東京電力福島第一原発での、いわゆる "汚染水問題" は、"心配/懸念材料" ばかりが未だに報じ続けられている。
先の、2020年五輪東京招致に向けた安倍晋三首相による海外向けのメッセージでは、"心配ご無用!" という内容の大見得が切られたわけだが、どうも実情はと言えば、甚だ芳しくないようである。
下記引用サイト記事 【 引用記事 1 】:福島第一 外洋近く 溝に汚染水/東京新聞/2013.09.13 - 朝刊 によれば、事態はただただ深刻さを深めているかのようだ。
<地上タンクから原子炉を冷やした後の処理水が漏れた問題で、東電は十二日、外洋に近い排水溝で採取した水から、高い濃度の放射性ストロンチウムなどを検出/ ストロンチウムなどを検出したのは、外洋から約百五十メートルの位置にある排水溝内。その先は急坂で、外洋にまっすぐ延びている> とあり、再び、"高濃度放射性物質の外洋への流出" が問題視されている。さらに、
<安倍晋三首相は国際オリンピック委員会(IOC)総会で「汚染水の影響は、港湾内で完全にブロックされている」と強調。すでに外洋への流出が確実視されていた中、発言は事実でないと批判された。今回の検出で国際社会への信用がさらに揺らぐ可能性がある> という "国際的信用問題" に発展することさえも懸念されている。
こうした事態の深刻さについては、日本国内の "甘い認識" とは別の、"海外からのリアルな視点での批判!" が参考となりそうだ。
それを報じているのが、下記引用サイト記事 【 引用記事 2 】:米専門家「スリーマイルより状況複雑」/NHK NEWS WEB/2013.09.12 - 19:57 である。
<東京電力福島第一原子力発電所で汚染水の問題が深刻化していることを受けて、アメリカスリーマイル島原発の廃炉作業を指揮した専門家(レイク・バレット氏)が現場を視察し、「福島第一原発の場合、地下水が関係しているためスリーマイルよりも状況は複雑で難しい」と述べました/ バレット氏は、すべてのタンクから汚染水が漏れたとしても周辺に流出しないよう周りのせきの高さを設定するなどの設計思想が必要だったとして、東京電力のリスク管理の甘さを指摘/ 「スリーマイルでは汚染水が原子炉建屋の中にとどまっていたが、福島では地下水が関係しているので状況はより複雑で難しい」/ 「汚染水を完全に管理するためには複雑なプロセスが必要だ。特に地下水など低レベルの汚染水は動きが複雑になるのでその管理は大きな課題だ」/ 「まずは国内外の基準以下になるまで放射性物質を取り除いていかなければならないが、次の段階はどう処分するかが課題となる。非常に膨大な量なのでため続けることはできず、おそらく海に流すことになると思うがその際は、技術的な課題よりも社会の合意を得るためのコミュニケーションが重要な課題になる」と述べました>
"安倍晋三首相のメッセージ" の内容もどうかと思えるが、むしろ危惧すべきは、もし首相が、"メッセージ" どおりの現状認識でいるとするならば、国際的な注目度も高まっている東京電力福島第一原発 "汚染水問題" の、その解決への道は、予断を許さないと思われる......。
【 引用記事 1 】
福島第一 外洋近く 溝に汚染水/東京新聞/2013.09.13 - 朝刊
東京電力福島第一原発の地上タンクから原子炉を冷やした後の処理水が漏れた問題で、東電は十二日、外洋に近い排水溝で採取した水から、高い濃度の放射性ストロンチウムなどを検出したと発表した。排水溝の先は外洋で、漏れた処理水の一部が再び流れ込んだのは確実とみられる。
安倍晋三首相は国際オリンピック委員会(IOC)総会で「汚染水の影響は、港湾内で完全にブロックされている」と強調。すでに外洋への流出が確実視されていた中、発言は事実でないと批判された。今回の検出で国際社会への信用がさらに揺らぐ可能性がある。
ストロンチウムなどを検出したのは、外洋から約百五十メートルの位置にある排水溝内。その先は急坂で、外洋にまっすぐ延びている。
...... 十一日に採取した水は、前日の十倍以上の値に上昇した。タンク内の処理水と特徴が一致 ...... 排水溝の上流側で除染作業が実施されており、土のうなどの拡散防止策が不十分で、放射性物質が下流へ流れ出た可能性もある。
東電は、...... 処理水が溝に流れ込んだ場合、流出そのものを防ぐ対策は打ち出せていない。......
( ※引用者注 ―― 文意を損なわないよう留意して割愛しています。)
【 引用記事 2 】
米専門家「スリーマイルより状況複雑」/NHK NEWS WEB/2013.09.12 - 19:57
東京電力福島第一原子力発電所で汚染水の問題が深刻化していることを受けて、アメリカスリーマイル島原発の廃炉作業を指揮した専門家が現場を視察し、「福島第一原発の場合、地下水が関係しているためスリーマイルよりも状況は複雑で難しい」と述べました。
視察を行ったのは、スリーマイル島原発の事故のあと、およそ4年間にわたって現場で廃炉作業を指揮した、アメリカ原子力規制委員会の元職員、レイク・バレット氏です。
バレット氏は、福島第一原発で汚染水の問題が深刻化していることを受けて、東京電力が新たに立ち上げた対策本部のアドバイザーとして招かれました。
視察では、先月およそ300トンの汚染水が漏れ出した山側にあるタンクや汚染された地下水の海への流出を防ぐため港の護岸沿いに行っている工事の現場などを見て回りました。
バレット氏は、すべてのタンクから汚染水が漏れたとしても周辺に流出しないよう周りのせきの高さを設定するなどの設計思想が必要だったとして、東京電力のリスク管理の甘さを指摘しました。
東京電力の廣瀬社長と会談したバレット氏は「スリーマイルでは汚染水が原子炉建屋の中にとどまっていたが、福島では地下水が関係しているので状況はより複雑で難しい」と述べました。......
バレット氏は、「汚染水を完全に管理するためには複雑なプロセスが必要だ。特に地下水など低レベルの汚染水は動きが複雑になるのでその管理は大きな課題だ」と話していました。
増え続けるタンクの汚染水については、「まずは国内外の基準以下になるまで放射性物質を取り除いていかなければならないが、次の段階はどう処分するかが課題となる。非常に膨大な量なのでため続けることはできず、おそらく海に流すことになると思うがその際は、技術的な課題よりも社会の合意を得るためのコミュニケーションが重要な課題になる」と述べました。......( ※引用者注 ―― 文意を損なわないよう留意して割愛しています。)
このまま "原発事故処理での汚染水問題" が "決め手を欠いて右往左往し続ける!" ならば、その事実こそが "原発再稼働" 問題に色濃い影を落とし続けるに違いない...... (2013.09.14)
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