生物の "寿命" とは、言ってみれば生命活動全体から結果する "総合的帰結" なのではないかと思われる。
所詮、"寿命" は定まっている( "類" 単位では概ね定まっていそうだが )という運命論に加担するつもりはないが、かと言って、単純に、個々のあれこれの健康法を実施しさえすれば ">寿命が延びる" というものでもなさそうな気がする。
あえて言うならば、"老化" という言葉が "対(概念)" となっている気配であり、"老化のメカニズム" の解明が進めば、より "寿命" という言葉の内実も明らかになってくるのであろう。
ところが、下記引用サイト記事:遺伝子操作で寿命延びる可能性/NHK NEWS WEB/2013.08.30 - 04:42 では、この "寿命" に関して一歩踏み込んだ実験と研究が紹介されている。
<老化に関わる遺伝子を操作することで生物の寿命を延ばせる可能性があることを国立遺伝学研究所の研究グループが酵母菌を使った実験で突き止めました> という。そして、
<生命維持に欠かせないタンパク質を作る「リボソーム」という細胞の中の器官に注目し、リボソームの遺伝子の働きを酵母菌を使った実験で詳しく調べました/ 酵母菌の老化が進むと、リボソームの遺伝子の中で特定の部分の働きが不安定になる> とある。
ここまでは、"対(概念)" だと思われる "寿命" と "老化" との関係を踏襲していると見受けられるのだが、この先が興味深い点!なのである。
<老化が進んでも働きが安定するよう遺伝子操作をしたところ、酵母菌の寿命は通常の2日間から3日間にまで延びた> というのである。
つまり、"老化" の進行 = "寿命" が尽きる、という関係ではなくて、"老化" のプロセスで、"遺伝子操作"( "リボソームの遺伝子の中で特定の部分" への操作 )を加えると、"寿命は延びた" とされるのだ......。
遺伝子操作で寿命延びる可能性/NHK NEWS WEB/2013.08.30 - 04:42
老化に関わる遺伝子を操作することで生物の寿命を延ばせる可能性があることを国立遺伝学研究所の研究グループが酵母菌を使った実験で突き止めました。
この研究は国立遺伝学研究所の小林武彦教授の研究グループが行ったものです。
研究グループは、生命維持に欠かせないタンパク質を作る「リボソーム」という細胞の中の器官に注目し、リボソームの遺伝子の働きを酵母菌を使った実験で詳しく調べました。
その結果、酵母菌の老化が進むと、リボソームの遺伝子の中で特定の部分の働きが不安定になることが分かりました。
そこで、老化が進んでも働きが安定するよう遺伝子操作をしたところ、酵母菌の寿命は通常の2日間から3日間にまで延びたということです。
小林教授は「老化のメカニズムの一つが解明された。将来的には人の寿命を延ばすことにもつながる可能性があると思う」と話しています。
"寿命" を延ばす、ということで想起するのは、落語の "死神" という演目である。世をはかなむ男が、"死神" にとりつかれた上で、人の "寿命" についての "秘密" を教えてもらい、医者となって一儲けをするのだ。
詳細は省くが、その "秘密" とは、病人の寝床近辺には必ず "死神" が寄り添っているが、それが "足元" であれば病人は治り、もし "枕元" であれば "寿命" が尽きる、というのである。
が、この男は儲けのために、策を弄して、"死神" が油断をしたスキに、"病人の寝床を回転" させて、"死神" の位地を変えてしまい、病人の "寿命" を延ばしてしまうのである......。
上記記事の "遺伝子操作" という技を知った際、咄嗟に想起したのがこの落語であったから、門外漢の連想とは所詮こんなものなのである...... (2013.08.31)
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