認知症の代表とも言われる "アルツハイマー病" が、脳内に "アミロイドベータ(Aβ)やタウという異常なたんぱく質が蓄積" することによって、神経細胞が障害を受け、発症することは、これまでに明らかにされている。
◆ 参照 <アルツハイマー病患者の脳では、インスリンをつくったり利用したりするしくみが壊れている/ 高血糖が続くと脳にAβがたまりやすくなるほか、タウという別のたんぱく質にも異変が起きて神経細胞が壊れやすくなる>( "アルツハイマー病"と"糖尿病"との関係に熱い視線が!"インスリン"の働き周辺に注目!( 当誌 2013.07.30 ) )
ただ、治療の上で必要となる、その "脳内での蓄積状況" の "画像化" 技術は、"アミロイドベータ(Aβ)" 向けのものはあるが、"タウ" 向けのものはなかった、とされる。
下記引用サイト記事:アルツハイマー:原因物質?「タウ」集積画像化に成功/毎日新聞/2013.09.19 - 07:00 は、その "タウ" 向けの "画像化" 技術に成功したことを報じるものである。
<アルツハイマー型認知症の原因の一つとされる「タウたんぱく質」が患者の脳に集積する様子を画像化することに成功したと、放射線医学総合研究所の研究チームが19日、米科学誌ニューロン電子版に発表する。タウの集積は従来、死後に脳を解剖しなければ分からなかったが、画像化で発症前の早期発見につながる可能性がある/ 画像化は早期診断や症状進行の客観的な指標になる> という。
<日本のアルツハイマー型認知症の患者は推定100万人。......65才以上の10人に1人は発症する......>( アルツハイマー病・認知症の診断と治療 )と言われているだけに、その "原因物質" 蓄積の "可視化(画像化)" を叶えたという今回の研究成果は、今後の治療法研究にとって、少なからぬ弾みをつけたものとして期待される......。
アルツハイマー:原因物質?「タウ」集積画像化に成功/毎日新聞/2013.09.19 - 07:00
◇ 発症前発見に期待
アルツハイマー型認知症の原因の一つとされる「タウたんぱく質」が患者の脳に集積する様子を画像化することに成功したと、放射線医学総合研究所の研究チームが19日、米科学誌ニューロン電子版に発表する。タウの集積は従来、死後に脳を解剖しなければ分からなかったが、画像化で発症前の早期発見につながる可能性がある。
アルツハイマー型認知症は、異常たんぱく質のタウや「アミロイドベータ(Aβ)」が脳に集積し、神経細胞が死ぬことで発症に至る。がんなどの診断に使われる陽電子放射断層撮影(PET)を応用し、Aβを画像化する技術はあるが、タウではなかった。
放医研の樋口真人(まこと)チームリーダー(神経科学)らは、タウだけに結合する薬剤を開発。これを目印にし、PETの技術で集積の様子を画像化した。その結果、認知症が重症化するにつれて集積領域が広がっていく傾向があることも新たに確認できた。
アルツハイマー型認知症の根治療薬はまだない。タウやAβは、発症の十数年前から集積が始まるとされる。樋口さんは「画像化は早期診断や症状進行の客観的な指標になる」と話す。【西川拓】
"原因物質の蓄積部分" のような "病巣" を "一目了然!" にさせる技術は、"がん" における "がん幹細胞" が "可視化" されるようになって、"がん転移" の研究が前進したことと同様に、病気のメカニズムを解明する上でも、また治療法を探る上でも、極めて有効な足掛かりを提供するものだと理解できる。
医療現場においても、いわゆる "見える化(可視化)!" の持つ意義は高く評価されるものだと痛感する...... (2013.09.20)
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