎年10万人が新たに診断され......> ているというから相当な発症率のようだ。しかも、<死者が最も多いがん> だとされる点にも注意が向かう。
一般的に、"早期発見" されて<現在は早期の肺がん治療は手術でがんを切り取るだけで、抗がん剤治療はしない> で済む場合が多いとも言われている。
だが、問題は、"術後" 、不幸にも "再発" するケースなのだそうで、そんなことならば引き続き "抗がん剤治療" を受けておくべきだったと......。
下記引用サイト記事は、こうした "再発" の可能性、<再発するタイプの肺がんを見つける方法> に焦点を合わせて、その "発見方法" を開発したという内容なのである。
その "発見方法" を成り立たせているのが、<「ACTN4」という遺伝子> の量と、この<ACTN4がつくり出すたんぱく質の量> の "多寡(たか)" なのだという。これらの "量" を検査することで診断するのだそうだ。
<たんぱく質が多い人は少ない人よりも5年生存率が低かった> というシビァな結果が出ているとのことであり、<「検査で再発しやすい患者を見つけ、手術後に抗がん剤治療などを加えれば、がんの再発を減らせる」> というのである。
この検査が臨床で実用化されることにより、これまで以上に "早期発見 → 切除" という措置が重要な意味を持つことになりそうだ......。
再発しやすい肺がん、発見方法を開発 年内にも臨床試験/朝日新聞/2013.08.18 - 09:44
【大岩ゆり】早期発見しても再発するタイプの肺がんを見つける方法を、国立がん研究センターの山田哲司・創薬臨床研究分野長らのチームが開発した。特定の遺伝子に異常がある肺がん患者は死亡する危険性が10倍以上高かった。こうした患者に手術の後に抗がん剤治療をすれば、再発を防げる可能性がある。英医学誌で発表した。
肺がんは毎年10万人が新たに診断され、死者が最も多いがん。研究チームは、肺がん患者の6割を占める「腺がん」と呼ばれる種類の診断法を開発した。
国立がん研究センターの早期肺腺がん患者290人を調べたところ、1割は「ACTN4」という遺伝子が異常に増えていた。異常がある患者の5年生存率は57%、異常がない患者は95%で、年齢や喫煙歴などの要因を考慮して死亡リスクを比べると、異常のある患者は10・5倍高かった。
ACTN4がつくり出すたんぱく質の量について患者645人を分析したところ、血液中でたんぱく質が多い人は少ない人よりも5年生存率が低かった。
研究チームは、簡便なたんぱく質の検査で調べ、異常が確認された患者は遺伝子検査で詳しく調べる方法を提案。ベンチャー企業がたんぱく質と遺伝子の診断薬などを開発した。薬事承認のための臨床試験を年内にも始める予定という。
手術を受けた患者の約半数は早期発見の患者。現在は早期の肺がん治療は手術でがんを切り取るだけで、抗がん剤治療はしない。
山田さんは、「検査で再発しやすい患者を見つけ、手術後に抗がん剤治療などを加えれば、がんの再発を減らせる」と話している。
"肺がん" 発症に重く関わると推測される "遺伝子:「ACTN4」" とそれらに起因する "たんぱく質" がほぼ特定されたことで、"肺がん" の "術後再発の可能性" が抑制されつつあるという進展は、多くの患者やその周囲の人々に希望をもたらすに違いなかろう...... (2013.08.19)
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